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おちゃめくらぶ掲示板
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タブレット端末で戦争勃発!?Atom vs ARM
今まではAtomはデスクトップ用(ネットトップ用)を除けばAtom N(主にネットブック用)
とAtom Z(主にUMPC用)の2つしかなかったけどMooestown登場によってスマートフォン用の
ものが加わり3つになったにょ。
それは5月7日にここで書いたけど下記リンク先の記事にそれらのカテゴリー別に新旧すべて
合わせたものがまとめられているのでそれを見れば分かりやすいにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/20100607_372660.html
これを見てのように「Atom」と一口で言ってもさまざまな種類があるということが分かると
思うにょ。
Atomは低TDPかつ安価ということで小型PCの価格引き下げに大きな貢献をもたらしたのは
紛れもない事実だけどAtomが低TDPといってもそれは「PC向けのx86CPUの中で」という
条件付きにょ。
そもそもAtomはx86でありながらスマートフォンや組み込み市場を狙えるということが
最大の武器だったからね。
IntelはかつてはXScaleというARM系のCPUを作っていたものの部門ごと他社に売却したのも
Atomに自信があったからと私は思っているにょ。
しかし、現状のAtomではARMと競うなんてとてもできるレベルにないにょ。
もっともIntelも最初の世代でいきなり競おうなんて思ってないにょ。
最初はPC向け低TDPのCPUとして売り出したところネットブックが予想以上のヒットを
もたらしそれによってAtomはネットブック用CPUとしての知名度は高まったにょ。
Atomがネットブック用といってもそれはあくまでAtom N(Diamondville)の話にょ。
Atom Z(Silverthone)はAtom Nよりも低TDPかつチップのパッケージサイズも小さいと
いうことで従来では難しかったポケットサイズのWindows PCを安価に作ることが可能に
なったという恩恵があるにょ。
しかも、PMやBXのように400g弱で実駆動4〜5時間確保できるというのもAtomがあってこそ
だからね。(ポケットサイズのPCはそれまでも存在していたけど高価だったり実駆動が
1〜2時間しかなかったりした)
さて、先月発表されたMooestownによっていよいよAtomがスマートフォンに搭載される
ということが現実味を帯びてきたのだけどこれが可能になったのはCPUが省電力化した
というだけではなくチップセットの機能をCPUに内蔵したのが大きいにょ。
Menlowプラットフォーム(現行のAtom Z)においてのチップセットとなるUS15Wはチップ
セット単体でのTDPが2.5WもありCPUよりチップセットの方がTDPが高いという非常に
アンバランスな状態だったにょ。
TDPだけではなく平均消費電力も高くチップのパッケージサイズもCPUよりも大きかった
ためにそれが大きなボトルネックとなりいくら低クロックのAtom Zであろうとスマート
フォンレベルのサイズに抑えるのは無理だったにょ。
さらにAtomではアイドル時の消費電力が大きいために待ち受け時間が数10時間レベルの
端末となってしまうからね。
このスマートフォン向けAtomとなるMooestownの技術を使ったOakTrailによってAtomは
さらに進化を遂げようとしているにょ。
6月3日にも書いたけどタブレット端末でそれはかなり有用になってくるにょ。
今年後半から来年にかけて登場する新Atomを加えて考えると3つのカテゴリーに分けられる
Atomの使用用途は下記のような感じになるにょ。
CPU名 Atom N Atom Z
プラットフォーム名 PineTrail OakTrail Mooestown
ネットブック ◎
タブレット端末 ○ ○
UMPC ◎
スマートフォン ◎
(※◎最適、○適)
Mooestownがスマートフォンで◎となっているのはいいとして低TDPなんだから他の用途に
使えば良いと考える人もいるかもしれないにょ。
しかし、PC向けに必要なものとスマートフォン向けに必要なものでは異なるために
Mooestownではスマートフォン向けでは十分な性能を持つけどPC向けとしては十分な性能
(機能)を持たないために他の用途には適さないにょ。(スマートフォンでは十分なもの
と割り切ることで低消費電力を実現している)
PineTrailがUMPCに適さないのはここで何度も書いているようにTDPの問題があるからにょ。
やはり、上記の分類表を見て気づく点といえばタブレット端末だと思うにょ。
ネットブックに関しては当初の7〜8.9インチ搭載のものよりも大型化が進んでいるため
あえて低TDPではあるけどコスト面で不利になるOakTrailを搭載する意味はないのに
対してタブレット端末はそうではないからね。
これは5月22日に書いたようにタブレット型の端末において現時点でサイズに正解はない
からにょ。
薄型軽量タイプを求めるならばOakTrailがベストだけどそうでないならばコスト的に有利
となるPineTrailで問題ない(デュアルコアのものが近日中に登場するためそれなりに
性能を重視する場合はOakTrailよりも有利となる)からね。
さて、タブレット型の端末といえば最近流行のiPadが真っ先に思い出されそれ以降に登場
したタブレット型の端末はiPadもどき(iPadのパクリ)などと言われることも多いけど
実際は個人向けとして登場したのはWindows PCの方が早いにょ。(見た目がiPadそっくりな
製品をパクリ扱いするなら分かるけど似ても似つかないのにタブレット型の端末という
だけでパクリ扱いしている人さえいる)
個人向け低価格タブレット型の端末といえばOrigamiにょ。(Origamiよりも2年早く登場
したキーボードレスのVAIO type Uもあるけどこちらは小型軽量を重視したモデルであり
Origamiとは基本的にコンセプトが異なるため除外する)
Origamiは当時としては安価であり2台目需要(すでにメインPCを持っている人が2台目と
して購入したり、家族共用のPCしかない人が自分専用として購入)ということが期待
されたのだけどそれは商業的には失敗に終わってしまったにょ。
このOrigamiのコンセプトは気づいてのようにネットブックそのものにょ。
それなのにOrigamiは失敗しネットブックは成功したにょ。
その差は一体何なのか・・・?
「ネットブックはOrigamiよりも安いから」というのを理由に挙げる人もいることだと
思うにょ。
しかし、それは正しくはないにょ。
それはPCがデジタル機器であるが故に性能をほぼ維持した場合には価格が安くなって
当たり前だからね。(Origamiは初期のネットブックと同等以上の性能があった)
確かにネットブックがOrigamiと同じ価格だったらそこまで売れなかっただろうけど
それは失敗しなかった理由であって成功した理由ではないにょ。(Origamiが発売当時に
5〜6万円の実売価格で抑えられるくらいにスペックを抑えたら売れたかということを
考えれば価格だけが問題でないと分かる)
確かにネットブックが売れたのは安価なPCというのが最大の理由というのには間違いない
と思われるにょ。
それに加えてネットブックはネット程度ならば十分に使える性能であり無線LAN環境が
急速に整いしかもイーモバイルを筆頭として3GでのPC接続定額サービスが開始されたことが
大きいにょ。
そのような通信環境の変化もネットブックの成功を支えたにょ。
非力なCPUであるAtomだけどXPならば快適動作する性能があった(XPのサポートや提供を
打ち切っていればネットブックがここまでの成功を収めることは無かった)わけだし、
ネットブックの低解像度の画面だからこそ快適に動作するというのもあるし、その解像度の
制約も画面サイズの制約によって生まれたものだからね。
ネットブックの成功はあらかじめ予想できたものではなくベストバランスによって生み
出されたレアなケースといえるにょ。
ネットブックの成功はこのようなバランスの良さによって生まれた偶発的なものとはいえ
それがOrigamiの失敗と直接的に繋がるというわけではないにょ。
確かに価格面を見ればIntel、MS双方の協力によって大幅に低価格化されたネットブック
とは異なりMSのコンセプト主導でありながらあまり低価格化に貢献ができなかった
Origamiは価格面でネットブックほどの魅力が無かったからね。
PCベンダーの力だけではこれはどうにもならなかったにょ。(CPUやOSの価格は普通の
ノートPCと大して変わらないために作りをチープにして価格を下げるしか無かった)
とはいえOrigamiも小型PCとして考えるならばOrigamiは当時の20万円クラスのモバイル
ノートよりも安い10万円前後という価格や1kg程度の重量は魅力だったにょ。
しかし、PCとして考えるならばキーボードがないというのはマイナス要素だったにょ。
もしも、「キーボードがない」ということがマイナス要素に感じないものになっていれば
恐らくOrigamiはあそこまで失敗することは無かったと思われるにょ。
「iPadはキーボードがないから使えない」という人がほとんどいないように要はOSや
アプリがそのように作られているか、また主要使用用途がそのようになっているかという
ことが大きな影響を与えているにょ。
Windows PCをPCとして使用するためにはキーボードが必須だからね。
特定用途専用であれば問題なく実際に業務用ではタブレット型のWindows PCが多く使用
されているけれど個人向けにはほとんどないのはそれが理由にょ。
Origamiは確かに標準でソフトウェアキーボードが入っておりそれで問題がないという
人にとってみればキーボードがないということはマイナス要素にはならないもののそれは
ごく一部の人だけだと思うにょ。
それで十分という人が本当に多かったのならばiPadが発売される前に多くのPCはキーボード
レスになっているはずだからね。(Vistaでは標準でタブレット機能が備わっているので
キーボードレスのOrigamiで十分ならば使い勝手の面で問題はないはず)
それくらい「PCとして使用する」ためにはキーボードが必要不可欠なものといえるにょ。
Origamiにモバイルノート代わりに使用するには別途キーボードを持ち歩く必要性があり
モバイルノートと比べ重量面ではデメリットが大きくなり使い勝手が劣ってしまったにょ。
それにバッテリ駆動時間も短すぎたしね。(これはタブレット型の端末ということで
重量を1kg以下に抑えるためにはやむを得ないとはいえ消費電力の割りにバッテリ容量が
小さすぎた)
Windows PCということでPDAでは物足りないという人には良かったけど帯に短し襷に長し
ということでOrigamiは多くの人の需要を満たせるような製品ではなかったにょ。
この辺のことは4年前に何度も書いたし今更書くまでもないことだけどね。
それらをまとめるとこんな感じにょ。
◎Origami 失敗の要因・・・歯車が噛み合っておらず失敗は必然的だった
・キーボードがなくPCとして使うのに不便だった
・小型PCとしては(当時は)安かったけどビューア目的に使うには高価だった
・バッテリ駆動時間が短かった
・モバイルネット環境が不十分だった
◎ネットブック成功の要因・・・うまく相乗効果が働き偶然的に成功した
・小型のPCとしてだけでなくPCとして安価で2台目、個人向けとしての需要を喚起させた
・XPの継続提供によってPCとして普通に使うのに困らない性能であった
・Intelが安価で低消費電力のAtomを提供、MSが安価なULCPC版Windows提供したこと
・モバイルネット環境が整ってきた
では、最近やたらタブレット型の端末が多く発表されている理由は何なのか・・・?
それはiPadが大きな影響を及ぼしているのは否定できないけどそれだけではないにょ。
Webや動画などのコンテンツプレイヤーとしての使用であればキーボードの必要性はあまり
高くないし、安価でもキーボードが必須であればもうネットブックやCULVノートという
代用端末があるからね。(ビューアがメインであればキーボードの必要性はあまりない)
つまり、タブレット型の端末というのはすべてのPCを置き換えるようなものではなくすでに
PCを持っている人がより便利もしくは快適に使うための選択肢でしかないにょ。
ネットブックを買ったけど動画やWebしか見てないという人であればキーボードレスに
マイナス要素を感じることはないだろうからね。
だから、「ネットブックが十分売れた」ということがタブレット型の端末の需要を生み
出す大きな要因になったにょ。(だからiPadのせいでネットブックが売れなくなるのでは
なくネットブックが売れたお陰でiPadが売れると考えられる)
それを考えるとOrigamiの時とはかなり状況が異なるのが分かると思うにょ。
あとVista以降タブレット機能がOS標準装備になったことやWindows7でマルチタッチに対応
したこともプラスに働いているにょ。
それに加えてOrigamiとは大きく異なるのはやはりバッテリ駆動時間にょ。
「Origamiが使えないもの」というイメージを与えてしまったのはそのバッテリ駆動時間の
短さがあったからね。
それはAtom登場によって容易に克服されたにょ。
しかし、タブレット型の端末に立ちふさがるもう1つの壁と闘う必要があるにょ。
それは重さにょ。
基本的にテーブルや膝の上で使うであろうネットブックやモバイルノートとは異なり
タブレット型の端末は両手に持って使う(もしくは片手で持って片手で操作する)という
機会が非常に多いためその重量はネットブック以上に重要となるにょ。
ネットブックは初期のモデルは小さすぎて使いにくいという問題があったためかULCPCの
規定である範囲内の上限まで大型化され量産効果を得るためにどこも回れ右でそれに
乗ってきたのだけどそのために持ち歩いて使いたいという人にはメリットが徐々に
薄れてきてしまったにょ。
とはいうものの4月18日にも書いたようにネットブックを持ち歩いて使うという人は
少ないために問題はないにょ。(ネットブックの大型化は上記のように需要の大きな
方へとスライドしてしまったせいだし)
では、重量は軽くすれば良いと簡単に言えるものではないにょ。
大きな1枚板であるタブレット型の端末は強度が少なくなれば故障が簡単に起きてしまう
ためにネットブックよりも強度に気を遣う必要がある(ネットブックからキーボードを
外せばいいという単純なものではない)ということでコストと軽量化のバランスは
非常に難しいわけだし、軽くするには最も有用なバッテリ容量を減らすということは
モバイル機器として考えるのであれば致命的になるにょ。
それこそOrigamiの失敗を再び繰り返すだけだからね。
タブレット型の端末を作ること自体は容易だけどそれを受け入れる市場があるのかどうか
という不安要素も大きかったしOrigamiの失敗があったからこそWindows搭載のタブレット
型の端末はここ最近になって急増してきたにょ。
ただ、問題となるのは5月17日にも書いたようにWebが主体になればWindows PCである
必要性が薄れてくるということにょ。
それが、数年前では予想もできなかったiPadのヒットの理由だけどそれ以外の大きな
理由としては6月2日に書いたようにコンテンツやブランド力の影響も大きいにょ。
端末というハードウェアのみならぬOSやコンテンツの配布まで自前で用意できるという
ことが非常に大きな武器になっているからね。
これによって囲い込みがあるから自由な他のOSを使いたいと思うかそれで十分楽しめる
からiPadで全く問題ないと思うかは人それぞれであり優劣が付けられる問題ではないけど
iPadが成功しているということはそれらを総合してみて良いと判断している人が多いと
受け取ることができるにょ。
(下記へ続く)
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