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おちゃめくらぶ掲示板

534御茶目菜子:2011/02/18(金) 14:07:04
LifeTouch NOTEのコンセプト
LifeTouch NOTEの開発者のインタビューが掲載されているにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/gyokai/20110218_427641.html
これを見るとどのような意図であの製品が開発されたのかがよく分かるけど予想通り
PCとスマートフォンとの間の隙間を狙ったものということがいえるにょ。
さて、その隙間というのが何かという前に一般的な視点から見たPCやスマートフォンの
欠点を把握する必要があるにょ。

◎PCの欠点
 ・重くて大きい
 ・バッテリ駆動時間が短い
 ・起動に時間がかかる

◎スマートフォンの欠点
 ・画面が小さい
 ・基本的にキーボードがない

PCの欠点に関してはサイズ、重量を考えるとやや小さめの10インチクラスのネットブック
でもB5サイズ、1kg程度あるにょ。
しかも、軽い機種(バッテリ容量の少ない機種)は駆動時間に大きく影響を与えるため
駆動時間は短めの機種が多いにょ。
特にネットブックのような機種の場合は本体の軽量化にコストをかけていないため1kg程度
では3セル程度のバッテリしか搭載できず実駆動時間は3、4時間程度しかなくなってしまう
からね。
さらに駆動時間もWindowsであればSSDを搭載していても通常は30秒以上の時間がかかって
しまうにょ。

スマートフォンの欠点に関しては画面サイズは携帯性との兼ね合いで大きくすることが
できないにょ。
一部で5インチモデルがあるものの多くの機種は4インチ前後となっているからね。
4インチWVGAだと233ppiに達するにょ。
識別可能な300ppiのボーダーラインよりは下だから十分ドット単位で認識可能とはいえ
常時凝視した状態を保つのは厳しいからね。
そして、キーボードは備えたものはいくつかあるけど親指入力しかできないスライド式の
キーボードではフリック入力をマスターした人と比べて高速に入力するというのは難しい
と思われるにょ。

そういう隙間を埋めるので成功したのがiPadにょ。
「タブレット端末はあまり売れない」という認識を覆したのだけどやはり上記のような
お互いの欠点をうまく補完しているというのが勝因の1つと思われるにょ。
唯一足りないのはキーボードだけどあの画面サイズならばソフトウェアキーボードでも
何とか実用レベルだし、どうしてもハードウェアで無ければ嫌というのならばそういう
時だけ外付けキーボードを使えばいいにょ。(外付けキーボードを持ち出すならば
スマートフォンでも条件は同じかもしれないけどスマートフォンと同程度のサイズの
キーボードとなると使い勝手が良いとはいえず、大型のキーボードが必要になるけど
そうなればB5サイズのバッグが必要になってしまう)

ただし、現実的には昨年の9月4日にも書いたようにiPadは持ち歩き用ではなく多くの人が
自宅での使用に止まっているにょ。
これはiPadだけの問題ではなく今後登場する大型(10インチクラス)のタブレット端末に
ついても当てはまりそうにょ。
要するにPCはすでに持っているけどそのPCの欠点が気になるからあえてこのような端末を
使うというわけだからね。
自宅での使用に限定するならば1kgのネットブックと700gのiPadの300g差は無視できる
レベルにょ。
しかし、多くの人はPCには起動が遅いという大きな問題があると考えているため常時
サスペンドを使えば数秒で起動するという事実を知らない(便利さを体感していない)と
思われるにょ。(実際は常時サスペンドを行うには一昨日にも書いたようなサスペンド
中のバッテリ消費問題があるためサスペンドを常用すれば解決と一概には言えないけど)

LifeTouch NOTEは同じくPCとスマートフォンとの隙間を埋めるものとして提案されたけど
iPadとの大きな違いはキーボード前提であり「テキスト入力にメインを据え端末」という
ことにょ。
確かに幅広い層に訴求していくには魅力的なサービスとの連動というのも1つの方法になる
と思われるにょ。
実際iPodはiTMSによる音楽配信で大きな売り上げとなったし、iPhone、iPadもApp Storeに
よるアプリの存在は非常に大きいものといえるにょ。
電子書籍でもAmazonのKindleも書籍配信を自前で行うことで大きな売り上げとなったにょ。

さて、NECにおいてこのような自社サービスとの連動したAndroid端末というと開発部署は
異なるもののすでに「Smartia」という製品があるにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/20110118_420910.html
これはNECビッグローブが提供している端末であり、BIGLOBEのサービスを利用するのに
便利なようにカスタマイズされているにょ。
確かにBIGLOBEのサービスを頻繁に利用する人にとっては便利な端末ではあるけどこのように
既存サービスの活用を前提としてしまうとそれ以外の用途に使いたいという人からすると
敬遠されがちになってしまうにょ。
つまり、他社には絶対負けないレベルのサービスを用意できない限りは特定サービスでの
使用を前提とするとマイナス要素になりかねないということにょ。
個人的にはこのSmartiaよりも国内ではドコモから発売されているサムスンのGalaxy Tabの
方が遙かに魅力的な製品に見えるにょ。

さて、Smartiaは「LifeTouch」というコンセプトの製品の1つだけどLifeTouch NOTEは
それと別のコンセプトを持った機種となるにょ。
Smartiaは「BIGLOBEのサービスの利用」だったのがLifeTouch NOTEは「テキスト入力」
ということになるにょ。
テキスト入力をウリにするならば特定のサービスに依存する必要はないにょ。
せいぜいクラウドサービスとしてテキスト保存用のWebストレージの提供程度あれば十分
だけど現実問題からいって本体に2〜8GBの容量があり、SDHCが使えるという状況下において
テキストメインでクラウド前提の使い方は考えにくいにょ。
8GBといえば400字詰め原稿用紙に隙間無く書き込んで1000万枚分となるからね。
1日100枚の原稿を書く人であっても10万日(約274年)となり自分の原稿だけならば一生
かかっても使い切れないほどの容量にょ。
こんな長文ばっかのこの掲示板も1年でたったの3MB程度だしね。
そもそもこのLifeTouch NOTEですべての資料を完成させるというのではなく基本的にPCと
連動させることを考えているためSDカードが使えれば何ら問題はないにょ。

さて、問題はそういうテキスト入力端末の需要というのがどの程度あるかというと開発者
側は60万台程度の市場規模があると予想しているにょ。
決して大きなものではないけど魅力的な製品を投入し寡占すれば十分商売として成り立つ
レベルだといえるにょ。
実際テキストメモという極めて限定的な使い方しかできないポメラもキングジムが当初に
掲げた目標の3万台は簡単に超えており年間10万台規模で売れているからね。
したがって、ポメラはバリエーションモデルをいくつも投入できるレベルになったにょ。

ポメラは軽量コンパクトというだけではなく乾電池で長時間駆動するというのが大きな
アドバンテージだけどそのギミック上使用するにはテーブルが必要になってくるし
使用用途を限定しているためWebで調べものをしながらテキストを書くという用途には
向かないにょ。
これは中途半端で使い物にならないWebブラウザを搭載したり乾電池で長時間駆動という
大きなアドバンテージを失ってまでWeb機能を強化するというのは本質から間違っている
ためポメラは現在のものですでに完成型といえそうにょ。

しかし、LifeTouch NOTEはあくまでAndroid端末であり、Webを利用するのが標準で可能と
なっているにょ。
したがって、ポメラとは本質的に異なる製品といえるにょ。
どちらかというとかなりPC寄りの製品となっているにょ。
それでいて、PCの欠点がないとなれば魅力的な製品になるはずにょ。
キーボードは「キーピッチ16.8mm」が譲れないラインと言っているようにまともにテキスト
入力に使うならばキーそのものの出来も重要だけどキーピッチが重要になってくるからね。
IS01などのコンパクトなAndroid端末ではタッチタイプが十分にできるとは言い難いにょ。
個人的には17mm前後のキーピッチが有ればフルサイズ(19mm)と遜色なくタイピング可能で
あるためその開発者側のコメントには十分賛同できるにょ。
それにAndroidでは標準サポートしていないショートカットキーもサポートしたテキスト
エディタを搭載しているためATOKと合わせて使用することでPCでの日本語入力と何ら
変わりない環境を手に入れることができるにょ。

とはいえ、LifeTouch NOTEは実際にはネットブックやモバイルノートと比べて重量面の
アドバンテージがあるということで700gを切ることが目標とされてきたけど現実問題から
すると10〜12インチのPCではなく似たようなサイズのVAIO Pなどが直接的なライバル関係と
なるにょ。
したがって、それと比べて軽量でないと「軽量であることがアドバンテージ」とは言えない
と私は思うにょ。
VAIO Pは標準バッテリだと619gだけどこれだと軽いWeb閲覧でも4時間前後と心許ないため
2倍の容量を持つLバッテリを基準に考えるにょ。
Lバッテリを装着すると135g重量が増えて754gとなるにょ。
LifeTouch NOTEは699gでWeb閲覧で9時間駆動、VAIO Pが754gでWeb閲覧で8時間駆動となる
ため確かにLifeTouch NOTEの方が優れているといえば優れているけど昨日も書いたように
同一容量のバッテリでAtomの2倍程度の駆動時間が可能なARMベースのCPUでこの程度の
差しかないというのは明確なアドバンテージがあるとは言い難いにょ。

そのアドバンテージを確保できなかったのはやはり価格面の問題が大きそうにょ。
やはり当初から価格を抑えるのが目的だったからね。
初期のモバイルギアは10万円程度だったけどそれはモバイルノートが20万円以上しており
1kgを切るようなものはごく一部しかなかったために十分なアドバンテージになっていた
けどそれでも当時としても高価格がネックだったにょ。
今やVAIO Pは実売価格ベースならば(安い店なら)5万円台まで値下がりしているにょ。
それらと争うためには5万円を切ることが必要最低条件となるにょ。

その価格の問題がやはり重量や液晶にしわ寄せが来ているにょ。
高コストで良いならばもう100g程度の軽量化は余裕でできるし、WSVGAもしくは更に高解像
液晶を搭載することもいくらでもできるからね。
VAIO Pも元々5万円の製品ではなく元は定価10万円程度の製品にょ。
その筐体をベースにAndroid端末を作ると考えたらCPU、メモリ、ストレージの分だけ安く
なっても定価ベースであれば8万円程度にょ。
OSの分だけさらに安くなっても7万円程度にょ。
つまり、このLifeTouch NOTEは定価7万円程度であれば500g台の重量とWXGAの高解像度
液晶搭載にすることは十分可能だったのではないかと思われるにょ。

しかし、市場規模を考えると現在でそこまで冒険することはできなかったと思われるにょ。
そのためコンセプトは良いけどスペック的には凡庸となってしまったにょ。
スマートフォンなどのように本体コストをかけても2年契約によって安価に販売して
後で回収できるビジネスモデルのようなものはないため本体だけで利益を出す必要が
あるからにょ。
目標が10万台なら10万台売れれば開発コストもペイできるような価格設定になっている
はずであり、そうなるとなおさら部品コストにしわ寄せがやってくるにょ。
ワールドワイドで100万台単位で売れるスマートフォンとは異なるにょ。
iPadも世界で1500万台以上販売されているからね。
それらと同じようなレベルを望むのは難しいにょ。

とはいえ、「こんな製品は今出してもあまり売れないかもしれない」ということで企画
倒れとなったりせず市場にちゃんと送り出したということでコンセプトだけは高く評価
できるにょ。
この製品がヒットすればより軽量かつ高解像度液晶を搭載したバリエーションモデルの
登場は十分可能性があるけど果たしてどうなるのかは実際に市場に出てからでないと
判断ができないにょ。
機能をあれだけ限定したポメラも最初からあれだけ売れると思っていた人はほとんど
居なかっただろうからね。




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