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おちゃめくらぶ掲示板
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日本のTV放送に未来はあるのか?
昨日書いた「まねきTV」の最高裁での判決だけどこれはカラオケ法理の拡大解釈と考える
人も多いにょ。
さて、「カラオケ法理」というのは何なのかというとお客にカラオケを使用させていた
カラオケスナックが1988年の最高裁で著作権法第22条における演奏権の侵害になっていると
いうことで損害賠償等を請求された事件が元になっているにょ。
これは利用しているのがお客であっても「店側がカラオケ機器を設置してお客に使用させ
利益を上げている」ということが問題視されたにょ。
最高裁は適法か違法かを判断する所であるため最高裁での判例は後の裁判で重要な判断
基準になるにょ。
このカラオケ法理は「管理」と「利益」を元に司法判断する場合に活用されているにょ。
カラオケスナックのカラオケはスナック店のものであり、それを利用して利益を上げて
いるから著作権侵害となると見なされたわけにょ。
1月6日に書いた「自炊の森」だけどこれはカラオケ法理を使用すれば簡単に適法かどうか
分かるにょ。
自炊の森にある裁断済みコミックスは「自炊の森」の所有物であり、それを用いて
利益を上げているわけだから誰が考えても適法とはいえないにょ。
これを適法とするには所有権が変わる以外にはあり得ないにょ。
したがって、コミックスを販売し所有権が自炊の森からユーザーへと移り、それをユーザー
自身の手によってスキャンさせれば問題は無くなるにょ。(カラオケ法理的には)
しかし、今回のまねきTVでは所有権がユーザーにあってもその所有物を管理している側が
行っているという解釈が行われたにょ。
しかも、それによって著作権法第2条1項9号の5にある「送信可能化権」を侵害するもの
という判断が下されたからね。
さて、これをカラオケスナックに当てはめて考えるとどのようになるのか・・・。
(1)お客は自分自身に所有権のあるハンディカラオケをスナックに預ける
(2)お客はそのカラオケを使用して歌う(所有者以外には使わせない)
(3)歌う場所は他のお客の居ない所(店外等)でのみ
という感じになるにょ。
(1)は、まねきTVと同じようにユーザーに所有権があっても店に預けることで店が管理側に
なるということになるにょ。
(2)は、あくまで所有者はユーザーであるため当然のことにょ。
(3)は、大勢の居る前で歌えばそれでも演奏権の侵害となるからね。
まねきTVが使用しているロケフリは1対1となっており契約している本人しか利用する
ことができないためそれを実現するには「誰もお客が居ない所」(要するに店の外など)
となってしまうにょ。
そう考えると今回のまねきTVでカラオケ法理を適用するのはかなり無理があるといえる
かもしれないにょ。
それどころか今回の判例を適用すると自炊サービスにおいてユーザー自身の所有物を自炊
する行為も違法となりかねないレベルにょ。
非常におかしな判決というのは別の物に例えたら分かるけど今回のまねきTVの判決で問題に
なるのは1対1が「公衆送信」になるのかということにょ。
「送信可能化権」の侵害が適用されるのは公衆送信であるということが前提になるから
だからね。
例えばTV番組を録画した動画をオンラインストレージに保存したとするにょ。
この時点で厳密にいえば私的複製の範囲を超えてしまうのだけど今回はそれはひとまず
置いて考えてみるにょ。
このオンラインストレージに保存した動画が再生できるのは基本的にユーザーだけと
なるけどこれを公衆送信(著作権侵害)に相当するのか・・・?
恐らくほとんどの人が問題ないと考えるはずにょ。
でないと、オンラインストレージそのものが違法となれば利用できなくなるからね。
次に適当なアップローダにTV番組を録画した動画をアップロードした場合を考えるにょ。
これも「単にネット上のストレージに保存しただけだから合法だ」と解釈する人は逆に
ほとんど居ないのではないかと思うにょ。
両者にはそれを受信可能なのが本人だけかそうではないのかという違いがあるにょ。
本人だけではなく不特定多数の人が受信できるため著作権侵害なのは明白にょ。
ならばパスワードを入れて本人しかダウンロードできないようにすれば問題なくなって
しまうにょ。
ここでパスワードを解析されたら不特定多数の人が受信できるというかもしれないけど
それならオンラインストレージであってもパスワードを解析されたら同じことにょ。
根本的に異なるのは多人数を想定したサービス(1対多)か個人を想定したサービス
(1対1)かということだと思われるにょ。
オンラインストレージはアップローダや共有サイトとは異なり基本的に利用者本人しか
使えない(ダウンロードできない)仕組み(1対1)になっているにょ。
そのため「インターネット」という公衆回線を用いても公衆送信にはならないと考える
のが妥当にょ。
今回の最高裁の判例を元に解釈するとオンラインストレージに著作物を保存する行為は
自動公衆送信に相当し公衆可能化権を侵害する行為といえるにょ。
アップローダや共有サイトに著作物をアップロードするのと同じような処罰がオンライン
ストレージ使用者に適用されてもおかしくはないにょ。
これが今回の判例のおかしなところにょ。
利用者数100人のまねきTVをわざわざテレビ局がそろって訴えたのは地方民放を守るためと
考えることもできるにょ。
http://ascii.jp/elem/000/000/582/582599/
TV放送は放送法によって放送できる範囲が限られているにょ。
>第六条 放送事業者は、他の放送事業者(受託放送事業者を除く。)又は電気通信役務
>利用放送事業者(電気通信役務利用放送法 (平成十三年法律第八十五号)第二条
>第三項 に規定する電気通信役務利用放送事業者をいう。以下同じ。)の同意を得なければ、
>その放送(委託して行わせるものを含む。)又は電気通信役務利用放送(同条第一項 に
>規定する電気通信役務利用放送をいう。以下同じ。)を受信し、これらを再放送しては
>ならない。
これは簡単に言えば区域外再送信は認可や同意が得られないとできないということにょ。
区域外再送信というのは元々難視聴地域の格差是正のために始まったにょ。
放送法第2条の2第2項第3号において放送対象地域ごとの放送系の数(簡単に言えば民放の
放送局の数)の目標が定められているけど地域によってそれは異なるし利権問題も絡むので
難しいにょ。
青森県、秋田県、富山県、福井県、山梨県、鳥取県、島根県、山口県、徳島県、高知県、
佐賀県、大分県、宮崎県、沖縄県は放送系の数が3以下となっており、東京をはじめとする
関東広域圏の6と比べて大きく劣るにょ。
しかし、CATVによって格差是正が行われているにょ。
CATVはTV放送によって利益を上げており、公衆送信権を侵害するものに見えるけどこれは
著作権法2条1項9号の2において特例として認められた「有線放送」に属しているため問題
ないにょ。
この区域外再送信だけどやはり問題となるのは「区域外」のTV局と「区域内」のTV局の
両方の同意を得られないと実現できないということにょ。
利権が絡むので区域外のTV局へ再送信をお願いしても必ずしも受け入れられるとは限ら
ないわけだし、区域内のTV局にとっては無駄な競争相手が増えるわけだからあまり歓迎
できないにょ。
また、地上アナログ放送から地デジに移行する際には再び区域外再送信の許可を得る必要が
あるため難航しているにょ。
当然のことながらアナログ放送で区域外送信が出来なかった放送局の再送信が地デジでは
出来るようになるなんてことはないのだけどアナログ放送で区域外送信が出来ていた
放送局に関して出来なくなるということはあるから困りものにょ。
私の地元CATVもアナログでは区域外送信が出来ていた隣県の放送が地デジでは出来なく
なってしまったからね。
アナログ放送終了まであと半年余りとなってしまったけど私が未だに地デジ環境を導入
しないのはこの理由が大きいにょ。(利便性の悪さもあるけど)
近年は、TV放送された番組がネットで配信される機会も多くなったにょ。
昨年9月25日に書いたようにTVアニメはTV放送を宣伝行為としてDVDなどを販売することで
利益を上げるビジネスモデルとなっているにょ。
つまり、制作委員会側からすると放送する機会が増えることはメリットになる(コストと
天秤に考えて割が合うかどうかを考えなければならないけど)ためネット配信が最近増えて
いると思われるにょ。(枠買取型の深夜アニメの場合は制作委員会の判断で解決可能
だけどTV局主体で作られているバラエティ番組などはTV局の判断に委ねられる)
ただし、TV局側からすると競争相手が増えるためなかなか認可することができないと
いう考えもあるにょ。
ただでさえ、TV放送はここ近年広告収入が激減しているからね。
一番困るのは自前のコンテンツを持ってない地方民放にょ。
キー局であれば自前のコンテンツをネットを使って有償配信することで利益を上げることが
できるけどそれが増えれば増えるほど地方民放は苦しい立場に立たされてくるにょ。
確かにそれを守るのは分かるけど著作権保護に関して言えばただでさえ日本においては
無料の地上波でさえ厳しいDRMによって管理されており諸外国と比べて利便性が劣る(最近に
なってDLNAによって地デジ放送が家庭内ネットワークで見れるようになったし、B-CASも
改善されたため地デジ開始当時と比べると大きく改善されてはいるけど)ためにTV離れも
少なくないからね。
実際広告の売り上げもネットがTVを追い抜くのは時間の問題になっているくらいだしね。
そのため今後はTVもネットとの親和性が求められて来るのではないかと思われるにょ。
しかし、それも今回の最高裁において「著作権保護」を最優先した拡大解釈の司法判断が
下されてしまったため日本のTVの将来は厳しくなってしまったにょ。
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