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おちゃめくらぶ掲示板
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SSDは普及しない!?
先日、日立のHDD事業がWDに譲渡するということが発表されたにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110308_431804.html
80年代は多数存在していたHDDメーカーは今となっては5社しかなくその中の1つの日本
企業が消えてしまうのは残念だけど元々日立グローバルシステムテクノロジはIBMのHDD
部門を買収したものでありHDDメーカーとして考えた場合には生粋の日本企業ということ
ではないにょ。
日立GSTは開発予算の関係からかもしれないけど先進のテクノロジをあまり採用しない
代わりに信頼性は高いメーカーだったので個人的には好きだったんだけどね。
これで残るHDDメーカーはWD、シーゲート、サムスン、東芝の4社だけとなり、日立GSTを
買収したWDは世界シェア半数近いトップHDDメーカーとなったにょ。(この4社のうち東芝
だけは3.5インチHDDを作ってない)
HDDメーカーは今後さらに減ることは増えることはほぼあり得ないにょ。
それは最新のテクノロジに対応するためには多くの開発費用が必要だから多くのシェアが
あるメーカーでないと開発費を捻出するのが難しいということもあるし、HDDそのものが
長いスパンで見た場合に出荷数が減少傾向になると予想できるからにょ。
その理由は何と言ってもSSDの存在にょ。
2006年のVAIO UXのゼロスピンドルモデルが登場してから「SSD」という言葉が使われる
ようになったにょ。
それまではフラッシュメモリをシステムドライブに採用したPCは一部には存在していたし
省電力性やランダムアクセス性能の高さからCFなどを本体に内蔵するマニアもそれなりに
多かったにょ。
しかし、CFやSDカードというのはシステムドライブとして使うことを考慮されたメディア
ではないためパフォーマンスの面では今ひとつだったにょ。
SSDには「高性能」と「省電力」というメリットがあるにょ。(物理的可動部分がないため
壊れにくいというメリットがある代わりに書き換え回数制限があるためそれを嫌っている
人も中にはいるけど容量が大きければ相対的に書き換え可能量が増えるため大容量SSDを
使えば書き換え量はほとんど気にする必要はない)
ランダムリードにおいては物理的にヘッドを移動させる必要があるHDDと比べて桁違いに
速いため細切れのファイルを転送するには非常に有利にょ。
しかし、初期のSSDはベンチで優れていても実際にHDDと比べてベンチの数値優位性が
見られなかったにょ。
それはアプリケーションの立ち上げなどではシーケンシャル性能も必要だからにょ。
これはSSDにおいては多チャンネル同時アクセスによって高速化を実現しているにょ。
3.5インチHDDで最速クラスでもシーケンシャルリードは150MB/s程度、2.5インチHDDでは
100MB/s程度なのだけどSSDではすでに550MB/sというものが発表されているにょ。
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110305/etc_ocz.html
来年にはさらに速いSSDが登場しそうな雰囲気だけどそれは難しいにょ。
これはSATA3.0の帯域が600MB/sしかないためであり、IFがボトルネックになっているので
さらに速いSSDを作ることは可能だけどようやく普及が開始したばかりのSATA3.0よりも
速いIFを用いる必要があるにょ。(HDDならば上記のように3.5インチであればSATA2.0で
十分であり、2.5インチならばSATA1.0で十分)
省電力に関しては昨今のHDDの省電力化の影響とSSDの高性能化による消費電力アップ
によって必ずしもSSDがHDDよりも省電力とは限らないにょ。(これは搭載している
コントローラの差が大きい)
そう考えるとHDDのメリットはもはや容量単価しかないにょ。(容量だけならばすでに
SSDがHDDを超えている)
しかし、その容量単価が普及においては非常に重要にょ。
それがどの程度なのかを見てみるにょ。
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110305/p_hdd.html
2TBのHDDは6000円以下で購入が可能となっており、1GB当たりの単価は約2.7円にょ。
2.5インチHDDでも1GB単価約8.6円となっているにょ。
それなのにSSDでは安い製品でも128GBで1万円台半ばということで1GB単価は116円となって
いるにょ。
これは3.5インチHDDと比べて43倍、2.5インチHDDと比べて13倍高価にょ。
いくらSSDの性能が良くてもこれだけの価格差があるならば普及しないのは当然にょ。
SSDはHDDとは異なりメーカーや機種によって性能差が大きいため出来る限り信頼できる
メーカー、製品を購入したいところだけどそれだとさらに割高になってしまうにょ。
一時期は年率で2倍を大きく超えるペースで容量単価を下げてきた(同じ容量ならば翌年
には前年の半額以下で買えるようになる)NANDフラッシュだけど近年はそれが下げ止まって
いるにょ。
これは昔はNANDフラッシュは旧世代の製造プロセスで製造していたのが今は需要増によって
最新の製造プロセスで製造しているため製造プロセスの進化速度が速い(半導体はムーアの
法則にあるように1年半〜2年で2倍となっていたのだけどNANDフラッシュの場合は例外的に
これを超えていた)というだけではなく、SLCメインからMLCメインとなったということも
容量単価引き下げに有効となっているにょ。
しかし、すでに最新の製造プロセスで製造されMLCが主流となってしまった今となっては
以前のようにムーアの法則を超えるような容量単価の下落はもう期待できないにょ。
現在主流の2bit MLCから3bit MLCや4bit MLCへの変動によってさらにコストダウンは可能
とはいえ、速度や書き換え回数が激減してしまうためSDカードのような記録媒体に転用
されることはあってもSSDとしては実用レベルに達しないのではないかと思われるにょ。
私は2007年3月14日にはあと3、4年すれば1.8インチHDDは使われなくなりモバイルノート
ではSSDが全盛になると予想していたにょ。
確かに1.8インチHDDはほぼ絶滅したものの2.5インチHDDは年々需要が増加しているにょ。
これは、ネットブックの普及による影響もあるけどデスクトップPC主流からノートPC主流
への変化によるものだと思われるにょ。
一昨年にはノートPCがデスクトップPCの世界出荷台数を超えてしまったくらいだからね。
そう考えると元々シェアの小さかった1.8インチHDDがSSDに食われたというだけにすぎない
といえるにょ。
4年前の計算では数年後にはSSDの容量単価が2.5インチHDDよりも安くなるはずだったけど
上記のようにそれは難しくなっているにょ。
仮にムーアの法則通り2年で2倍の進化と計算すると年率1.4倍となるにょ。
HDDが未だに年率1.3〜1.5倍で進化しており、少なくとも今後10年くらいは高密度化の
見通しが出来ていることからSSDが2.5インチHDDの容量単価より安くなるということは
考えにくいにょ。
それでは、今後10年以内にSSDが2.5インチHDDのシェアを奪うことはないのかというと
そうではないにょ。
というのも一般人が必ずしも数TBの容量を必要としているわけではないからにょ。
大量データを保存しないモバイルノートであれば64GBのSSDならば困ることはないし、
256GB程度あれば一般的用途で特に不満を感じることはないのではないかと思うにょ。
256GBのSSDが現在のHDDの最安値(約4K円)よりも安くなるならば絶対的な容量でHDDが
勝っていてもノートPCへの搭載が増加するのではないかと思われるにょ。
HDDはその構造上の面からは安価にするのは難しく大容量化は容易でも低価格化には向いて
いないにょ。
したがって、SSDの方が容量単価で負けていても十分な容量が確保でき4K円より安く提供
できならば十分SSDが普及する可能性はあるにょ。
つまり、1GB当たりの容量単価15円がSSD普及の目安というわけにょ。
上記調査では現在の最安で116円であり、今後2年で半額に下落すると考えると6年後には
容量単価が15円を切る計算になるにょ。(実際は基板やコントローラチップの関係で
半額にするのは難しいけどプラッタという物理的な制約があるHDDよりは容量が価格へと
リニアに転化される)
もっとも、「今は256GBで困らない」というだけであって6年後に256GBで困らないかどうか
というのはそのときになってみないと分からないためあくまで机上の計算に過ぎないにょ。
HDDの容量はは現状で多くの人が256GB程度で困らないだろうと私は考えているのだけど
それはあくまでPCを主にネットなどに使っている一般ユーザーを想定しているにょ。
Web上にHD動画が増えているけど実際にPCに保存するに値するかどうかということを考えた
場合にはその程度の容量で十分賄えそうだからね。
しかし、それがTV録画用途となると話は大きく変わるにょ。
地デジ録画をした場合TS保存すれば30分番組でも4GB近くに達するからね。
週30番組録画すればそれだけで年間6TBとなるにょ。
これだけ録画する人が主流とは思えないし、見たら消す派の人もいるだろうからそこまで
不要という人もいるかもしれないけど録画番組を撮り溜めるという人にとっては256GB
というのは論外であることが言えるにょ。
したがって、そういう人たちの要望を満たすために数TBで安価に作れる3.5インチHDDの
需要は当分は安泰だと思われるにょ。
別に録画用に限らず大容量かつ信頼性の高さが必要な分野のすべてで言えるからね。
そう考えると今回は日立のHDD事業を多額の費用で買収したWDだけどその選択が決して
間違ってないことが分かるにょ。
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