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おちゃめくらぶ掲示板
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ネットブックは差別化をすることで生き残れる
10月14日にCULVノートが登場によってAtom搭載のネットブックがかなり厳しい立場に
立たされているということを書いたけどまずはなぜそんな価格でCULVノートが出せるか
ということを考えてみるにょ。
まずはCPUに関して見てみると従来は高価(250ドル〜)だった超低電圧版(ULV)の
CPUを安価(100ドル〜)で提供しているということが理由に挙げられるにょ。
なぜ従来は高価だったかというと選別品でしかも出荷量が少なかったたというのが
影響していると思われるにょ。
130nmプロセスの頃(BaniasコアのPenM世代)は通常電圧版が最高1.7GHzなのに対して
ULV版はTDPが5分の1にも関わらず最高クロックは3分の2の1.1GHzとなっているにょ。
仮にTDP=消費電力、消費電力=クロックに比例と仮定してもTDPは16W程度が限界で
その3分の1のTDPを実現しているのは動作電圧が低くなっているせいにょ。(実際は
TDPはただの筐体設計の指標にすぎないし、消費電力もクロックに完全には比例しない)
CPUは動作電圧を上げれば上げるほどクロックを容易に上げられるのだけど逆にいえば
電圧を下げればその分クロックを上げにくくなるにょ。
高クロックのCPUはそのクロックで安定動作するものということである程度の選別品で
高価になっているのだけどULV版PenM1.1GHzは通常電圧版と同じ電圧であれば余裕で
1.7GHzで動作するくらいの良質のコアのものが使われているにょ。
それによって低電圧でも安定動作するわけだけどその代わり選別品となり高価になって
いたというわけにょ。
さて、45nm世代のCore2では35W版の最高クロックはT9900(3.06GHz)なのに対して
ULVとなるTDP10W版の最高クロックはSU9600(1.6GHz)となっているにょ。
上記のようにクロックに比例するとしたら35W版を1.6GHzで動作させると18W相当になり
ULV版はそこまで無理な低電圧で動作させる必要はないということが分かるにょ。
45nmプロセスは歩留まりがかなり良いというのとあわせて今は昔と比べてULVのCPUが
無理なく調達可能になっているわけにょ。
しかも、TDP35WのTシリーズはL2が6MBなのに対してULV版のSUシリーズはL2が3MBと
いうことでダイサイズが小さくて済むのがポイントにょ。
ダイサイズは81平方mmであり、これはAtomの3倍のサイズにょ。
シングルコアのセレロンならばダイサイズは半分なのでAtomの1.5倍のサイズしか
ないわけにょ。
価格がダイサイズに比例するAtom N270の通常価格(1000個ロット時の価格)は40ドル
程度だけどIntelの定めた条件に適合するネットブックで使用する際にはその半額で
購入可能なので20ドル程度となるにょ。
Atomの製造原価は6〜8ドルとのことなのでこれでも十分利益が出せるにょ。
シングルコアのULVセレロン(セレロン743)は107ドル、デュアルコアのセレロンSU2300
でも124ドルという価格はAtomと比べて製造原価が2倍になっても十分な利幅を確保可能に
なるにょ。(Core2DuoでもAtomの3倍の製造原価にすぎない)
http://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/301/974/html/kaigai5.jpg.html
通常電圧版のセレロンであれば価格は100ドルよりも安いのだけどそれがTDPを下げる
だけ(動作電圧を下げる)で100ドル以上の価格で売れるのだからULV CPUの値下げに
見えてIntelにとっても旨みはあるにょ。
これが可能になったのもネットブックによって安ければ小型ノートPCの需要があるという
ことが分かったからにょ。
ネットブックはIntelとMSの絶妙な制限で成り立っていたのだけどネットブックが一般層
へと広まるにしたがってユーザーはネットブックを普通のノートPCと比較するようになり
不満が大きくなってしまったにょ。
しかし、制限によって成立しているネットブックであるためそれを改善することは
できないにょ。
たしかに制限そのものは徐々に変化しており、Intelが制限していたと推測される
解像度に関してはそれは緩和され、各社からWSVGAを越える解像度のネットブックが
登場したもののそうなると次に訪れるのは液晶の画面サイズにょ。
150ppi程度が常用限界と思われるためにMSがネットブック(ULCPC)で規定してうる
10.2インチでは無理があるからね。
しかし、実際はULCPC版WinXPでは12.1インチまで認められている(ライセンス料金は
5ドル程度アップする)ためにようやく12.1インチのネットブックが登場したにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/honjou/20091015_321286.html
Atom Zでは元々解像度制限がなかったけどAtom Nでは長らく解像度制限があったために
12.1インチWXGAのネットブックは割高となってしまうためにどこのメーカーも
出さなかったけどようやく登場したにょ。
12.1インチWXGA(1280x800)だと125ppiであるために問題なく常用できるのだけど
今となっては時期が悪いにょ。
このサイズだとCULVノートが多く発売されたし、Win7ではULCPCの基準が変更され
例外で認めていた10.2インチを越えるものが認められなくなってしまったにょ。
そのためULCPC用(30ドル程度)が使用できず、通常版のHome Premium(100ドル
程度)が必要になるにょ。
つまり、液晶サイズが10.2インチを越えてしまうとOSが安いというアドバンテージが
無くなるためにネットブックのお買い得感は一気に失われてしまうにょ。
問題はCPUの価格差による価格アップとなるけどそれがどの程度なのか・・・。
一般的なPCであれば製造原価は定価の5割程度、ネットブックなど利益が少ないものだと
6割程度になっているにょ。
要するに原価が1万円アップすれば定価は2万円アップすることを意味するにょ。
CPUの価格はAtomはIntelの制限を満たせば20ドル程度、CULVは107ドル程度ということで
その差は90ドル弱にょ。
デュアルコアセレロンは134ドルだから110ドル程度となるにょ。
だからCULVノートはネットブックと比べて2〜3万円程度の価格上昇はやむを得ないにょ。
実際先日発表されたCULVノートも6〜10万円程度となっているしね。
セレロンといっても現行のものの性能は馬鹿にならないにょ。
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0910/16/news040_2.html
PC Markを見てもAtomの2倍くらいのCPUスコアになっているしね。
ACERのTimelineならばすでに49800円で売っているショップもあるにょ。
http://www.sourcenext.com/cp/h/0910/18_as1410.html
Atom搭載のネットブックが3万円少々で売っているということを考えるとそれより2万円弱
追加するだけで2倍のCPU性能とWXGA液晶を手に入れられるということを考えればむしろ
3万円台のネットブックが割高に感じてしまうくらいにょ。
この価格はあくまで例外的なものとはいえ、CULVも価格がこなれてくればこれが普通の
価格になるということは十分考えられるにょ。
ネットブックの3万円はすでに底値に近い(展示品の処分などの一部のけどCULVの底値は
上記計算から予測すれば5万円程度となるにょ。
ここまでCULVノートが安いと明確な性能差がないULVのCPUを搭載したモバイルノートを
買うのが馬鹿らしくなるけどモバイルノートは軽くするためにコストがかかったり
カタログスペックには出てこない堅牢性アップのために高値となっているにょ。
CULVノートはネットブックのようにコスト優先で筐体を作っているためにそこまで軽さや
堅牢性はないとはいえ、そこまで拘らない人であれば問題ないレベルであるためにネット
ブックでは性能面や解像度(ドットピッチ)に不満がある人にとっては2万円の追加で
それが補えるならば安いという人も多そうにょ。
もっともこの価格帯ならば「2万円の価格差」というのは「大きい」という人もいるかも
しれないにょ。
IntelがCULVの価格を現状から更に下げたり、MSがCULV(デュアルコア)にStarterの
ライセンスを与えたりしない限りは価格差2万円がさらに縮まることはなさそうだしね。
結局はネットブックで妥協するかちょっとリッチにCULVにするかという選択肢になるけど
選択のポイントはその人の使い方次第にょ。
YouTubeのHD動画がまともに再生できないと駄目というならば10月14日に書いたように
ネットブックでは当分改善は無理(Atomの性能が現状から2倍に上がるのは何年先か
分からない)であるため自動的にCULVとなるにょ。
軽めのネットゲーをやりたいという場合もAtomでは不満を感じることが多いと思うにょ。
あとWXGAで無理なく使うというのは11.6インチくらいは必要になるから10インチクラスの
ネットブックではギリギリにょ。(しかも、WXGAのネットブックはWSVAより高価な機種が
多いためCULVとの価格差はさらに縮まる)
ネットブックがこれからも生き残るにはCULVとの明確な差が必要となるけどなかなか
難しいにょ。
イーモバにねんMAX契約で0円で入手可能というのも1つのメリットだけどにねんMAXは
毎月1900円余分に払う必要があるので2年間で45600円余分に払うことになり、
45600円のネットブックを金利無しの分割払いで買うのと同じにょ。
しかし、多くのネットブックは3万円台で購入可能であるため初期投資0円でもトータルで
考えれば割高になってしまう現状にょ。(3万円のネットブックを24回払いで購入して
45600円支払うのと同じようなもの)
これが5万円のCULVノートが5000円ならばその値引き分を十分生かせるからセットで
買うならばCULVの方がメリットが大きいにょ。
AtomのTDPが低いといってもそれはネットブックで生かされてないからバッテリ駆動時間が
長いという機種はごく一部に留まっているしね。
やはり、Atom搭載ネットブックがCULVノート(東芝命名「ネットノート」)と差別化可能
となる最大のポイントは筐体サイズだと思うにょ。
来年初頭に登場する次世代Atom(Pineview)はCPUにノースブリッジ機能を内蔵したSoCと
なっているために今のネットブックよりも小型化が容易になるにょ。
あとTDPも抑えられているにょ。
これがCPUもチップセットもTDP10W以上のCULVでは小型化は安易にはできないからね。
ネットブックが8.9インチWSVGAで1kg以下になるならばCULVと十分差別化できると思うにょ。
今のネットブックは持ち歩くには大きく、自宅で省スペースPCとして使うならば性能に
不満がでるということでCULV登場によってその存在が微妙になってきたからね。
ネットブックが現在のものから大きく価格ダウンさせるのが難しいからこそ今後は価格が
下がってくると思われるCULVとの差別化が生き残りのためのポイントとなるにょ。
Atomで十分、SVGAで十分と感じている人ならば2万円差が大きいからそう簡単にはネット
ブックが廃れることはないとはいえそういう人はそんなに多くはないだろうからね。
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