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おちゃめくらぶ掲示板

346御茶目菜子:2010/08/22(日) 13:50:09
ゲーム専門店はもう生き残れない
ゲームショップ「TVパニック」や「wanpaku(わんぱくこぞう)」を運営する業界No.1の
チェーン店を展開しているネステージが先日民事再生法の適用を申請したにょ。
簡単に言えば倒産したということにょ。(正しく言えば倒産直前だけど)
http://www.asahi.com/business/update/0812/OSK201008120138.html

ファミコンブームによって80年代後半からゲーム専門店が各所に多く作られ全国チェーン
展開する企業も多く現れたけどプレステが全盛時の90年代後半になって雲行きが怪しく
なり、1999年には「ブルート」が倒産したにょ。
それ以降、大型チェーン店の倒産が相次いだにょ。(97年には「カメレオンクラブ」を
運営する上昇が倒産したのが有名)
直営店に関しては別のチェーン店を運営する企業によって支援されたりということで
民事再生法によってすべてのチェーン店が閉鎖という自体にはなってない(今回の
ネステージもゲオの支援があるためいきなり全店閉鎖というわけではない)ものの厳しい
立場にあるのは確かにょ。

昨日は書籍売上に書いたけどゲーム市場に関して言えばここ数年ではオンラインゲームの
伸びが大きく、ここ1年ではソーシャルゲームの伸びが非常に大きいにょ。
http://www.8ing.co.jp/market/index.html
http://japan.internet.com/wmnews/20100628/2.html
肝心のコンシューマゲームに関してはほぼ横ばいといった感じにょ。
これはケータイなどに食われてなくて棲み分けができていることを意味しているにょ。
任天堂が新規ユーザーを開拓してようやく横ばいということは普通にコンシューマゲームが
進化していたら今はかなり減少していたという可能性もあるわけだけどね。

それもあくまでここ数年の話にょ。
もう少し遡ってみれば90年代半ばと比べると今は3分の2程度に落ち込んでいるにょ。
http://www.famitsu.com/game/news/2005/07/14/103,1121342453,41325,0,0.html
コンシューマゲーム機の場合はほぼ5年ごとにモデルチェンジが行われそれによって
市場規模が変わってくるにょ。
発売直後は新ハードの影響はあまりなく旧ハードのゲームの落ち込みを相殺できない
けれど発売して1、2年経つと新ハードが普及し、それによってソフトの売上が伸びていき
また4、5年経つとその伸びが落ちてくるというパターンを繰り返しているにょ。
90年代半ばはスーファミスーファミ黄金時代の最期であり、プレステとサターンが熾烈を
争う戦いを繰り広げられていた時期にょ。
旧世代のハードの市場が落ち込む前に新ハードで盛り上がっていたという希有な時期で
あるためこれは特例的なものだといえるにょ。

それを元に考えるとここ10年余りでゲームショップの閉鎖が相次いでいる理由は見えて
くるにょ。

主な理由は下記の3つにょ。

 (1)ショップ数が増えすぎた
 (2)流通の変化
 (3)中古ビジネスの崩壊

まず(1)から書いていくにょ。
ファミコン以前はゲームはおもちゃ屋の一角でのみ販売されていたけどファミコンブーム
によってゲーム単独でも商売として成立するようになったにょ。
それは任天堂がサードパーティ制を取り入れたために多くのメーカーがファミコン用の
ソフトを制作したというのが大きいにょ。
ソフトが多く発売されることで中古ゲームビジネスも成立するようになったにょ。

これによって「ファミコンゲームは儲かる」という認識が強まりゲームショップを
運営するオーナーは一気に増えたにょ。
それによって全国チェーン展開をするショップも出てきたにょ。
儲かるのが分かっていても商品供給の問題やノウハウの問題があり脱サラしてゲーム
ショップを始めるというのはハードルが高いものだったにょ。
そこで有用なのはフランチャイズ加入にょ。
これはゲームショップに限ったものではなくコンビニなど他の業種でも言えることだけど
直営店とFC(フランチャイズ店)があるにょ。

FCのメリットとしては上記のような商品供給とノウハウの提供(商品情報や商品管理の
システムの提供を含む)だけではなくチェーン店に加入するというメリットがあるにょ。
例えばコンビニでも初めて行くならば個人経営の名前の知らない店よりもセブンイレブンの
方が安心して店に入れるからね。
大手チェーンだと品揃えも安心できるからね。

ではチェーン店に加入することがプラスになるかというと一概にはそうとはいえないにょ。
例えば上記のwanpakuを例に挙げると加入するためには加盟金が100万円、補償金が
200万円必要になるにょ。(アパートでいえば補償金が敷金、加盟金が礼金に相当)
そして、開店するために必要な什器や商品も強制的に購入させられてしまうにょ。
確かにショップをオープンしたけど売るものがありませんとかでは話にならないので
チェーン店として相応しいレベルにしておかなくてはならないため仕方がないけどね。
あとオープン後は毎月12万円のロイヤリティと4.2万円のPOSレジ貸与料を支払う必要が
あるにょ。

チェーン店に加入するメリット、デメリットはあるものの金銭的負担が大きくても
90年代はゲームが売れている時期だったので十分に回収できる見込みがあったにょ。
また後述の(2)の流通の問題もチェーン店に加入することが重要となったからね。
これによりゲーム専門店は90年代に急速に増えていったもののコンシューマゲーム市場
そのものが90年代半ばと比べると3割減であるため需要に対して店舗数が増えすぎた
ために淘汰されていったということにょ。(市場規模3割減でショップ数が大幅増では
耐えられるはずがない)
フランチャイズ店がどんどん加入するうちは補償金がどんどん入ってくるためチェーン
展開をする本部も運営資金に余裕があるけど売上が低迷し、脱会すれば預かっている
補償金をFCのオーナーに返却する必要があるため資金面でどんどん厳しくなり今回の倒産に
至る最大の要因になったと思われるにょ。(実際wanpakuも1年以上前には補償金が返却
されないという内部トラブルが発生していた)

さらに大きいのは(2)の流通問題にょ。
ゲームというのはかつてはすべてが「メーカー→問屋→ショップ」という流れで出荷
してたにょ。(チェーン店の場合はチェーン店の本部が問屋も兼ねていた)
スーファミ初期〜中期は定価の63%〜68%くらいで問屋からショップに納品されていたにょ。
ただし、この納品掛け率は問屋やゲームタイトルによって大きく変わったにょ。
ドラクエ級になると定価の90%程度ということも少なくなかったにょ。
そこでゲーム業界に革新を起こしたのがソニーにょ。
プレステによってメーカー直送というのが実現されるようになったにょ。
つまり、商品の流れが「メーカー→ショップ」になったということにょ。

プレステは全商品一律定価の75%で納品だったということでショップにおいては良いこと
(スーファミ末期や64の時代は定価を下げるために78〜80%で納品されていた)とはいえ
問題はその流通のあり方にあったにょ。
中古ソフトを扱うショップには納品はかなりコントロールされたにょ。
当時はまだ中古裁判を争っていた時期であるためメーカーにとっては「中古=悪」で
あるためプレステソフトを扱うためには中古ソフトを扱わないことが条件だったにょ。
中古裁判で販売店側が勝利して久しい今でさえ中古を扱っているというだけで公然の
差別行為が行われているにょ。

例えば品薄時の本体やドラクエ、FFのような人気ソフトは自由発注ができず、配分制と
なっているにょ。
配分は基本的に実績配分となるため過去の発注数(発注金額)によって入荷数が決まる
けれど中古を扱っているというだけで扱ってないショップの半分以下の納品数となる
ということはザラにょ。

確かにいくら品薄でも仕入れる方法がゼロということはないにょ。
二次問屋には大抵揃っているからね。
二次問屋には一次問屋からの納品に加えてショップからの納品もあるため当然のこと
ながら普通にショップに卸す金額よりも高くなるにょ。
プレステのソフトであれば80〜85%が基本だからね。
品薄時のニンテンドーDS Liteも二次問屋で扱っていたけど納品の段階で定価16800円に
対して2万円近い価格(1.8〜1.9万円)となっていたにょ。(問屋の買取金額が17000〜
17500円だったから定価を超えるのは当然だけど)
「定価16800円のDS Liteを2万円で販売するのはボッタクリ」という見方をする人も確かに
否定はできないけど「多少高価であっても欲しい」というニーズに応えるために高価な
二次問屋経由で入荷したのならば必ずしもボッタクリとは言えないということにょ。

このようにメーカーが流通にまで介入することでショップに対して優位性を持つように
なったのだけどそれ故、それ以降独自流通を行うメーカーも増えたにょ。
コナミ、コーエー、セガなどは自社流通を持っているにょ。
自社流通を持っていないメーカーはPSP、PS3のサードパーティならばSCE一択という
わけではなく条件によっては自社流通を持っているメーカーに委託する場合もあるにょ。
納品掛け率は流通によって異なるけど現在では75〜80%となっているにょ。

ゲームソフトは書籍や音楽CDとは異なり再販制度や返品制度は導入されてないにょ。
したがって、自由に競争できる反面、売れ残ったら原価割れで売ることも珍しく
ないにょ。(ただし、SCEはゲームソフトには再販制度が適用されてないにも関わらず
一時期定価販売を義務付けていた)
メーカーが流通に介入して市場(ショップ)をコントロールするという方法もあるけど
実績配分ではなく分納によってコントロールするという場合もあるにょ。
注文数量を1回で出荷するのではなく分けて出荷することで商品のダブつきを抑えるという
役割があるにょ。

ただし、この分納は時としては逆にマイナスに働くことがあるにょ。
例えばニンテンドー64ソフト「ヨッシーストーリー」はクリスマス前のベストな時期に
発売されたももの初回入荷数は実績配分数の8%でしかないにょ。
つまり、100本納品予定ならば8本しか入荷しないというわけにょ。
残りの大半はクリスマス後、年明け以降に納品されたにょ。
需要のピークをすぎて大量入荷されたために本来であれば売れたであろうソフトなのに
一気にワゴンセール行きとなったにょ。

ゲームソフトは自由競争であるが故にギリギリまで価格を下げて売ることも珍しくなく
そのためにそのような売れ残り商品があると他の製品での利益が吹き飛んでしまうにょ。
仮に78%で納品した商品を定価から15%値引きして販売して5%のポイント還元をした
場合には利益率3%もないにょ。
会員に加入してない人、ポイントカードを紛失する人が合計で半分を占めていると仮定
しても利益率は5%程度にょ。(ちなみにゲーム機の本体は定価で販売しても5%程度の
利益しかないためポイントを付けたら利益はほぼゼロになる)
利益率5%の場合、新品ソフトを100万円売ったら5万円の利益があるかといえばそうでは
なくて返品ができないため20本仕入れた商品のうち1本が売れ残ったらそれで19本分の
利益が相殺されることを意味するにょ。
だからワゴンセールでも何でも売り切るということが重要になってくるわけにょ。
ダブついているソフトをそのままの価格で放置していても価値は下がる一方だからね。

さて、ここまでは大手チェーン店に属するゲームショップの話にょ。
仮に大手のFCからハズれて独自経営する場合には流通経路から確保しないといけないにょ。
スーファミ時代までは普通に問屋から納品だったけど今はメーカー直送となっている
からね。
高い補償金を払えば契約は可能だけど各流通に補償金を支払いなおかつそれぞれに提示
されている条件を満たすとなると個人経営の無所属ショップでは厳しいにょ。
そうなると二次問屋から納品することになるけどただでさえ新品は利益を確保するのは
難しいのに高価な二次問屋からでは新品だけでは難しいため無所属ではほとんどの場合
中古専門となっているにょ。
後述(3)で中古ソフトがかなり厳しい状態になっているため経営状態が芳しくないから
少しでも経費削減のためチェーン店を脱会するというのはこのような流通の変化によって
命取りになりかねない状態になっているわけにょ。

(下記へ続く)




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