したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

おちゃめくらぶ掲示板

369御茶目菜子:2010/09/14(火) 13:30:31
デュアルコアでも高価になるなら意味がない
先日Intelより発表されたネットブック用のデュアルコアAtom(Atom N550)だけど早くも
国内メーカーから搭載機種が登場したにょ。
N550を搭載しているのはNECから登場の「LaVie Light BL550/CS」であり、その下位機種
となる「BL350/CW」にはシングルコアのAtom N475が搭載されているにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20100913_392962.html

肝心の価格はというとオープンプライスながら実売予定は約8.5万円となっているにょ。
量販店ではこれより幾分安くなるとはいえこの価格はネットブックとしては驚異的に
高価といえるにょ。
それもそのはず、OSがULCPC用の7StarterではなくHome Premiumが採用されていることで
1万円程度は高価になっているわけだし、MS Officeの製品版(2年版ではなく永続使用
可能な製品)が搭載されていることで2万円程度高価になっているからにょ。
それらが無ければ5.5万円程度の価格は実現できるにょ。
基本スペックだけを見ても一般のネットブックよりも多いメモリ2GB(ULCPCの上限は1GB)、
HDD320GB(ULCPCの上限は250GB)に加えてモニタがWSVGAではなくWXGAであるためその
プレミアム性を価格に反映しているならば納得が出来るレベルの価格といえるにょ。

では、肝心のAtom N550の性能を見てみるにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/20100914_393530.html
Atom Nは元々HTT搭載によって2スレッド同時に動作可能であるためデュアルコア化で何と
4スレッド同時に動作可能になるにょ。
そのタスクマネージャでもCPU使用率を示すグラフは4つ表示されるにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/393/530/html/02.jpg.html
別に大したことではないけどクアッド気分を味わえるのは悪くないにょ。

問題はデュアルコアで性能がどの程度上がるかということだけどデュアルコアCPUという
ものはここで何度も書いたように「性能アップのため」ではなく「遅くなりにくくなる」
というのが主要なメリットとなるにょ。
昨今はマルチスレッド対応アプリが増えたためそのようなアプリでは性能向上に貢献
できるもののそうではない(マルチスレッド非対応アプリ)も未だに多く存在するわけ
だからね。
そういう場合でもWindowsがマルチタスクOSである以上は複数のアプリを同時に使用する
機会はいくらでもあるわけだからそういう場合にはデュアルコアCPUが有用になってくる
というわけでベンチ結果が必ずしも快適性を表しているわけではない・・・けれど
やはり気になるので見てみるにょ。

          LaVie Light BL550/C Eee PC T101MT
          Atom N550 (1.50GHz) Atom N450 (1.66GHz)
          Win7 Home Premium   Win7 Home Premium
 ◎PCMark05
   PCMark Score     1767         1617
   CPU Score       1665         1420
   Memory Score     2174         2419
   Graphics Score     542         528
   HDD Score       3630         4933
 ◎FINAL FANTASY XI Bench 3
   LOW          1074         1250
 ◎Windowsエクスペリエンスインデックス
   プロセッサ       3.1         2.3
   メモリ         4.7         4.4
   グラフィックス     2.9         3.1
   ゲーム用グラフィックス 3.0         3.0
   プライマリHDD     5.4         5.7

では、まずPCMark05のCPUスコアを見てみるにょ。
N550を搭載したLaVieはN450を搭載したEee PCと比べてCPUクロックは10%劣っているにも
関わらずベンチスコアは17%上回っているにょ。
これはクロック当たりでいえば30%もの性能差となっているにょ。
これはPCMark05に用いられているテスト内容がマルチスレッドに対応しているためだと
想定されるにょ。(エクスペリエンスインデックスのCPUスコアはさらに大きな差に
なっているけどこちらはただの単純演算を元にしたものであるためHDBenchなどと同じ
ようにコア数増加が如実に表れているため)
つまり、一般的なマルチスレッド対応アプリではN550はN450と比べて10〜20%高速に
動作するといえそうにょ。

では、マルチスレッド非対応アプリではどうなのかというとFF XIベンチを見れば予想が
つくにょ。
FF XIベンチはゲームベンチだけどある程度のGPUを搭載していればCPUのシングルスレッド
性能でスコアが左右されるからね。
ベンチスコアはN550が1074なのに対してN450は1250であり14%劣っているにょ。
CPUクロック差が10%なのに14%劣っているのは同じGPUとはいえドライバのバージョンの
違いや常駐アプリの差もあるし、FFベンチの場合は測定誤差も2、3%程度あるというのが
影響しているにょ。
だから、シングルスレッド性能はその動作クロックに応じたレベルしかないと思って
いれば問題ないにょ。

ちなみにFFベンチを比較する場合には7、Vista(NT6系)よりもXP(NT5系)の方が
スコアが大きくなる傾向があるため単純比較はできないにょ。(上記の比較は両者とも
Win7だったから問題なく比較可能)
レビューに記載されているもう1機種(Eee PC 1005HA)を見てみると1世代古いAtom N280、
945GSEにも関わらずXPであるためFFベンチは1537となっているにょ。
CPUコアはN280とN450は同等とはいえ、GPU性能は945GSE(GMA950)<GMA 3150であるため
何ともいえないけどこのスコアではGPUがボトルネックになっているわけではない(GMA950
より低い性能であるGMA900搭載のPenM1.2GHzのノートPCでもFFベンチは2000を超える)と
いうことでこの差はOSによるものといえるにょ。

N550のCPU性能を見るのが今回の目的だったけどとりあえず他の項目も見てみるにょ。
GPU性能はN450とN550は同等であるため唯一の違いとなるとやはりメモリにょ。
N550はN455、N475と同じくDDR3に対応しているからね。
メモリ性能を見てみるとPCMark05ではDDR3(PC3-8500)を搭載したN550の方がDDR2(PC2-
5300)よりもスコアで劣っているにょ。
これはたまたまPCMarkではこうなったというだけであってエクスペリエンスインデックス
の方を見てみると順当にN550の方が上になっているにょ。

この辺はDDR3の方が順次読み出しでは速くなっていてもレイテンシが大きくなっている
ためベンチによってDDR2よりもスコアで劣ることは十分考えられるため1つのテスト
だけで優劣は判断できないということにょ。
もっとも、このクラスのCPU性能においてはこのメモリの差が影響することはほとんど
ないけどね。
ネットブックがDDR3に対応したのは高性能化が目的ではなくDDR3の供給量が増えたため
安価に入手可能になったので対応したというだけの話にょ。

今回はデュアルコアAtomであるN550の性能を見てきたけどやはり4月23日に書いた予想
そのまんまだったにょ。(コアが同じでシングルコアからデュアルコアになるだけだから
誰でもあのような予想になるだろうけど)
PCMark05のCPUスコアを見てのようにマルチスレッド対応アプリであればクロック当たりの
性能はシングルコアAtomの3割り増しの性能とはいえクロックは低めの1.5GHzであるため
Atom 1.95GHz相当の性能でしかないにょ。
シングルコアAtomでは厳しいWebブラウザ上でのYouTube720pの動画再生はデュアルコアの
Atom N550ならば・・・と期待している人もいるだろうけど1.83GHzのN475でも厳しい
ものが(マルチスレッド対応ということを考慮して)1.95GHz相当のN550で再生できる
ようになるかというと難しいのではないかと思われるにょ。

結局のところN550はN450に対しては性能の優位性はあるけどN475に対してはほとんど
優位性はないと思われるにょ。
それは、N550が得意とするマルチスレッド対応アプリでも1割差にも満たないレベルの
小さな速度差(ほとんど互角のレベル)であるためほとんど体感できないからね。
逆にシングルスレッド性能で2割劣るN550はマルチスレッド非対応のゲームなどではN475
と比べて体感できるほどの遅さになると思われるにょ。
つまり、「アプリの動作が高速になる」という理由でN550搭載機を選ぶのは正しくないと
いうことがいえるにょ。(N475相手ならN550の方が遅くなることの方が多いと思われる)

とはいえ、最初に書いたようにデュアルコアCPUいうのは「遅くなりにくい」というのが
最大のメリットといえるにょ。
アプリの実行速度が問題ではなく複数のアプリを同時に使用時の体感速度に問題がある
というのであればデュアルコアは非常に有用といえるにょ。
この辺は使用方法にもよるためどっちが優れているかということは言いにくいけどそう
いった体感に関しては数値では表せないため実際に使ってみるしか方法はないにょ。

そういうことでN550はN475搭載機とあまり価格差がないのであれば十分に選択する価値は
あると思うにょ。
そういう面で考えるとLaVie Light BL550/Cは微妙にょ。
高価になる要素がたくさんあるためそれらを考慮していけば一概に高価とはいえないものの
ネットブックは「安いこと」が最大のメリットだからね。
付加価値によって高価になったネットブックはそのメリットを失うことになるにょ。
それらが必要不可欠なものであるならばまだいいけどそうでないならばなおさらにょ。

そもそもネットブックは安価にできた理由はOSが安価ということがあるにょ。
MSのULCPCの基準を超えないようにすることで安価なULCPC向けのWindowsの提供を受ける
ことができたからね。
安価な部品の寄せ集めであるネットブックにおいて最も高価であったWindowsが安価に
なるということは非常に大きくそれが価格に大きな影響をもたらしたにょ。
このことから、Intelはネットブック用のデュアルコアAtomはいつでも出荷できる状態に
あったにも関わらず最近になってようやく出荷を始めた理由として8月26日に書いたように
従来はULCPC用として認められなかったデュアルコアもAtomに関しては認められるように
なったのではないかと予想したにょ。

しかし、今回のBL550/Cを始めすでに発表されている他のメーカーの機種は軒並みULCPC用
となるStarterではなくHome Premiumを採用しているにょ。
そのために価格の高騰が起きているにょ。(Starter採用ならばOSの価格差だけを考えて
みても1万円程度安くできる)
この辺はMSからULCPCの基準緩和がされてないためなのか、メーカー側がネットブック
とはいえ上位モデルを安く売りたくないためHome Premiumを採用しているかは判断に
苦しむけど恐らく前者の方が正解ではないかと思われるにょ。
もちろん、ネットブックを2モデル以上ラインナップしているメーカーであれば後者の
ニュアンスも含まれていると思うにょ。

確かにデュアルコア化によってシングルコアモデルよりも高付加価値を付けて売り出す
というのは間違いではないけどそうなるとさらに上位となるCULVノートとの価格差も
失われることになるにょ。
ネットブックとCULVノートとの価格差はCPUの価格差3000円程度の差(CULV用の最下位
モデルとの差)しかなくなるからね。
もっともこれは部品コストの話だから売価ではその2倍程度にはなるだろうけどそれでも
性能差はそれよりも大きいからね。
セレロンSU2300であってもYouTube720pをWebブラウザ上でコマ落ちなく再生できる程度の
CPU性能はあるし、GS45に内蔵されている再生支援機能を用いることで1080pの再生も
可能になるにょ。

ネットブックであっても一旦ローカルに保存した後で軽量なプレイヤーで再生するならば
720pの動画は十分再生できるけどネットブック用Atomでは最も性能が低いN270(1.6GHzの
シングルコア)であっても720pは十分再生できるため「ローカルに保存したファイルを
再生するからN550で十分でCULVの性能は不要」というのであれば「N270でも十分」という
ことも同時に言えてしまうにょ。(実際はN270とSU2300はCPU性能だけを見ても2〜2.5倍
程度の差があるけどそのような理由によってN270とSU2300の有為的な差はないと主張する
人は実際に存在する)
それならばN550ではなく中古のN270搭載機を買うのが一番だし、中古が嫌というので
あれば新品で安価なN450搭載機を買うのが一番となるにょ。
要するにAtom N550搭載機において現状で価格に似合った(CPUだけではなく)処理性能が
あるかと聞かれたらないということにょ。

高性能もしくは高コストパフォーマンスは求めないけど適度に安価で快適に使いたいし、
持ち運びたいから一般的なCULVノートのサイズは論外で普通のネットブックサイズが良い
という人にはAtom N550搭載ネットブックは最適といえるけどそれらの条件を満たせない人に
とってはかなり微妙な存在であることがいえるにょ。
N550はクロックが低い分だけN475よりアプリの動作速度は期待できないけど(数値には
現れない)体感では上回るというだけの話でありCULVノートであればそれと比較して
明らかに高速動作かつ快適動作が可能ということを考えればあえてN550を選ぶという
メリットは極めて小さいと思われるにょ。

確かに一般的なネットブックとCULVノートとのサイズ差、重量差は小さいものではない
とはいえ、ネットブックは持ち歩き用ではなく家庭内モバイルがメインとなっている
現状においてはそのサイズ差はそれほど目立ったものではないにょ。
4月18日に書いたようにネットブックを所有している人のうち持ち歩いている人は5%程度
しかいないからね。
これはアンケート結果が古いということもあり、iPad登場などによってさらに減っている
と推測されるにょ。
その中で、ネットブックのサイズであれば持ち歩けるけどCULVノートのサイズになると
持ち歩けないという人はごくわずかだと思われるにょ。
全体からすると1%いるかいないかといレベルではないかと思うにょ。
しかし、価格はすべてのユーザーに影響してくるにょ。
したがって、「安さ」という最大の武器を捨てたネットブックには存在意義をあまり
感じることはできないにょ。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板