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おちゃめくらぶ掲示板
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COOLPIX P300は高級コンデジなのか?
ニコンから広角側F1.8のズームレンズを搭載した「COOLPIX P300」が発表されたにょ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110209_425813.html
さて、このP300は換算24-100mmのズームでありながらF1.8の明るさという事前のリーク
情報が一人歩きをしてオリンパスのXZ-1の対抗となるような機種かと思われたにょ。
しかし、実際に発表されてみれば広角側は確かにF1.8であるものの望遠側はF4.9になる
という残念なものだったにょ。
COOLPIX P300 XZ-1 S95
センサー 裏面照射型CMOS CCD CCD
サイズ 1/2.3インチ 1/1.63インチ 1/1.7インチ
画素数 1220万画素 1000万画素 1000万画素
レンズ
換算焦点距離 24-100mm 28-112mm 28-105mm
F値 F1.8-4.9 ??F1.8-2.5 F2-4.9
動画 フルHD 720p 720p
アクセサリー
シュー 無し 有り 無し
サイズ 103x58.3x32mm 110x64.8x42.3mm 99.8x58.4x29.5mm
重量 189g 275g 170g
価格com最安値 39800円(※) 52376円(※) 30680円
(※)P300とXZ-1は未発売であるため現時点での参考価格
こうやって比較してみるとP300に近いスペックなのはXZ-1ではなくS95であるということが
よく分かるにょ。(レンズの明るさや筐体サイズ、重量、アクセサリーシューの有無など)
しかし、センサーサイズやRAW現像の可否という面ではS95より劣る部分もあるにょ。
単純にカタログスペックで比較すると24mmからの4倍ズーム(S95は28mmからの3.8倍ズーム)
だし、画素数も1220万画素でS95の1000万画素より多いし、液晶画面も92万画素でS95の
46万画素よりも多いし、フルHDの動画撮影もできるためP300の方がS95よりも上と感じる
人がいてもおかしくはないにょ。
しかし、コンデジでは画素数で優劣は決まらないし、このクラスだとズームの倍率ではなく
レンズ性能で比較しないと無意味にょ。
さて、一昨日も書いたようにデジカメにおいて画質を決める3要因のうちの2つがスペック
表から判断しただけでもXZ-1よりは劣っているためP300はXZ-1のライバル的存在として
考えるわけにはいかないにょ。
では(1)センサー、(2)レンズのそれぞれの観点から具体的に書いていくことにするにょ。
(1)基本的にはセンサーサイズは大きければ大きい方が良いというのは一昨日にも書いた
通りにょ。
コンデジにおいては高級モデルに用いられている1/1.7インチセンサーと普及モデルに
用いられている1/2.3インチセンサーの2つの種類が主にあるにょ。
それらは1/2.3インチセンサーは1/1.7インチセンサーの3分の2程度しかないということで
どうしても不利になってしまうにょ。
ただ、同じ製造プロセスでは1/2.3インチセンサーは1/1.7インチセンサーの3分の2の性能
なんてことはないにょ。
それは開口率が100%ではないからにょ。
高画素化が進み表面積における配線が占める割合もバカにはならないからね。
センサー面積が3分の2だから1画素あたりも3分の2かというとそうではなくそれよりも
ずっと小さくなっているにょ。
さらに他の高級コンデジは大きな1/1.7インチセンサーを用いながら1000万画素に抑えて
いるのに対してP300は小さな1/2.3インチセンサーを用いながら1200万画素もあるにょ。
単純計算すると1画素あたりの面積は1/1.7インチセンサーは1/2.3インチセンサーと比べて
1.5倍になるけど画素数を考慮すれば1.8倍になるにょ。
これはシャッター速度1段分に相当するにょ。
ただし、P300が搭載しているのはCCDセンサーではなく裏面照射CMOSセンサーにょ。
裏面照射センサーは配線の無い裏側で受光させることで開口率を高めているというだけ
ではなく配線の影響で井戸の底に投射するような状態になっているデジカメ用のセンサー
においては面積比以上に有利な存在となっているにょ。
このため1/2.3インチという小さなセンサーにも関わらず高感度時の画質は1/1.7インチ
センサーには劣らず、場合によっては凌駕することもあるにょ。
そして、CMOSの読み出し速度の速さを活かして高速連写をしそれを使用してノイズを
低減することも可能であり、ソニーのCyberShotでは「手持ち夜景モード」と呼ばれている
この機能を使えばデジタル一眼レフに近いレベルの高感度画質を得ることが可能となって
いるにょ。
私が普段使っている初代の裏面照射センサー搭載コンデジであるTX1は私が所持している
デジタル一眼(ペンタックスK200D、ニコンD50)と比較してISO1600では遜色がない
レベルだからね。
ただし、裏面照射センサーにも欠点があるにょ。
それは昨年6月25日に書いたような「製造コストが高い」「熱ノイズにより日中屋外での
写真に解像感がない」「従来センサーと発色傾向が異なるため色再現性が悪い」という
ものにょ。
製造コストに関しては量産化が進みそれほど問題ならなくなったし、色再現性においては
裏面照射を考慮した画像処理エンジンによって徐々に気にならなくなったとはいえ
やはり、ノイズによる解像感の無さはどうにもならないにょ。
とはいえ、裏面照射ではないセンサーであっても1/2.3インチクラスとなるとレンズが
解像しないため普及クラスのデジカメであれば暗所に強い分だけ裏面照射センサーは
メリットがあるといえるのだけど「画質を重視するコンデジ」において裏面照射
センサーは不向きだと思われるにょ。
(2)高級コンデジに求められるレンズというのは「解像力」と「明るさ」だと思うにょ。
これが一眼レフ用だとボケ味なども重要な要素になってくるけどボケ味以前に解像
しなければ意味がないからね。
1月17日には高級コンデジが1000万画素で横並びになっている理由と思われることを
書いたのだけど高級コンデジ用のレンズが125本/mmであっても1/1.7インチセンサーでは
約270万画素しか解像できず、サンプリング定理を元にその270万画素を完全に解像する
ためには縦横2倍の解像度が必要と考えた場合でさえ1080万画素となるからね。
P300はその3分の2の面積しかない小さな1/2.3インチセンサーに1200万画素を詰め込んで
いるにょ。
そのため125本/mmのレンズを搭載していると考えた場合でも解像できるのはせいぜい
700万画素モードまでてあり、それ以上のモードではファイルサイズの水増しにしか
ならないにょ。
そうならないためにはXZ-1以上の高性能レンズを使用している必要性があるにょ。
1/1.7インチセンサー、1000万画素であれば120本/mmで済んだものが1/2.3インチセンサー、
1200万画素では170本/mmのレンズが必要になってくるにょ。
さらに大きいのは物理的な問題でありどうすることもできない回折限界があるにょ。
回折限界は画素ピッチが狭まるほど早い段階から現れてくるけど単純計算では1/1.7インチ、
1000万画素ではF4なのに対して1/2.3インチ、1200万画素ではF2.9からその影響が出始めて
しまうにょ。
回折限界になったら「すぐに解像しなくなる」というわけではなく「徐々に解像しなく
なってしまう」というだけであるためF2.8までしか使い物にならないというわけでは
ないけどどれだけ高解像力のレンズであっても防ぐことができない物理的な現象である
ために望遠側のF4.9がいかに絶望的かが分かるにょ。
これが最初から高画質(高解像)を期待していない普及クラスのコンデジならば大して
問題ではない(レンズの解像力がボトルネックになっているため回折の影響が出始める
のはかなり遅い)けれど画質を気にするコンデジであればこれは致命的にょ。
そして、やはりレンズの明るさそのものがコンデジにとっては有用にょ。
いくら暗所に強い裏面照射センサーとはいえISO感度が1段違えば画質が変わるわけだから
同じ撮影条件でより低感度で撮影できる明るいレンズというのは十分に意味があるにょ。
一眼レフの交換レンズにおいては明るさが1段異なるだけで価格が数倍変わってくるからね。
先日発表されたEOS用の望遠レンズの価格もそれを知らない人からすると驚きの高価格
といえるにょ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110207_425453.html
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110207_425451.html
600mm F4は143万円、500mm F4が113万円となっているにょ。
一般人が買える300mm F5.6のレンズ(2倍テレコンを付けて600mmF11相当)と比べると
3段明るいレンズだけど価格は10倍以上異なるからね。
3段分明るくても3段絞って使わないと良好な画像を得られない場合は明るい意味がないため
開放でも安心して使えるように高コストな低分散ガラスなどをふんだんに使っていることが
高価な理由となっているにょ。(これは明るいレンズは高価であるという一例として考えて
もらえたらいい)
また、こういうレンズはプロ用であり数があまり出ないから売価を高めに設定していると
いうのもあるけど明るいレンズというのはそれだけでかなりの価値があるというのはやはり
それを必要としている人でないとその金額分の見いだすのは難しいと思われるにょ。
一眼レフの場合はボケを活かした作画もその価値の1つといえるにょ。
昔、人物ポートレート撮影にサンニッパ(300mm F2.8)が流行ったのはバストアップ
ではなく全身であっても背景を大きくぼかすことが可能だったからにょ。
近接バストアップ写真であれば85mm F1.4で十分ぼかせるけどサンニッパによる人物
ポートレートは新たな表現を産んだにょ。
ただ、センサーサイズが小さなコンデジの場合はそこまでボケを活かした表現を行うのは
難しいにょ。
XZ-1のレンズがいくら明るいといってもフォーサーズで標準ズームを使うのと同レベルの
被写界深度であってボケを活かした表現が簡単にできるというわけではないからね。(他の
コンデジよりは背景をボカしやすいというレベル)
したがって、ボケ表現よりも単純に明るいレンズによって得られる高速シャッターの
恩恵がコンデジにおいては大きいと思われるにょ。
S95の望遠側はF4.9でXZ-1はF2.5でありその差は約2段分にょ。
これはXZ-1が同一感度では4倍のシャッター速度が得られることを意味するにょ。
しかし、昨日も書いたようにXZ-1は高感度時の画質やS95よりやや劣るにょ。
ただし1段分の差もないため2段分の差があるレンズによって逆転が可能になるにょ。
P300の高感度時の画質はまだ分からないけどS95並と考えたらXZ-1に軍配が上がりそうにょ。
P300のレンズがF1.8-F4.9ではなくF1.8-F2.8程度だったら例え1/2.3インチセンサーを搭載
であっても面白い存在となっていただけに残念にょ。
初物価格で4万円弱ということで「高級コンデジ」ではなく少し造りのよい普及クラスの
コンデジでしかないためそこまで求めるのは難しいかもしれないにょ。
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