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おちゃめくらぶ掲示板

419御茶目菜子:2010/10/31(日) 14:26:49
ネットブックはお買い得・・・とは限らない
昨日の最後に書いたMacBook Airとネットブックを比べてネットブックの方がお買い得感が
高いと言っているこの海外のレビュー記事だけどそれをもう少し考えてみるにょ。
http://wiredvision.jp/news/201010/2010102621.html

やはり、ネットブックはその「絶対的な安さ」が何よりのアドバンテージにょ。
これが実現したのは何度も書いているように低価格のAtom(元々安いけどIntelが定めた
条件を満たすとさらに半値で納品される)とMSが定めた条件を満たすとULCPC用として
低価格のWindowsを提供したのが大きいにょ。
かつてWin95時代に訪れたチャンドラを代表するミニノートブームは小さい方が安く製造
可能になる(当時は液晶コストがPCのパーツの中で最も高価だったためそれが小さいことが
低価格化にも繋がっていた)というだけではなく小さいから低いランクのCPUでも問題が
無かったからね。

当時のモバイル用CPUは通常電圧版、低電圧版、超低電圧版というような分類は無かった
(ただし、それより前の時代には386SLC、486SLCといったIntelら正規ライセンスを受け
低電力仕様にしたCPUは存在していた)けど超低電圧版なんて無くてもTDPは2〜5W程度
(180nmのMMX Pentiumの場合)だったにょ。
熱設計技術は今と比べて格段に劣っていたとはいえ、TDP2W台となる下位モデルであれば
小さなA5サイズのPCであっても搭載するのは容易だったにょ。

ネットブックが安価なのは上記のようなCPUとWindowsが特別に安いということだけではなく
Atomは熱設計技術の進んだ今でCPU単体だとTDP2.5W(ノースブリッジが統合されたPineView
ならばTDP7〜8W)ということでかなり低いTDPであるため設計が容易ということも挙げられ
そして重要なのは量産化によってコストダウンを行っているということにょ。
国内モバイルノートが部品コストの割りに高価なのは需要がそこまで大きくないため
量産効果による値下げが難しいということが大きいわけだからね。
つまり、ネットブックが「絶対価格」において安いのは当たり前ということにょ。

ただし、相対的に安価かどうかというと昨日も書いたように他機種や他のランクのPCとの
兼ね合いもあるため単純にはいかないにょ。
ネットブックとの比較としてよく用いられるであろうCULVノートと部品コストの違いに
よる価格差がどの程度あるのかを考えてみるにょ。

ネットブックの主要パーツのコストは概ねこんな感じにょ。(ソースによって異なって
いるため大ざっぱな金額)

 CPU ・・・・・・ 40ドル(チップセット含む)
 HDD ・・・・・・ 40ドル
 メモリ(1GB)・・・10ドル
 液晶パネル(WSVGA)20〜30ドル
 OS ・・・・・・・・30ドル

ここまでで、合計150ドルであとはマザーボードと筐体、そして各種チップなど細かい
パーツ類があるためトータルの部品コストは200ドル少々かかっているのではないかと
予想しているにょ。(日本円に直すと2万円程度か)
これが日本では4万円前後で売られているにょ。
ネットブックも量産効果によって価格が下落したもののすでに限界まで来ているため
これ以上の大幅下落は難しいにょ。

では、CULVノートはどうなのかというとまずCPUの価格は明示されてないにょ。
Penrynコアは最低モデルがCPU単体で100ドル程度だったのでチップセット込みで150ドル
程度だったけどArrandleコアのものは価格が発表されてないからね。
というのも低価格のCPUはほとんどCULVノートとして使用されるためだと思われるにょ。
ネットブックはIntelの条件を満たすことで半値で提供される(上記の40ドルは半値に
した後の金額)ということを考えるとCULVノート用CPUが仮にIntelの条件を満たすことで
半値提供されるとすれば75ドルとなるにょ。(ArrandleコアがPenrynコアと同価格の場合)

液晶パネルはさすがに10.1インチWSVGAよりは高価とはいえ、11.6インチWXGAだと概ね40〜
70ドル程度にょ。
ここでは真ん中を取って55ドルとするにょ。
メモリは2GBとして2倍の20ドルかかるとすればCPU、液晶パネル、メモリのコストアップは
全部で70ドルとなるにょ。
つまり、ネットブックに70ドル加算するだけ(合計300ドル程度)でCULVノートができる
計算になるにょ。

ただし、問題はそうではないにょ。
OSがあるからね。
OSはULCPC用が30ドル程度、標準のHome Premiumが100ドル程度ということを考えると
その差は70ドルにょ。
そうなると300ドル台半ば(3万円程度)というのが部品コストといえるにょ。
では、先日発表されたACERのネットブックとCULVノートが私の計算通りの部品コスト
だと仮定するにょ。(ネットブックが2万円、CULVノートが3万円)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20101028_403118.html

 ネットブック 売価3.7万円・・・部品コスト2万円(価格に占める割合54%)
 CULVノート  売価5.5万円・・・部品コスト3万円(価格に占める割合55%)

価格に占める部品コストの割合ほぼ同じでありどっちも「部品コストから見たお買い得度」
という観点からすると大して変わらないという結果になったにょ。
これには「ベーシックな構成であり」「買った状態の構成で使い続ける」という条件が
加わるにょ。

仮に買った状態からSSDの交換で2万円の追加コストがかかったとするにょ。
そうなると下記のようになるにょ。

 ネットブック 売価5.7万円・・・部品コスト4万円(価格に占める割合70%)
 CULVノート  売価7.5万円・・・部品コスト5万円(価格に占める割合66%)

つまり、追加投資をすればするほどネットブックの方が元の金額が安いだけ割合で考えると
コストアップになってしまうというわけにょ。
価格差1.8万円が縮まってないだけにトータルのコストが高価になればよりスペック差に
対する影響が大きくなるにょ。
本来であれば追加投資たいパーツに関しては部品コストに購入金額分だけプラスするのは
フェアではないと考えるかもしれないにょ。
これは追加パーツ(ソフト)が「自分にとって必要」という前提で考えているからにょ。
例えばWiiとプレステ3においてプレステ3の方が高価だけどソフトを大量に買えばその
価格差は相対的には徐々に失われていくからね。
そうなると性能差が目立つというわけにょ。
コンシューマゲーム機の場合はプレイしたいソフトがあるか否かということが全てだけど
Windows PCの場合はゲームをする上ではスペックによってプレイできるか否かが決まる
ためにスペックが高い方が有利となるにょ。
つまり、追加投資を大量に行う場合には上記の例のように本体の価格差は徐々に薄れていく
ということにょ。

これを元に考えるとネットブックにおいてベーシックな構成から外れた場合はそれが
必要不可欠という人以外は割高になってしまうにょ。。
例えばWXGA液晶、Home Premium搭載、メモリで1.3万円アップの5万円になったとするにょ。
部品コストの占める割合は1ドルを85円として計算した場合は、はベーシックな構成よりも
お買い得な57%に達するにょ。
しかし、そうなった場合には純粋に性能差だけが目立つにょ。
5000円の差でCPUが2倍以上、GPUが10倍以上の差だからね。

中古ノートは非常にお買い得にょ。
しかし、部品交換やパワーアップに追加投資が前提であれば決してお買い得ではないと
いうことは分かると思うにょ。
それと同じくネットブックはベーシックな構成で追加投資無しでずっと使い続ける人で
あればお買い得感は高いにょ。

最初に書いたMacBook Airだけど部品コスト計算をしてないけど単純に割合だけを考えると
ネットブックより割安になるとは思えないにょ。
軽さを比較対象に入れるのであれば価格重視で作られたネットブックではなくモバイル
ノートであるべきにょ。
モバイルノートは最初に書いたように量産効果による値下げが難しいために1台当たりの
利益率は多めに確保しているにょ。
そのためそれと比べるならばMacBook Airの方がお買い得度が高いというだけの話にょ。
今回は部品コストの話をしたけど電子機器であれば量産しているものは9月9日に書いた
ように概ね売価の5割程度となっているため実を言うと今回の比較は何の意味も持たない
ものだったんだけどね。
1つだけ言えるのは「部品コスト」で考えるならばベーシックな構成で最も割安であり
追加投資をした場合にはどんどん割安感が失われるということにょ。




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