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おちゃめくらぶ掲示板
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法による表現規制は正しいのか・・・?
東京都の青少年育成条例の改正案だけど昨日行われた採決の結果15日の本会議を経て
成立する見通しとなったにょ。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101214-OYT1T00106.htm
しかし、マスコミの報道は相変わらず恣意的なものとなっているにょ。
この改正案には6月に否決された改正案の条文にあった「非実在青少年」というものは
無くなっており、登場人物の年齢制限は条文から消されているのにあたかも「子供に
対する性行為を行う漫画」が規制されるという誤った報道がされているからね。
言うならば「非実在犯罪規制」(※ただし、アニメ、漫画に限る)という条例であって
この内容からすると青少年育成条例でも何でもないにょ。
昨晩のニュース23でも上記の件に関して採り上げられたけど女性アナウンサーは子供に
「見せたくないから規制に賛成」という意見を言っていたにょ。
これはゾーニングや自主規制の現状を知らないかつ条文を読んでない(もしくはちゃんと
理解してない)というのが理由かもしれないにょ。
すでに多くの雑誌が自主規制をしており、その雑誌の想定している年齢層にあった表現
方法にて表現しているし、昨日も書いたように自由に見れないようゾーニングを行って
販売しているからね。
確かに各都道府県では長野県を除き各都道府県の青少年育成条例によって不健全図書指定
(有害図書指定)は確かにあるもののほとんどの県でどれだけのページ数を書いたら
いけないと具体的に書いているのに対して東京都の場合は「誇張」という言葉で済ませて
いるからね。
つまり、1ページ、1コマでも「誇張」と見なされれば「不健全図書(=事実上の発禁)」
となってしまうわけにょ。
それが胸三寸で決まってしまうから恐ろしいにょ。
しかも、刑罰法規に触れるものすべてが対象であることから「子供に対する性行為」だけ
では到底すまないにょ。
そんな拡大解釈はないだろうという人もいるかもしれないけど8月6日に書いたように
画像1枚をネット上で配布したという「著作権法違反」の罪で逮捕された「原田ウイルス」
作成者の例もあるからね。(この作者は次に作った「タコイカウイルス」も逮捕するのが
目的で強引に「器物破損」の罪が適用された)
規制範囲が広く曖昧であるということはこのように「規制したいと判断する漫画、アニメを
簡単に規制できる」という恐ろしい側面を併せ持っているにょ。
画像1枚でも著作権法違反の対象になってしまうのと同じくどんな些細なことでも刑罰
法規に触れる描写を行えば条例違反の対象になってしまうからね。(著作権法とは異なり
親告罪ではないのがさらに厄介)
そうならないように漫画家や出版社は今まで以上に自主規制を行う必要があるけど刑罰
法規に触れない描写なんて六法全書を覚えた人でない限り描くのは不可能であり、実際は
どこまでなら許容して貰えるのかびくびくしながら描かなくてはならないにょ。
本来であればゾーニングをより強化していく形にするのがベストだけど石原都知事は
「漫画家は卑しい仕事をしている」と見下しているためそのような機会は設けられず
今回のような多数の反対が出ている中で強行策に出たにょ。(都に届いた改正案に関する
陳述書も都にとって都合の悪い部分はすべて抹消され都合のよい規制賛成派の住民意見
だけを取り出すという明らかに理不尽な行為をしている)
これだけ分かっていて「子供に見せたくない」から「法の力で規制すべき」と考える人は
「漫画そのものが嫌い」という人を除けばほとんどいないと思うにょ。
しかし、「一線を越えた表現をしたければ最初から『18禁』として売ればいいだけ」と思う
人も中にはいるかもしれないにょ。
その際には上記のようにその適用範囲が広くて曖昧であるという点が問題となるにょ。
「ヤング○○」などの青年誌やレディースコミックなどは「18禁」(成年誌)として販売
すれば確かに問題ないといえるけどそれでは取扱される店が大幅に減ってしまうという
問題を抱えているし、少年誌が全く刑罰法規に触れる描写がないわけではないため極論
から言うと少年誌も「18禁」として販売しなくてはならないにょ。
つまり、あらかじめ「18禁」として販売するという方法は今回の改正案においては何の
解決策にもならないにょ。
それに加えて出版社や雑誌の自主規制というものを根本的に否定したこの改正案では
18禁そのものも問題となりそうだしね。
初の成人(18禁)コミックは「IKENAI!いんびテーション」にょ。
これはヤングマガジン連載の作品だったけど有害図書指定を受けたために18禁レーベルで
刊行されたにょ。
今は多くの18禁漫画が刊行されているけどそれらはすべて「自主規制」による「18禁」と
なっているにょ。
漫画であっても刑法上の「わいせつ物」と判断された松文館事件があるように自主規制が
否定されてしまった今回の改正案において「18禁ならば関係ない」なんてことは全く
ないといえるにょ。(大いに影響してくる)
実際PCゲームにおいては「18禁」という本来ならば幅広い表現が可能なものにおいても
昨今は規制が厳しくなっていて表現できる幅がかなり狭められており、自主規制による
18禁漫画はそれと同じく厳しい立場に立たされそうにょ。
出版社や雑誌(編集部)の自主規制を否定してその変わりに導入されようとしているのが
昨日書いたような漫画を審査する第三者団体(恐らく天下り団体)にょ。
今後は東京都で出版、流通される漫画はすべてこの審査団体を通して行うことが義務づけ
られるにょ。
「全く刑罰法規に反した描写をしていない」という自信があれば審査団体を通さず
自主規制で出版、流通も無理ではないだろうけどそれは曖昧かつ広範囲の規制が阻んで
しまうにょ。
今回はアニメ、漫画が対象となっておりゲームは入ってないのはゲームに関しては
コンシューマゲームにはCERO、PCゲームにはソフ倫があり、すでに各メーカーの自主規制
ではなくそれを総括した審査団体があるというのが大きいと思われるにょ。
CEROはメーカー側ではなく第三者から選出された審査人による審査であるためかなり規制が
厳しくそれが海外メーカーの日本での参入を難しくしているくらいにょ。
海外では問題ない残虐性のある描写も日本では認められず日本で販売する際には日本向けに
表現を変えて販売する必要があるからにょ。
Xboxは海外のゲームが主体となっているけど日本でXboxが極端に売れてない(欧米と比べ
PS3との格差が大きい)というのはそういうゲームを好む人が少ないのもあるけどその
規制による影響も大きいのではないかと思われるにょ。(近年は世界における日本の
ゲームシェアは小さくなっており積極的にその表現制限の壁を越えてまで日本で発売する
メーカーはごく一部に限られる)
コンシューマゲームにはCEROによって厳しい表現規制があるのだけどPCゲームにはソフ倫が
あるにょ。
91年の「沙織事件」によって今まで各メーカーの自主規制で制作売られていたPCゲームに
おいてソフ倫(コンピュータソフトウェア倫理機構)が作られることになったにょ。
当初は「全年齢」と「18禁」しか区分がなく「喫煙シーンがある」という理由で全年齢では
発売できなくなった「卒業II」はそれだけの理由で「18禁」で発売されたにょ。
上記のように18禁では扱う店に制限が出来てしまうため94年にはR指定(15禁)が設け
られたにょ。
ソフ倫はメーカー側が主体となった「メーカーを守るため」に作られた審査団体だけど
それでも昨今は各所からのバッシングが大きく99年に児童ポルノ法が施行された際には
18歳未満の設定のキャラとの性行為は禁止されてしまったにょ。
そして昨年イギリスで起きた「レイプレイ事件」によってさらに規制が進み今では同じ
18禁として販売されている実写のAVよりも遥かに厳しい表現規制を受けているにょ。
メーカー保護を目的としたメーカー主体の審査団体でさえこれなのだから規制するのが
目的である天下り団体であればこれより遥かに厳しい規制になるのは明白であり「18禁なら
(刑法上の「わいせつ図画」に相当しない限り)自由に表現できる」ということは無く
なってしまうと思われるにょ。
全年齢向けの作品ならばさらに表現できる幅は狭まってしまうにょ。
仮に「全年齢」と「18禁」という2つの種類しかない場合は「全年齢」で販売できない
場合は即18禁となってしまうにょ。
それは「売場が変わる」だけではなく「流通が変わる」ということを意味するにょ。
仮に少年ジャンプの表現において全年齢では相応しくない描写があったとした場合には
その号だけ18禁コーナーに並べられ翌号からは元のコーナーに戻るなんてことはなく
一旦廃刊となり、流通を変えて再度刊行されることになるにょ。
雑誌の場合はよほどの表現問題がない限り1回でそこまで迫られてしまうことはないと
思うし、見本誌で全年齢では出せないことが分かったらその時点で差し替えをすれば済む
問題だろうけどね。
しかし、全年齢として発売できない部分があったらそれを差し替えて再審査しなくては
ならないという都合上その週の発売日が急遽変更になるという問題点があり発売間隔が短い
週刊誌においてはそれは致命的な問題となるため確実に「全年齢」としてパスできるように
事実上厳しい自主制限を強いられてしまうにょ。
これは少年ジャンプであれば「全年齢」として発売できないような事態にならないと考える
人もあるかもしれないけどそれは表現においてかなり寛容をしている側の考えにすぎない
と思われるにょ。
漫画はアニメと比べて比較的自主規制が緩いからね。
TVアニメは深夜アニメであってもキー局による全国放送のものは性描写に関しては厳しい
自主規制を行っているにょ。(パンチラさえNGという放送局さえあるのだけど80年台までは
ゴールデンでさえパンチラどころか全裸シーンが放送されていたことを考えるとかなり
規制が厳しくなっているのが分かると思う)
あと性描写だけではなく20歳未満の喫煙シーンはNGであり、「苺ましまろ」においては
原作では女子高生の伸恵はアニメでは短大生の設定に変えられたにょ。
道路交通法に反するため自転車の2人乗りもNGであり「ハヤテのごとく」では「この道路は
私有地」という設定によって何とか2人乗りシーンをアニメで再現できたにょ。
自主規制のTVアニメでさえこれなのだから第三者の審査が入るであろう漫画においては
「全年齢」として発売するためにはそれ以上の厳しい表現規制が入るのは確実にょ。
それくらい刑罰法規に反しない描写を行うためには気を遣う必要があるにょ。(これでも
暴力描写は宗教面の描写に関しては海外よりは許容されているためそこまで厳しい自主
規制をしてもそのまま海外では全年齢として発売することはできないものもある)
これはTVアニメという性質上深夜の放送であってもゴールデンと大差ない表現規制を
強いられているからにょ。
深夜に放送しているから「これくらいの表現は許されるだろう」と自主規制を緩めて
しまえばたちどころにクレームを入れる人(モンスターペアレント)が出てくるからね。
現在放送中の「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」はそういう人からの苦情の格好の
的となっており「女子中学生が18禁ゲームをプレイする」という性質上今回の改正案が
成立し施行された際には「全年齢」としてDVDを販売するのは厳しいと思われるにょ。
つまり、深夜に放送しているとか関係なく(小学生以下の)子供が見ても問題ないような
表現規制が強いられてしまうということにょ。
漫画において、「小学生が見ても問題ないか否か」というのは出版者側だとかなり甘めと
なってしまうのだけどそれが「規制したい側」からするとかなり厳しくなってしまうにょ。
つまり、規制する側が「小学生が見ても問題ない」と判断可能なレベルにしないと
「全年齢」として販売することはできなくなるということになるにょ。
そうなった場合は少年誌であっても「全年齢」として発売することは決して簡単なことでは
なく青年誌においては存続の危機さえあるにょ。
青年誌であろうと「全年齢」として発売するためには「小学生が見ても問題ない」レベルの
表現規制が求められるからね。
「青年誌はターゲットが中学生以上(高校生以上)だから小学生はターゲットではない」
と出版社が言ってもそれが認められることはまずないにょ。
それが認められるのであれば自主規制による表現規制やゾーニング販売を完全に無視した
上で強引に法規制を行うはずがないからね。
そうなると、青年誌においては表現できる幅が著しく狭くなってしまうにょ。
それが気に入らなければ成人向け(18禁)と販売するしかないけどそれはさすがに厳しい
ためにソフ倫と同じくR指定(15禁)が作られるのではないかと思われるにょ。
このように今回の改正案が成立してしまうと漫画において表現できる幅は大きく狭められて
しまうことになるにょ。
これは条例ということで東京都においてのみ強制力を持つけど東京都を制作、流通から
外すなんてことは極めて困難だし、東京で成立してしまったことが引き金となり各県にも
影響を与えてしまうことになるにょ。
実際、神奈川県でも青少年育成条例が改正されようとしているけどこちらもアニメや漫画を
規制する内容が盛り込まれているため「東京都で成立した」という実績が出てくれば
神奈川県でも規制派の後押しとなるからね。
憲法で保障されている「表現の自由」は上記の「松文館事件」のように「わいせつ物」に
関しては「表現の自由」は適用されないという判例ができてしまったし、今回の東京都の
青少年育成条例の改正に関してはわいせつでない場合でも「表現の規制」が法的に認め
られる前例を作ってしまうことになってしまうにょ。(「法による表現規制」は憲法違反
ではないという前例)
つまり、アニメや漫画といった「絵」に関しては実写以上の厳しい表現規制が設けられる
ということにょ。
実写に関してはあくまで自主規制に任されており「わいせつ物」以外であれば法的には
何の規制もないからね。(最近は「児童ポルノ法」によって場合によっては水着写真でも
罰せられる可能性があるので規制が緩いというわけではないけど漫画やアニメではそれと
同等以上の規制が強いられる)
したがって、たかが「1都道府県の条例にすぎない」といってもこれが今後の二次元規制
(アニメ、漫画の規制)において与える影響は計り知れないものがあるにょ。
この改正案の正式な成立は明日とはいえ、昨日の採決の結果が明日の本会議で覆るなんて
ことはほぼあり得ないためこのまま成立すると考えられるにょ。
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