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おちゃめくらぶ掲示板

349御茶目菜子:2010/08/25(水) 13:57:28
速さだけがウリではない
デジタル一眼の新機種発表ラッシュの中、面白い機種が登場したにょ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20100824_388902.html
このα33、α55は「デジタル一眼レフ」だけどGH1のようにEVFを搭載し半透過型ミラーを
採用しているにょ。

一眼レフというのはミラーがあることでレンズから入った光(つまり撮影する被写体)を
ファインダーで見ることもできるし、フィルム(センサー)で捕らえることもできる
ようになっているにょ。
ミラーで反射された光はファインダーに導かれているのだけどシャッターボタンを押した
瞬間にミラーが跳ね上がり遮るものが無くなったためにセンサーに直接光が届くように
なり、そしてシャッターが閉じられたら自動的にミラーが元の場所に戻ることで再び
ファインダーで被写体を撮影できるようになるにょ。
ミラーの動く様子は実際に手元に一眼レフがあれば確かめてもらえれば一目瞭然だし、
ミラーが動作することで一瞬ブラックアウトになるというのも一眼レフユーザーならば
普通に体験していることなので今更書くようなことではないんだけどね。

しかし、このα33、α55は半透過型ミラーを採用しているためにミラーを動作させる
必要性がなくなっているにょ。
普通のミラーではなく半透過型ミラーを採用することによるメリットは下記の3つにょ。

(1)シャッタータイムラグが短い
(2)高速連写可能
(3)常時AFが可能

(1)半透過型ミラーを採用した一眼レフは古くから存在するにょ。
銀塩時代に登場したEOS RTは半透過型ミラー(ペリクルミラー)を採用によってシャッター
タイムラグ8m秒を実現したにょ。
上記のように一眼レフは複雑な動作をするミラーがあるためにシャッターボタンを押して
撮影可能になるまで多くの時間(といっても一瞬だけど)がかかってしまうにょ。
プロ機であっても20〜40m秒かかってしまうわけだし、入門機だと100m秒を超える機種も
少なくないにょ。
それを考えると8m秒というシャッタータイムラグの小ささはすごいといえるにょ。

野球を撮影する場合、時速144kmで投げられた(打たれた)ボールは秒速40mであるため
100m秒の間に4mも進んでしまうにょ。
天才的な反射神経の持ち主で打球がバットに当たる瞬間にシャッターボタンを押しても
4mも飛んでしまうためにバッターをアップで撮影したらボールが捕らえられないにょ。
これが8m秒であれば32cmで済むにょ。
つまり、シャッタータイムラグが小さいということは動体撮影において大きなプラスに
なるということにょ。

(2)連写についてもそれはいえるにょ。
ミラーの動きは高速かつ複雑であるため高速な連写に耐えられるようにするためには
非常に多くのコストがかかってしまうにょ。
そのため入門機では3コマ/秒程度、中級機で5〜7コマ/秒程度、プロ機で8〜10コマ/秒
程度となっているにょ。
しかし、連写の際にボトルネックになるミラーの動作が必要が無ければ連写性能は飛躍的に
アップするにょ。
今はセンサーがCMOSになっているため読み出し速度面では全く問題がなく唯一ボトル
ネックになるとすればシャッターの動作くらいだからね。

(3)一眼レフではミラーによってファインダーへ光を導いているだけではなく現在主流で
ある位相差検出方式だと測距用のセンサーにも導かれているにょ。
そのためシャッターボタンを押してミラーが上がってしまったらそれらに光が導かれ
なくなりAFも動作しないにょ。
動く被写体にピントを合わせてもそれはミラーが動作する前の段階でのピントであるため
シャッタータイムラグによってピントのずれが発生してしまうにょ。
しかし、それは銀塩時代に登場したα7700iから多くの機種で採用されている「予測駆動
フォーカス」によって緩和されたにょ。
それは被写体の動作速度からタイムラグ中にどの程度移動するのかを予測してその場所に
ピントを合わせるというものにょ。


半透過型ミラーは多くのメリットがあるのに採用例がほとんどないのはなぜなのか・・・?
確かにミラーが特殊であるためコストアップになるからというよりも暗所に弱くなったり
余分な光学系を通すために画質に与える影響が払拭できないからにょ。
ミラーによってフィルム(センサー)とファインダーに光を分断するため光を半々に
分けた場合にはファインダーが1段分暗くなってしまいセンサーに届く光も1段分弱くなって
しまうにょ。(1段分暗所に弱くなる)
透過率を上げれば暗所性能の問題は減るけど今度はファインダーが暗くなるという問題を
抱えているにょ。
やはり、半透過型ミラー採用機は普通に使うにはデメリットとなる部分が大きいため
それを使うメリットが大きい機種でないと採用しにくいというのが実情だと思うにょ。

しかし、それは銀塩一眼における場合でありデジタル一眼では必ずしもそうとはいえない
と思われるにょ。
α55では極めて透過率の高い薄型のミラーによって画質に与える影響はほとんど無くなって
そうにょ。(それでも100%の透過率ではなく1/3段程度は暗くなるという判断をしている
人もいるけど昨今の高感度に強いセンサーだと1/3段暗所に弱くなっても誤差の範疇だと
思われる)
そうなるとファインダーへはほとんど光が届かない(常時NDフィルターを使っている
ような状態)という問題があるにょ。
これはEVFでカバーできるにょ。
EVFならばセンサーが受光している被写体データを直接見ることができるからね。

それではミラーは何のために使われているのかというと位相差検出方式のセンサー用と
なっているにょ。
デジタル一眼も最近の機種はほとんどがライブビューに対応しているけどミラーがある
ため通常時はセンサーへの光は遮断されるのでライブビューを使用するためにはミラー
アップが必要不可欠となるにょ。
ミラーアップをするためにファインダーは当然ながら真っ暗で位相差検出方式が使えず
コントラストAFとなっているにょ。
昨今はコントラストAFも速くなったとはいえ、速度面では位相差検出AFには及ばないし
レンズ側がコントラストAFに最適化していないと十分な速度が出ないという問題がある
ために位相差検出AFがメインの一般的なデジタル一眼ではかなり不利な状況になって
いるにょ。
Panasonicのミラーレスカメラ(GH1、GF1などのマイクロフォーサーズ)がコントラスト
AFの割に高速なのもすべての交換レンズがコントラストAFに最適化しているというのが
大きいからね。

このα55は上記のように常時測距センサーへと光を導いているため常時ライブビューで
撮影しているにも関わらず位相差検出AFも常時使用可能になっているにょ。
とはいえ、この方法はミラーを使わず撮影センサー上に測距センサーを配置することでも
可能となるにょ。
7月22日に書いたFinePix F300EXRはミラーなんてないコンデジにもかかわらずその特殊な
センサーによって位相差検出AFが可能になっているにょ。
とはいえ、これはコンデジだからこそ許されることにょ。
F300EXRでも数万画素が測距センサー用として使われているけどこれがデジタル一眼ならば
さらに多くのセンサーを割く必要があるだろうからね。

それにすでにセンサーの画素ピッチがレンズの解像力を超えているコンデジであればその
画素欠損状態(測距センサーのある場所は撮影用に使えないため)なのは大した影響は
ないけどデジタル一眼の場合は解像力の高いレンズを使用時には画素ピッチ<分解能で
あるため画素欠損による明確な画質劣化が起きてしまうにょ。
元々ベイヤー配列ということで画素単位でRGBフルカラーの情報を持たず周囲の画素情報で
フルカラー画像を生成しているだけとはいえ、その影響は少なくないにょ。

α55は常時位相差検出AFが使えるというだけではなくミラーアップによるファインダーの
ブラックアウトもないためファインダーを覗いたまま撮影できるというメリットがあるにょ。
これは普通のデジタル一眼であればライブビュー使用時は背面の液晶モニタを見ながらで
ないと撮影できないという問題があるためライブビューを使用する場面は極めて限られて
いたにょ。
これが非常に有用なのは動画撮影にょ。
8月20日にも書いたようにデジタル一眼においても動画撮影機能の重要性は近年非常に
高まってきているにょ。
しかし、デジタル一眼で動画を撮るためにはライブビュー(ミラーを上げてコントラスト
AFを使用)の状態にする必要があるにょ。
それがこのα55であれば背面液晶もファインダーも使えるし上記のように位相差検出方式の
AFが常時使えるというメリットがあるにょ。

ここで問題なのはEVFそのものの性能にょ。
ファインダーは確かに光学式が最高なのには違いないけどそれにも優劣があるにょ。
一般的にはセンサーサイズによる影響で「フルサイズ>APS-C」だし、光学的な仕組みから
考えて「ペンタプリズム>ペンタミラー」となっているにょ。
入門機で用いられているAPS-Cセンサーでペンタミラー採用の光学ファインダーは構図を
確認する程度ならいいけど細かい部分を確認したり微妙なピントの確認を確認するには
あまり適しているとは言い難いにょ。
EVFも良いものと悪いものでは大きな差があるけどα55に採用されている144万画素のEVFは
現在市販されているデジカメ用としては最高クラス(GH1と同レベル)であるため下手な
入門機のデジタル一眼に採用されている光学ファインダーよりもピントの確認という観点
から見た場合はマシかもしれないにょ。

EVFは反応速度の面がネックだったけど近年はかなり改良されているし、拡大表示ができ
たり絞りや各種フィルターなどの設定による影響もファインダーに反映可能であるため
光学ファインダーよりも優れている面もあるにょ。
確かに画像処理をする分だけ遅延の発生があるからいくら良くなったとはいえ動体撮影
メインだと厳しいものがあるけど入門機に求めているレベルであればすでに達成ができて
いるのではないかと思われるにょ。
さすがに平均的なネオ一眼などに使用されているレベルのEVFだとさすがに一眼レフ用と
しては画素数の面でも速度の面でも使い物にならないけどね。

こうしてみるとα55、α33はかなり良いデジタル一眼に見えるけどそれは実際のレビューを
見るまでは分からないにょ。
いくら速いといってもあくまでは中身は入門機レベルだからね。
10コマ/秒の撮影ができるといってもAFの追従性がそこまで良いわけではないだろうし
透過型ミラーを採用によりEOS RTのようなものにシャッタータイムラグが短くなるかと
いえば入門機であるためそんなことはないだろうからね。
野球の打撃シーンのようにピントは定位置であれば10コマ/秒の高速シャッターが生きて
くるけど入門機であるためバッファ容量が小さそうなのですぐにバッファフルになって
しまう可能性があるにょ。
結局のところ入門機で速さだけが与えられても全体スペックを上げないとどこかで
破綻がくるということにょ。
これは実際に使ってみないと「使えるレベル」かどうか判断が難しいところだけどね。

また、ミラーレスカメラはミラーやファインダーがない分だけコストダウンになっている
けどこのようなミラー+EVFでは単純にEVFの分だけコストアップになっているにょ。
ペンタミラーによる光学ファインダーがない分だけ一般的な入門機のデジタル一眼より
コストダウンできている面もあるとはいえ、コストは「高性能EVF>ペンタプリズムに
よる光学ファインダー」だと思われるためコストアップは否めないにょ。
それが価格にも出ているにょ。
上位モデルのα55は本体だけで実売9万円台、α33は本体だけで7万円台の予定になって
いるからね。
せっかくの光学ファインダーも動画撮影時には使えない、コントラストAFは遅いという
一般的なデジタル一眼の問題点が克服されているためにコンデジからステップアップ
する人には入門機として考えた場合には多少割高(とはいえ連写性能を考えれば破格の
安さ)とはいえ最適な1台だと思われるにょ。




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