したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

おちゃめくらぶ掲示板

265御茶目菜子:2010/06/14(月) 13:11:37
本当にiPhone4の液晶は人間の目を越えているのか・・・?
iPhone 4のウリの1つは3.5インチながら960x640の高精細液晶を採用していることにょ。
326ppiという高密度であり一般的に人間の目の分解能とされている300ppiを越えている
ためにもアップル社はこれを「網膜ディスプレイ」と呼んでいるにょ。
しかし、それに関しては専門家は「誇大広告」と言っているにょ。
http://wiredvision.jp/news/201006/2010061122.html
一般的には300ppiと言われているけど上記専門家の意見では477ppiとなっているからね。

確かにメーカー発表は大げさに発表することが多いし、少し性能や機能が上がっただけで
あっても「革新的な進化」と言うことも少なくはないけどそれが本当に間違いであれば
問題としかいえないにょ。
そもそも、この300ppiが人間の目の分解能というのが正しいのかというのが疑問になって
くるにょ。
その際に問題となるのは300ppiの出所にょ。
これは「視力1.0の人の分解能が1分(の角度)」であることから計算されておりそれから
計算すると30cmの距離だと約300ppi(約0.09mm)になるというわけにょ。

ただ、実際にドットが見分けられるかどうかをチェックしてみればその300ppiというものが
正しいかどうか疑わしくなってくるにょ。
目の分解能が(30cm離れて)300ppiならば120ppiの液晶モニタを使用した場合には75cm
離れたら見分けわれるかどうかの限界に達し、それよりも大きく離れたら見分けることが
出来なくなってしまうにょ。
ところが、私のR5(123ppi)で白地に黒の線(線幅1ピクセル)を表示してみたところ
分解能の4倍となる3m離れてもその線を十分に識別可能だったにょ。
別の例を挙げると空気中に漂っているホコリだけどこれは0.09mmよりも遙かに小さいにも
関わらずその存在が目に見えてしまうことは多々あるにょ。

これはなぜかというと4月11日に書いたように人間の目には色彩を感知する錐体細胞が
600万個程度なのに対して明暗を感知する桿体細胞は1億個以上あるからにょ。
つまり、明暗差(コントラスト)の大きなものはこの錐体細胞によって識別され本来の
性能を遙かに超えた認知力を発揮されるにょ。
だから人間の目はコントラストが高い輪郭線を認知する力は極めて高いものとなっている
ためにピーク時には300ppiを遙かに大きく越えることが可能になるわけにょ。

私は昨年3月16日にデジカメで撮影した写真を比較したにょ。
その際には150dpi、200dpi、250dpi、300dpi、350dpi、400dpiでプリントしたものを
無作為に取り出しその優劣を見分けられるかというテストだけど300dpiを越えるものは
ほとんど見分けることができなかったにょ。
それ故に300dpi(300ppi)という基準はそれほど大きな間違いとは思えないけどプリント
した写真の場合はプリンタ側がボトルネックとなり、実効印刷解像度で300dpiを大きく
越えるのは難しいということを考えなくてはならないにょ。
インクジェットプリンタは誤差拡散方式であるためプリント解像度と実効解像度には
大きなずれがあるからね。(1ドットでフルカラーを表現できているわけではない)

では、人間の目の分解能が300ppi程度というのは正しいのかどうかをここではっきり
させようと思うにょ。
そういうことで実効ppiがはっきり分かっているPCモニタ上で改めてチェックしてみよう
と思ったにょ。(そもそも発端がプリントではなく液晶モニタに関してだからね)
200ppi〜600ppiくらいまで20ppi刻みくらいでたくさんの液晶モニタを持っている人で
あればそんなその液晶モニタを30cmの距離から離れて見て自分の目の分解能がどれくらいか
というのが分かるだろうけどそのようなモニタを多数持っているなんていう人はまず居ない
と思うので1つのモニタに対して距離から逆算するしかないにょ。

ここで気を付けないといけないのはどのような環境で測定するかにょ。
フルカラー(RGB256階調)で表示する場合には黒(0,0,0)と白(256,256,256)を比較した
場合においては明暗差が大きいために高い分解能が発揮されるけど実際に画面を見る場合は
カラーの方が圧倒的に多いからね。
では、その実際の使用時におけるRGBの輝度差というのはどれくらいの差で考えれば良い
のかというと難しいところだけど平均的に見れば隣同士のピクセルにおけるRGBそれぞれの
輝度差は64くらいだろうと予測してその輝度差のドットを識別できるかというのをセルフ
チェックしてみることにしたにょ。

そのために速攻で作ったソフトがこの「c-test1(C力測定)」にょ。
http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/123631.zip
これは視力検査と同じように一定距離を離れてそれが見えているかどうかを調べるもの
となっているにょ。
測定に必要なものはWindows PC&液晶モニタ(もしくはノートPC)、長目の物差しもしくは
巻き尺にょ。

まず簡単にソフトの使い方を説明するにょ。
c-test1.exeをダブルクリックで起動すると画面上に色が付いた四角形とその中に3x3
ピクセルの小さな四角形(外側の四角形とはRGB64階調差)が表示されているけどその
四角形の4辺のどこかに1カ所だけ欠けている部分があるのでそれがどこなのかを選択肢し
正解ならば「○」、不正解ならば「×」が表示されるという単純明快なものにょ。(5回に
1回は欠けてない四角形が表示されるのでその際には「無」を選択する)
右クリックをすれば次の問題に進むにょ。
ゲーム性は全くないためそのテストの繰り返しとなるにょ。

テスト方法はまずは十分にドットが見える近い位置からスタートしていき2問連続正解
したら適当に少しずつ離れていき(2問連続にしたのは「たまたま正解する」という可能性が
20%あるけど2問連続ではればそれが4%へと軽減されるため)1問でも外した時点で終了と
なりそこから画面までの距離を物差し等を使って計測するにょ。(同じ64の輝度差でも
色によって人間の目は分解能が異なるため複数回チャレンジした方が良いと思う)
そしてresult.exeを使って液晶の大きさと解像度と距離を入力すれば結果(30cm離れた
地点での分解能)が分かるにょ。(距離に「30cm」を入れるとその液晶のドットピッチが
分かる)
ちなみに私の測定結果はR5(10.4インチXGA)で295、VAIO UX(4.5インチWSVGAで308と
なったため一般的に言われている300dpiはそれほど間違ってないことがいえそうにょ。

このテストは高精細の液晶モニタを使用した方が正しい計測結果が得られると思うにょ。
距離が長くなってしまえばただの視力検査になってしまうからね。(1m以上の計測結果に
なる場合は測定誤差が大きいため高精細の液晶モニタを推奨)
視力0.1の人が視力1.0の人と比べて10分の1の分解能しかないなんてことはなくきちんと
ピントが合う範囲内ならば視力に10倍の差があろうと分解能に大きな差は生まれないにょ。
近視の人が分解能で劣る(視力検査表の大きなランドルト環しか識別できない)というのは
その距離では水晶体のピント調節の範囲外となっているためでありカメラで言うとピントが
合ってない状態で撮影しているようなものにょ。
その状態で「レンズ性能が低い」と判断するのは間違いであることが分かると思うにょ。

また分解能を測るのであれば2本の線が正しく見分けられているかというので測定することが
多いと思うにょ。(特にカメラのレンズの解像力チェックによく用いられている)
それは2本の線を引いてその間隔がゼロか否かというのをチェックするという方法だけど
それだと二択になってしまい95%以上の正しさを求めるためには同じ距離で5回テストを
する必要があるため(たまたま5回連続正解する確率は1/32)テスト時間がより長くかかって
しまうにょ。
そのテスト方法であるc-test2も用意したので興味がある人は試してみるといいにょ。
隙間が空いていれば「有」空いてなければ「無」を選択していくというだけにょ。

ただc-test2ではc-test1より高めの測定結果になるにょ。
これはドットではなく線ということで認知しやすいためにょ。
視力検査のランドルト環はそのようなことがないように太さと隙間の幅は同じになるように
設定されているにょ。
したがって、このc-test2は人間の目の分解能を測定するのには適したテスト方法とは
言い難いにょ。
コントラストの低下によって線の間隔の有無を判断するのではなく線がはっきり見えるか
どうかという判断で行えばまた異なるだろうけどその基準が難しいからね。

まc-test1とc-test2の測定結果の違いというのは点か線かというサイズの問題というのも
あるけど形状の問題も大きいにょ。
例えば数100m先の電線は見えるけどその電線の太さと同じ大きさの物体(電線が1cmと
すれば1cm角の立方体)は見えないというのは人間の目は図形を見る認識能力に優れて
いるからにょ。(距離300mで太さ1cmの電線が識別可能な場合、30cm離れて300ppiのものが
識別可能という分解能の9倍、つまり視力9.0相当となる)
これが最初に出たモニタ上に線を引いた場合にかなり離れていても線が認識可能な理由と
なっているにょ。

ということで私の測定結果を下記にまとめてみたにょ。
使用したPCはR5(10.4インチXGA)が123ppi、UX(4.5インチWSVGA)が264ppiにょ。
ちなみに私の視力は左右ともに0.9(ただし矯正)にょ。

  《 測定結果 》
       c-test1   c-test2   c-test1-bw  c-test2-bw
  R5      295    測定不能    377    測定不能
  VAIO UX   308     659     387    測定不能

 ※距離が1mを越えたものは誤差が大きいため「測定不能」とした
  すべてのテストは「ドットがはっきり見える」というラインではなく「ドットもしくは
  線の想定できるという条件下での測定値
  各3回テストしてもっとも良いものを記載した

同じ測定アルゴリズムでも少し条件を変えただけのc-testとc-test2では結果が明らかに
異なるというのを見ればいかに測定方法で結果が左右されるのかが分かるように条件に
よって大きな差が出るテストであるということは認識しておいて欲しいにょ。
図形として線を認識するのではなくドットがはっきり見える距離という条件で測定すれば
c-test1とc-test2では今回のような大きな測定結果の差はなくなると思う)

また、c-testではRGBの輝度差は64で計測したけど上記のように輝度差256(つまり白と黒)
ではそれよりも遙かに大きな測定結果が残せるからね。
実際このテストの白黒版を先に作った(ファイル名の最後にbwが付いているもの)のだけど
隙間が空いているのかどうかがはっきり見えなくてもコントラスト低下によって隙間の
あるものとないものに差ができてしまうため簡単に区別がついてしまうのが厄介にょ。
c-test2-bwではVAIO UXでさえも測定不能のレベル(1000ppi以上)となったにょ。

そもそも人間の目はデジカメとは根本的に作りが異なるため単純に「分解能」という言葉で
表すことはできないにょ。
しかし、326ppiの液晶モニタは(30cm離れて見たときに)「フルカラー画像のドットは
ほとんど見えない」というレベルになっているのは私の測定結果から間違いではないにょ。
あくまでこのテストは30cm離れて見た場合における推定分解能なので15cm(多くの人が
ピントが合うであろう最短距離)ならばさらに2倍になるため画面に近づけば326ppi程度
ではドットが目で見えると思われるにょ。

それもフルカラーで64の輝度差というのが前提条件であるため輝度差の大きいもので
あれば余裕で識別可能だからね。
c-test1-bwではUXでも387ppiに達していているにょ。(視力0.9の私だけど近接時には視力
1.3相当になるということ)
最初に書いたリンク先の専門家の意見では人間の目の分解能は477ppiに達するというのも
考えられない数字でもないにょ。(言い換えればピント調節というボトルネックが無ければ
平均的な人の視力は1.5〜1.6相当になるということ)
仮にその477ppiが正しいとしたら15cmまで近づいてみれば954ppiまでドットの有無が識別
可能といえるにょ。(私自身の測定結果でも15cmならば774ppiまで識別可能)
したがって、1000ppiクラスであれば完全に人間の目(網膜)を越えたといっても問題は
ないけどiPhone4の326ppi程度で「網膜ディスプレイ(人間の目を越えた液晶)」という
のはやはり過剰表現であることが否めないにょ。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板