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おちゃめくらぶ掲示板
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スマートフォンとコンシューマゲーム機との棲み分け
先日発表されたソニエリのスマートフォン「Xperia PLAY」がまもなく米国で登場するにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20110330_435883.html
このスマートフォンは外見はPSP goに近いものの中身はごく普通のスマートフォンとなって
いるにょ。
とはいえ、やはり目を惹くのはその外見にょ。
ハードウェアとしてゲームコントローラ機能を標準搭載しているためゲームをプレイする
上での携帯ゲーム機のアドバンテージとなっている部分が無くなるわけだからね。
というわけで、ネット配信であるPSSを全面に押し出してXperia PLAYを売っていくのかと
いうとそこまでPSSは盛り上がってない様子にょ。
PSS(PlayStation Suite)は2月15日にも書いたように当初はPSエミュによってPS用として
発売されたゲームを配信する予定となっているにょ。
そして、その後にネイティブで動作するアプリを配信するにょ。
要するに位置づけ的にはアップル社のApp Storeと同じようなものにょ。
ただし、PSSはXperia PLAY専用のサービスではないにょ。
PSSはAndroid OS 2.3以上を搭載のスマートフォン用となっており自社のiPhone、iPadで
しか使用できないものとは異なるにょ。
しかし、それは裏返せばPSSはいくつか存在するAndroid OS搭載スマートフォン用の配信
サービスの1つにすぎないというわけにょ。
PSSのウリというのは何なのか・・・?
やはり、PS用ソフトとして販売されたソフトがプレイできるようになるというものにょ。
これはPSはSCEのハードであり、ソニーの系列メーカーからでないと配信するのは難しい
ため十分な差別化要因になり得るにょ。
しかし、将来的には上記のようにネイティブソフトの配信も予定しているため多くの
ソフトベンダーの参入を行う必要があるにょ。
そのためには売れる確証がないと厳しいにょ。
事実上「PSSは(ほぼ)Xperia PLAY専用」という認識を持っている人も少なくないため
まずは様子見というソフトベンダーも多いのではないかと思われるにょ。
別にAndroidスマートフォン向けアプリならば別にPSSに参入しなくても他の配信サービス
によって配信すれば良いだけの話だからね。
ここでPSSの最大の壁となるのはアプリの価格にょ。
PSP用のゲームはネット配信であっても新作だと4000円弱の価格が付いているにょ。
これはパッケージ版だと5000円程度の価格であるためそれを考慮した価格となっている
わけだけどコンシューマゲームの場合はそういう価格を付けざるを得ないという面が
あるにょ。
それは開発コストの問題があるからにょ。
確かにコンシューマゲームは開発機材導入が必要であり、初期段階においては多額の
費用が必要になるけどそれらは使い回しができるため機材そのものの減価償却はすぐに
行うことができるにょ。(とはいえ、零細ソフトベンダーではその数100万〜数千万円と
いう減価償却というのは簡単にはできないけど・・・)
やはり、価格面に大きく影響しているのは開発機材のコストではなく純粋に開発・宣伝に
かかるコストにょ。
平均50人の人員を擁し2年かけて開発したゲームとなると1人400万円としても人件費だけで
4億円に達してしまうにょ。
そこまでするゲームは携帯ゲーム機向けとしては超大作レベルだけどやはり1作あたり
数千万の人件費がかかっているのは間違いないにょ。
開発コストには人件費だけではなく会社としての運営費(もちろん機材の減価償却費用)
という固定費を含んでいるにょ。
では、少なく見積もって開発コストは2000万円と仮定するにょ。
そして定価5000円のソフトにおいてライセンス料、生産コスト、流通コストを除いた
ものが定価の50%(2500円)と仮定するにょ。
その2500円がソフトベンダーとしての1本あたりの利益(つまり制作側からした売上)と
なりそのソフトにおいては8000本が損益分岐点となるにょ。
コンシューマゲームなら8000本は楽勝と思うかもしれないけど実はそんなに簡単なもの
ではないにょ。
特に昨今は売れるソフトと売れないソフトの差が大きいからね。
ただ、この8000本という数字は正確には販売本数ではないにょ。
コンシューマゲームは書籍のような返品制度は導入されていないため基本的に卸した
本数がメーカー(ソフトベンダー)としての売上となるにょ。
つまり、大半がワゴンセール行きになっても上記のソフトは1万本卸した場合にはその
時点で利益となるわけにょ。
ただし、そんなに甘くはないにょ。
上下格差が開いているため1万本の受注は期待できないからね。
そのために必要なのが宣伝費用にょ。
「おもしろければ売れる」という単純なものではなく売れるためには知名度が必要になる
ことも多々あるにょ。
任天堂のゲームは出来が良いから売れているというのは確かにあるけど莫大な宣伝費用を
かけているためにここまで売れているというのは否定できないにょ。
特にコンシューマゲームの場合は少量生産ができないため初動である程度の数量を確保
しておく必要があるにょ。
それに発売日の段階で売り場に並ばないような製品は口コミでさえも広がりにくいしね。
宣伝にもいろいろあるけどTVCMの場合は契約方法によって変わるけどキー局でゴールデン
タイムならばスポットCM1回で数100万円(+CM製作費)かかってしまうにょ。
人気ソフトの場合は億単位の宣伝コストは少なくないけどそれは弱小ベンダーにとっては
採算がとれないため厳しいにょ。
ファミ通などの雑誌掲載の場合は最低で10万円単位となるのでかなりそのハードルは
低くなるにょ。
とはいえ、特集として取り上げられてもらうにはかなりの費用がかかってしまうにょ。
http://getnews.jp/archives/27470
発売前3ヶ月〜発売後1ヶ月くらいは宣伝の必要があるため1ヶ月200万円の予算をかけて
宣伝した場合には開発コスト2000万円のゲームのコストはトータルで2800万円となり、
損益分岐点は1.1万本にまで増えてしまうにょ。
コンシューマゲームで採算をとるためにはこのような開発コストと宣伝コストとの
バランス非常に重要となってくるわけだけどその代わり当たればリターンも大きいわけ
だし、何より発売前(出荷本数)でメーカーとしての売上が確定しているのが大きい
といえるにょ。
これがコンシューマゲームがネット配信が主流になった場合を考えてみると発売後に
ならないと損益分岐点に達するかどうか全く見えなくなってしまうからね。
現状のパッケージ販売というのは販売店側にとっては非常に重要な物だけどメーカー側
(ゲームベンダー)においても重要なものといえるわけにょ。
つまり、あらかじめソフトの定価が決まっている場合にはその損益分岐点によって
開発コスト、宣伝コストが限られてくるというわけにょ。
ただ、スマートフォン用のアプリは一般的なコンシューマゲーム機用のゲームと比べ
圧倒的に低価格にょ。
パッケージコストや流通コストが少ないということで売価の7割がメーカー側に入ると
仮定するにょ。
その場合には売価700円のゲームでは約500円となるにょ。
上記コンシューマゲームと比べると1本当たりの利益は5分の1となるにょ。
つまり、同じコストのゲームの場合は5倍の本数売れる必要があるにょ。
確かにおもしろいけど宣伝があまりされてないため売れなかった不遇の作品は基本的に
売り切れがないネット配信ではヒットに繋がる可能性があるけど宣伝によって売れた
ゲームの場合は5倍の本数売ろうとするならば更なる多くの宣伝を行う必要があるにょ。
それにモンハンが400万本売れたわけだけどこれがスマートフォンで700円になったから
といって2000万本売れるなんてことはほぼあり得ないため大作(多額の開発コストや
宣伝コストをかけた作品)はスマートフォン用アプリとしては期待できないにょ。
そういう意味ではコンシューマゲームとスマートフォンは差別化が可能と言えるにょ。
NGPも確かに現状ではスペック面でのアドバンテージが大きいけどARMベースのクアッド
コアCPUも年内にはタブレット端末では普通に搭載されるようになると予想されその
スペック面のアドバンテージもそう長くは続かないにょ。
3DSの3D画面は「標準で3D対応」というアドバンテージによって追加コストやソフト資産が
ないため普及しない3Dの普及には非常に有用となっているもののやはり疲れやすさも
大きく一部の人には3Dがよく見えないという問題も浮上しているためその地位も絶対
的なものではないにょ。
とはいうものの3DS、NGPの世代においては携帯ゲーム機がスマートフォンに完全に
食われてしまうという可能性はほぼないと私は思っているにょ。
では、PSSを見てみるとPS用ゲームは元々コンシューマゲームであり、多額の開発コストを
かけているゲームも多いためゲームのボリュームもかなりのものがあるにょ。
そして、すでにパッケージ販売において開発コストをペイしているため安価で販売
しても問題ないためすでにPSPアーカイブスとして多くのソフトがラインナップされて
いるにょ。
しかし、その後に用意するネイティブアプリの場合は新規開発となるものも多いため
そう簡単にはいかないにょ。
損益分岐点を考慮すると開発コストはどうしても低く抑える必要がありそれによって
ゲームのボリュームが小さくなったりや完成度が低くなりがちになってしまうにょ。
PSSでは従来のスマートフォン用アプリより価格を高めに設定してハイクオリティーな
スマートフォン用アプリを提供しようと考えているみたいだけどそれがユーザーに
とってもメーカーにとっても受け入れられるようになるかどうかは微妙にょ。
多額のコストをかけようと比較されるのは他のスマートフォン用アプリでありそれら
と比較して高価であるならば価格に似合ったおもしろさがあるかどうかが重要になって
くるわけだからね。
PSSは価格に似合ったクオリティーのゲームばかりというユーザーの認識が広まれば
成功といえるのだけどそのためのハードルは極めて高いにょ。
スマートフォン用アプリとコンシューマゲーム用ソフトは上記のようにビジネスモデル
(利益回収システム)が異なるため両者の中間的なものというのが成立するのかという
こと自体が不透明なわけだからね。
そのためPSSを全面に押し出すにはメーカー(ソフトベンダー)の協力が必要不可欠
といえるにょ。
任天堂とは異なり、SCEは自社制作ゲームは非常に弱いからね。
ただ、単に販売価格を高めて高品質なものにするというだけではPSSで配信するメリットが
あるわけではないためPSSの契約条件がよほど優れていない限りはあまり協力的になる
とはいえないにょ。
コンシューマゲーム機であれば例えばPSPならばSCEとサードパーティの契約をしなければ
販売することができないのだけどAndroid端末用アプリではPSSは数ある配信サービスの
中の1つにすぎないためPSSを選択するだけの価値を見いだせるかどうかが今後重要に
なってくるにょ。
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