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おちゃめくらぶ掲示板
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ネットサービスはすべて合法ではなくなる!?
「まねきTV」が最高裁にて著作権侵害と判断されてしまったにょ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1101/18/news076.html
まねきTVはソニーのロケーションフリー(以下「ロケフリ」)を用いてインターネット
でTV番組を転送するサービスにょ。
ロケフリは外出先からでもTV番組を見れるということで非常に有用な機器だけど問題は
ネット上でデータを転送するという行為が著作権法第23条1項の「公衆送信」に該当して
しまいかねないということにょ。
ロケフリは不特定多数に送信するものではなくあらかじめ特定されたユーザーのみに
送信するためしないにょ。
「公衆送信権」は著作権者以外の公衆送信行為を規制する権利にょ。
「公衆送信行為」は著作権法により著作権法第2条1項7号の2に「公衆によつて直接受信
されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信」することと記されているにょ。
つまり、インターネット上でのデータのやりとりは公衆送信と見なされるわけにょ。
数年前から急拡大してきているYouTubeやニコニコ動画などの動画共有サイトだけどTV録画
したものを共有(アップロード)した場合には当然のことながらこの公衆送信権に抵触
してしまうにょ。
ただここで問題なのはロケフリによる転送は「公衆送信」に該当するかということにょ。
ニコニコ動画などは不特定多数への送信だから確実に公衆送信となってしまうにょ。
それに対してロケフリで転送可能なのは1対1となっているため不特定多数への送信ではない
ので問題ないにょ。
さらにここで2007年5月30日に書いた「録画ネット」と「まねきTV」の違いもあるにょ。
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0703/05/news007.html
似たようなサービスを展開していた両者だけど録画ネット側はあらかじめ用意された
録画用PCを用いて1対1への転送サービスを行っているのに対してまねきTVは市販品の
ロケフリをユーザーが購入しそのユーザー所有のロケフリを用いてネット転送するという
サービスを行っているにょ。(その購入もまねきTVが代行で購入するのではなくちゃんと
ユーザーが購入してまねきTVに郵送するシステムとなっている)
したがって、第1審、第2審ともにこのサービスは合法であると判決が下されたにょ。
しかし、今回の最高裁ではその判決は一転したにょ。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110118164443.pdf
今回の裁判の焦点となったのは著作権法第2条1項9号の5にある「送信可能化権」にょ。
>九の五 送信可能化 次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにする
>ことをいう。
>イ 公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に
>供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に
>供する部分(以下この号及び第四十七条の五第一項第一号において「公衆送信用記録
>媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を
>有する装置をいう。以下同じ。)の公衆送信用記録媒体に情報を記録し、情報が記録
>された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え、若しくは
>情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し、
>又は当該自動公衆送信装置に情報を入力すること。
>ロ その公衆送信用記録媒体に情報が記録され、又は当該自動公衆送信装置に情報が入力
>されている自動公衆送信装置について、公衆の用に供されている電気通信回線への接続
>(配線、自動公衆送信装置の始動、送受信用プログラムの起動その他の一連の行為により
>行われる場合には、当該一連の行為のうち最後のものをいう。)を行うこと
ここでいう自動公衆送信は第9条1号9の4に「公衆からの求めに応じ自動的に行うもの」と
記されており一般的にはネット上のビデオオンデマンドサービスのようなものを示すにょ。
しかし、ロケフリは1対1で送信を行っているにょ。
ここで著作権法第2条1項7号の2を見てみると下記のように書かれているにょ。
>七の二 公衆送信 公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線
>電気通信の送信(電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と
>同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に
>属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を
>除く。)を行うことをいう。
しかし、1対1であっても今回の判決で「公衆の用に供されている電器通信回線に接続する
ことにより,等該当装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する
機能を有する装置は,これがあらかじめ設定された単一機器当てに送信する機能しか
有しない場合であっても,当該装置を用いて行われる送信が自動公衆送信であるといえる
ときは,公衆送信装置に当たるというべきである。」と言い渡されたにょ。
焦点となるのは上記「録画ネット」と「まねきTV」の判決の差異で書いたようにロケフリは
ユーザー所有のものなのでここで言う「公衆」には該当しないにょ。
これも、「自動公衆送信が,当該装置に入力される情報を受信者の求めに応じ自動的に
送信する機能を有する装置の使用を前提としていることに鑑みると,その主体は,当該
装置が受信者からの求めに応じ情報を自動的に送信できる状態を作り出す行為を行う者と
解するのが相当であり,当該装置が公衆の用に供されている電気通信回線に接続しており,
これに継続的に情報が入力されている場合には,当該装置に情報を入力する者が送信の
主体であると解するのが相当である。」と言い渡されたにょ。
つまり、当該装置(ロケフリ)がユーザーの管理下にはなくまねきTV側にあるため
まねきTVが個人ユーザーに送信しているという判断によって「ロケフリがユーザー所有物
であるため合法」だった第1審、第2審の判決が完全に覆された理由となるわけにょ。
2007年5月29日にはオンラインストレージの違法判決が下されたということを書いたにょ。
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/05/28/15851.html
著作物(音楽)を本人のサーバに記録するということは著作権法で定められた私的複製に
該当しないということであり、サーバ自体がユーザーの所有物でないということから
公衆送信に該当したにょ。
しかし、「複製をしない」かつ「ユーザー個人の所有物」というまねきTVは当時は合法
だったにょ。
ただ、今回の判決ではユーザー個人の所有物であっても本人管理ではないとそれを認める
ことができないと見なされたにょ。
これによりWebを利用したサービスすべてにおいて著作物を扱う場合には著作権法から
逃れることができなくなったにょ。
ただ、これによってネットを利用したサービスがすべて終了するわけではないにょ。
ネット上に他人の著作物を保存する場合(もしくは送信する場合)には他人の著作物を
扱うことを前提にしたサービスができないというだけだからね。
オンラインストレージ自体は合法だし、ネット配信も自作動画であれば問題ないからね。
とはいえ、ネット経由で個人的に他人の著作物を利用する場合でも厳密にいえばオンライン
ストレージに保存した時点で著作権法違反になるにょ。
オンラインストレージは自分の所有物ではないからね。
今回はこれがハウジングサービスのように自分の端末であっても他人の管理下にあれば
駄目という判決が下されたわけにょ。
ただし、著作権法は基本的に親告罪であり第三者による複製行為は著作権法では私的
複製にならない(1月6日に書いたような自炊代行サービスも私的複製ではない)とは
いえ訴えがないと罪にはならないにょ。(海賊版販売などの一部例外を除く)
「罪にならないなら法的に問題ある行為もやってもいい」なんて考えの人はあまり居ない
だろうからおかしな判例だけは作って欲しくなかったにょ。
クラウド化が進みネットを利用した便利なサービスが多数登場しているけどそれらは
著作権法を厳密に適用するとグレーなものばかりにょ。
端末が個人所有であれば私的複製や公衆送信には当たらないのだったけど今回の判例に
よってそれも覆り「完全に合法なネットサービス」は無くなってしまったにょ。(要は
著作権者に「ばれる」か「ばれないか」、つまりそのサービスの主目的として著作物を
扱うか否かというだけの違いにすぎない)
合法的に行いたければ第三者に頼っては駄目ということにょ。
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