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おちゃめくらぶ掲示板

406御茶目菜子:2010/10/18(月) 14:46:11
ネットブックが売れなくなったワケ
デュアルコアAtomにWXGA液晶を備えて直販価格49800円のネットブック「Mini 210-2000」
だけど何とWindows7のStarterを搭載しているにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/nishikawa/20101018_399982.html
9月14日にはAtomがデュアルコアになってもそれによってULCPC(ネットブック)用として
安価にWindowsが提供されず、価格が高騰してしまったらネットブックの意味がないと
書いたけどどうやらデュアルコアAtomはULCPCの規定では問題ないということが分かり
一安心したにょ。

このスペックを考えれば49800円は安い・・・と一瞬思ったけどよく考えたらそうでも
無かったにょ。
もしも1年以上前に登場していたら絶賛していたであろうスペック、価格だけど今と
なってはスペックと価格を天秤にかけた場合にそれほど安いとは感じなくなってしまって
いるにょ。
これはやはりAtomの高性能化が他のPC用のCPUと比べて非常に遅いせいだと思われるにょ。

Atomだけではなく近年PC用のCPUは全般的に性能向上が少なくなったように感じている人も
いるかもしれないにょ。
エンコなどではCPUパワーはどれだけあっても足りないわけだけど一般的な用途であれば
すでに十分な性能となっているためそこまで無理に性能向上をさせる必要がないという
こともいえるにょ。
では、イメージではなく実際にはどうなのかということを見てみるにょ。

CPUの価格というのは9月1日に書いたように1ランク上のCPUが登場することで価格帯が
1ランクスライドして安くなっているにょ。
そのため同一価格帯で性能比較することがCPUの性能向上において最も判断しやすい
指標になるにょ。
最近3年の10月10日前後の秋葉における平均CPU価格で比較してみることにするにょ。
注目したのは3万円と1万円にょ。
これは「ミドルクラス」「ローエンド」を意味するものにょ。
コア数が異なると性能比較がしにくいためミドルクラスはクアッドコアのみ、ローエンドは
デュアルコアのみで見てみることにするにょ。

      3万円以下で買える     1万円以下で買える
       クアッドコアCPU      デュアルコアCPU
2007年  [※Core2Duo E6750(2.66GHz)]??Pentium E2140(1.6GHz)
   http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20071013/p_cpu.html

2008年   Core2Quad Q8200(2.33GHz) Pentium E5200(2.5GHz)
   http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20081011/p_cpu.html

2009年   Core i7-860(2.8GHz)    Pentium E6500(2.93GHz)
   http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20091010/p_cpu.html

2010年   Core i7-950(3.06GHz)   Pentium E6800(3.33GHz)
   http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20101009/p_cpu.html

これを見てのようにCPU性能は「かなり上がっている」といってもいいと思われるにょ。
ローエンドデュアルコアCPUにおいて2007年→2008年の伸びが大きいのは45nmで製造される
ようになった影響が大きいにょ。
これによって、高クロック化が容易になっただけではなくメインストリームへのクアッド
コアの急速な普及が行われたにょ。
2007年には3万円で買えるクアッドコアCPUが存在しなかったためデュアルコアCPUを記した
けれどその2年後にはそれよりも高性能(PentiumはL2が少ないけどクロック差で十分に
性能逆転できる)となるデュアルコアCPUが1万円以下で買えるということを考えてみても
高性能化というのが小さくないことが分かると思うにょ。

32nmとなるClarkdaleだけど現状では1〜3万円のデュアルコアCPUが中心となっている
ため上記のリストアップでは32nm化の影響は反映されてないにょ。
次世代のSandyBridgeはClarkdaleと同じ32nmで製造されるもののほぼすべてのレンジの
CPUで投入されるためクアッドコアのさらなる高クロック化やクアッドコアの低価格化も
期待できるにょ。

上記はCPU単品入手が容易であり価格が分かりやすいということでデスクトップPC用CPUで
比較したのだけどモバイル用であっても状況はそれほど変わらないにょ。(TDPの制約が
大きいためクアッドコアCPUがデスクトップPCよりは進んでないという程度の違い)
では、ネットブックで見てみることにするにょ。

ネットブックは従来高価だった小型のノートPCを安価で発売することで爆発的なヒットに
繋がったにょ。
安価に出来た要因は特定条件を満たすことでネットブック用に安価でCPUの提供をして
もらえ、低価格PCにおいて最も価格に対する割合が大きいOSもMSが定めた条件を満たす
ことで安価にWindowsを提供してもらったからね。
そうすることで各社ともに仕様統一し部品を大量生産することでさらに低価格化が進む
ことになったにょ。

さて、その肝心のネットブック用のAtomだけど元々Windows PCで使用することを考慮した
CPUではないためあまり性能が高いというものではないにょ。
しかし、ネットブックは基本的にWindowsを使用しているため一般的なPC用のCPUと同じく
どんどん高性能化していく必要性があるにょ。
ではAtomが登場して2年余りでどれだけ進化したかというと下記のような感じにょ。

 2007年  A110(800MHz)
 2008年  Atom N270(1.6GHz)
 2009年  Atom N280(1.66GHz)
 2010年  Atom N475(1.83GHz)、Atom N550(1.5GHz)

A110は厳密にいうとネットブック用のCPUではないけど使用用途から考えるとAtomの前身
となったものにょ。
DothanベースのCPUであり、シングルスレッド性能は同クロックのAtomの2倍程度あるため
クロックが半分であってもシングルスレッド性能ではほぼ互角となるにょ。
上記デスクトップPC用のローエンドCPUの価格変遷を見てみると2007年→2010年の3年間で
シングルスレッド性能は2倍に伸びているにょ。
ミドルクラスはそれと比べて小さいもののそれでも2年間で1.5倍の伸びがあるにょ。
それに対してAtomは3年間でのシングルスレッド性能の伸びは1割少々でしかないにょ。
デュアルコアであるN550ではデュアルコア化によってマルチスレッド性能は大幅に伸びて
いるもののシングルスレッド性能は3年前のA110と同等以下にょ。

ローエンドのCPUは上記のように3年間でこのように高速化していったけどこれはノートPC用
であるモバイル版においても同じようなことがいえるにょ。
それを考えるとただでさえ大きかったノートPCとネットブックの性能差が3年間でさらに
大きく開いたということになるにょ。

その穴埋めとして登場したのがCULVノートにょ。
イメージ的には下記のような感じになるにょ。(<の数はイメージを示しているだけで
あり性能に比例した数量というわけではない)

 ネットブック<<<<<ローエンドノート
 ネットブック<<<<<<<<<ローエンドノート
           ↑ここにCULVノートが加わる

CLUVノートは10月6日に書いたような登場理由があるけどそれに加えてネットブックが
あまりに性能向上が遅いために空いてしまった空洞化を埋める役割もあるということに
なるにょ。

では、ネットブックが現在のCULVノート・・・というか1世代前に相当するセレロンSU2300
搭載機に追いつくのはどれくらい先のことなのか・・・?
セレロンSU2300は1.2GHzとはいえAtomとセレロンではシングルスレッド性能には2倍くらいの
差があるにょ。
それでセレロンSU2300はデュアルコアだからね。
シングルスレッド性能でいえばAtom2.4GHz必要にょ。
マルチスレッドではAtomの場合はシングルコアでもHTTがある関係上マルチスレッド対応の
アプリの実行速度は馬鹿にできないレベルにはある(シングルスレッド性能で劣るはずの
ULV PenMを超える性能を発揮する場合がある)とはいえ、相手は物理的デュアルコアCPU
であるためその差はさらに広がりマルチスレッド性能で考えた場合はシングルコアAtom
ではN270の2.5倍(4GHz)相当の性能が必要になるにょ。
AtomがSU2300と「互角」と呼べるためにはデュアルコアAtomであっても2GHzはないと話に
ならないにょ。

Intelの場合は、同一世代、同一価格帯でコア数が2倍だとクロックが2割程度落ちるにょ。
実際2007年のCPU価格で3GHzのCore2Duo E6850と2.4GHzのCore2Quad Q6600はほぼ同一の
価格だったしね。
それを考えるとシングルコアのN475とそれよりも2割クロックが低いデュアルコアのN550は
同クラスの製品であるといえるにょ。(実際はN550の方が若干高価だけど)
これを元に考えるとAtom2.5GHzを実現する頃にはデュアルコアAtomが2GHzに達するといえる
わけにょ。
クロック上昇率(年率6%程度)を考えるとシングルコアで2.5GHzに達するのは5〜6年後
となるにょ。
つまり、5〜6年後のネットブックでようやく1世代前のCULVノートに性能で追いつくという
可能性があるわけにょ。

それならば5〜6年後にはCULVノートが不要になるのかというとそうではなくローエンド
ノートの性能は現在より格段に上がっているだろうしその技術をそのまま使ったCULV
ノートの性能も格段に上がっているためネットブックはCULVのポジションを奪い取る
というのは無理にょ。(むしろ現状よりもさらに差が広がる可能性の方が大きい)

ネットブックの最大のアドバンテージは価格であるため価格を重視するのは当然のこと
だと思われるにょ。
CULVノートは型落ち品を除けば6〜10万円であるためOSがStarterであるということを考慮
した場合にはハイスペックなネットブックでも5万円以上では厳しいにょ。
冒頭に書いたMini 210-2000が49800円で「安いはずなのに安くないと感じる」のは絶対
価値ではなく相対価値で判断しているからにょ。
性能向上が大きいPCにおいてはそのコア部分となるCPU性能の違いが相対的価値に与える
影響は少なくないにょ。

ネットブックのアドバンテージとなっていたサイズの小ささは初期の頃のネットブックと
異なり10.1インチが標準化されたため11.6インチのCULVノートとの差は差別化できるほど
大きくはないにょ。
実際Mini 210-2000は発売当初59800円(一部ショップでは当初から49800円)という格安で
登場したACERのCULVノート「Aspire1410」と比べて筐体サイズは1cmくらいの差しかないし
6セルバッテリ搭載によって重量は同じになっているからね。
せめて10.1インチ液晶の枠ぎりぎりまで小型化しアンダーB5サイズを実現して重量も
1kg程度に抑えられていればCULVノートと棲み分けができるだろうけどそんな機種は現在
ほとんど存在しておらず、ネットブックとCULVノートの棲み分けは価格でのみ行われて
いると言っても過言ではない状況にょ。

ネットブックは非力なAtomでもOSがXPであるため快適動作できたにょ。
Win7発売から1年経ち10月10日に書いたようにXPの提供が完全に終了するため今後は
ネットブックも7オンリーとなるにょ。
しかし、ネットブック用のAtomでは7は快適動作するとは言えず(デュアルコア化によって
多少はマシにはなるというレベル)、かといってAtomの性能向上も期待できない状態に
なっているにょ。

やはり、ネットブックはCULVノートでは実現できないくらい安価である必要があるにょ。
同一メーカー間で2、3万円くらいの価格差があればCULVノートではなく多少動作が重く
てもネットブックを選ぶ人はいるだろうけど実際はOSの価格差とCPUの価格差程度でしか
なくCPUもCULVノートはIntelから格安提供されるため売価で2万円以上の差を出すため
にはメーカーが利益を削る必要があるにょ。
ネットブックを安く売るのには限界がある(薄利多売にはすでに限界が来ている)ため
付加価値を付けて価格を上げようとしているくらいだからね。
ネットブックは登場した頃が最もお買い得感が高くそれ故に売れていったけど徐々に
そのお買い得感が薄れてきたというわけにょ。(デュアルコアAtom、WXGA液晶で49800円
といってもStarter→Homeの価格差を支払えば2倍近い性能のCULVノートが買えてしまう)
ネットブックが売れなくなったのは一般層に行き渡ったというだけではなくそのように
考えると納得がいくにょ。
2、3年前とあまり変わらない性能、価格のPCが売られている場合にそれを買うかと言えば
買わない人が大半だろうからね。




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