レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
おちゃめくらぶ掲示板
-
ポケットサイズPCでWin7が快適動作するのは当分先か・・・?
先日発売された新型VAIO Pだけどやはり気になるのは従来のAtom Z550(2GHz)+US15W
(GPUクロック200MHz)よりもクロックが高められたAtom Z560(2.13GHz)+US15X(GPU
クロック266MHz)の存在だと思うにょ。
数値差こそ小さいけど果たしてどの程度の効果があるのか・・・。
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1005/31/news039.html
IT mediaはベンチ結果への直リンク(画像への直リンク)は不可であるため上記のレビュー
からZ560+SSD256GB、Z550+SSD256GB、Z530+SSD64GBの3モデルのベンチ結果だけを抜き
出してみたにょ。
まずはCPUとシステムドライブという基本的な性能の比較にょ。
Z560+SSD256MB Z550+SSD256MB Z530+SSD64GB
チップセット US15X US15W US15W
◎Windowsエクスペリエンスインデックス
プロセッサ 3 2.9 2.2
メモリ 4.4 4.3 4.3
グラフィックス 4.6 4.5 4.4
ゲーム用グラフィックス 2.6 2.4 2.4
プライマリHDD 6.1 6.2 5.2
◎PCMark05
PCMark 1537 2470 1018
CPU 1883 1775 1335
Memory 2612 2527 2214
Graphics 251 228 218
HDD 11942 12046 3026
◎CrystalMark2004R3
Mark 33220 32039 24327
ALU 7480 6653 5382
FPU 5293 5260 4766
MEM 4581 4671 4140
HDD 13066 12755 7616
GDI 1640 1535 1339
D2D 799 826 806
OGL 361 352 278
◎CrystalDiskMark2.2
シーケンシャルリード 83.11MB/s 83.44MB/s 56.20MB/s
ランダムリード512KB 78.55MB/s 79.02MB/s 54.03MB/s
ランダムリード4KB 8.74MB/s 8.25MB/s 3.95MB/s
シーケンシャルライト 62.12MB/s 63.90MB/s 36.35MB/s
ランダムライト512KB 54.12MB/s 58.78MB/s ??1.53MB/s
ランダムライト4KB 10.60MB/s 10.72MB/s ??2.36MB/s
エクスペリエンスインデックスの結果を見るとZ560だけが3に到達しているにょ。
3がまともに使えるボーダーラインとされているためZ560はWin7がそれなりにまともに
動作しそうにょ。
とはいえ、Z550も2.9であるためその差は0.1にょ。
これは誤差の範囲内にょ。(同じ構成でも0.1の差は生じることがある)
CPUを見てみるとPCMarkのCPUスコアではZ550とZ560は誤差というには大きな差が生じて
いるにょ。
この6%のスコアの差はCPUのクロックの差である6%と一致するにょ。
つまり、クロック上昇分だけ速くなったというだけにょ。
CoreSolo1.2GHzでCPUスコアは1900程度なのでZ560はマルチスレッド対応のアプリにおいて
CoreSolo1.2GHz並の性能があるといえそうにょ。
1.6GHzのAtom N270やZ530はCrystalMarkのような単純計算のみのマルチスレッド対応
ベンチに関してはCoreSolo1.2GHz並のスコアは出せても実アプリにおいてはやはり明らかに
性能差があるものだったからZ530とZ560の差はかなり大きいといえるにょ。
CrystalMarkにおいてGDIスコアはZ560>Z550>>>Z530となっているけどこれはチップ
セットの差ではなく単純にCPUの差となるにょ。(チップセットの差が大きく影響して
いるのであればZ560>>>Z550>Z530とならなければおかしい)
Vistaや7ではGDIはGPUに内蔵のGDIアクセラレータを使用していないためにCPUで描画
されるからね。
そのためCPUの性能がシステム描画性能に大きな影響を与えるにょ。
実際GDIスコアを見てもZ560とZ550の差は6%となっておりこれは上記のようにCPUの
クロック差と一致するにょ。
CrystalMarkとPCMarkのHDDスコアを見てみるとZ530モデルだけ極端に低いことが分かるにょ。
これはCPUクロック・・・ではなく単純にドライブ性能の差にょ。
CPU経由で転送されるのではなくDMAとなっているためドライブのアクセス速度はCPUの
影響がほとんど無くなっているからね。(CPUを100MHz以下にクロックを落としたら
多少は影響があるだろうけどこの程度のクロック差では誤差程度の差でしかない)
そのドライブ性能はCrystalDiskMarkを見れば一目瞭然にょ。
リードは64GBモデルは結構頑張っているとはいえ、ライトが極端に遅いにょ。
リードが遅いのはアクセスチャンネル数の問題だろうけどライトが遅いのはコントローラ
とDRAMキャッシュの問題と思われるにょ。
ここまで遅いとなると64GBモデルはDRAMキャッシュを搭載してないのではないかと
思わせてしまうにょ。
次はいよいよ3D性能の比較にょ。
Z560+SSD256MB Z550+SSD256MB Z530+SSD64GB
チップセット US15X US15W US15W
◎3DMark05
3DMark 138 112 111
SM2.0 1908 1675 1555
◎FF XIベンチ3
LOW 887 766 743
HIGH 470 431 431
ここまであまり効果がなかったUS15Xだけどさすがに3D性能は上がっているにょ。
3DMark05ではZ550+US15Xと比べて23%のスコアアップにょ。
ただし、CPUも6%アップしているのですべてチップセット(内蔵GPU)の恩恵というわけ
ではないにょ。
とはいえ、チップセットが同じでCPUクロックが25%速くなっているZ550とZ530を比較
すると3DMarkのスコア差は1%(ほぼ誤差の範囲内)ということで6%のCPUのクロック差が
与える影響というのは極めて低いというのが分かると思うにょ。
次にFFベンチを見てみるとLOWで16%、HIGHで9%のスコアアップとなっているにょ。
FFベンチはCPUの影響力が大きいために昨今のPCにおいてはGPU性能を測るベンチとしては
不適なのだけどHIGHの方を見るとZ550とZ530で同一スコアとなっておりGPUが完全に
ボトルネックとなっていることが分かるにょ。
CPUの影響力が大きいといってもこのようにGPUがボトルネックになった状態であれば
CPUの性能差はほぼ無関係であるためGPUの性能差がそのままスコア差へと繋がるにょ。
Atom Z530と同一のCPU性能を持つAtom N270を搭載のネットブックにおいてFFベンチ3は
LOWで1400程度のスコアとなるためUS15Xの性能をもってしてもまだGPU性能がボトル
ネックの状態にあるといえそうにょ。
US15Xでさえ945GSEの半分強の3D性能しかなわけでゲーム目的で買うというのはとても
おすすめができないにょ。(945GSEとほぼ3D性能を持つ945GMS搭載のR5ではCPU性能で
N270よりも優れるためFFベンチ3はLOWで2000を超える)
US15Wより3D性能が1割でも速くなればいいという人にとっては意味があるけどほとんど
すべての要素において性能アップの恩恵が得られるCPUとは異なり高々1〜2割程度のGPUの
性能差は極めて限定的な影響力しかないからね。
もっとも7の場合はシェーダ性能が上がった分だけAeroが少しだけまともに動作するように
なるという面ではOSの動作レベルでもGPUの性能向上の影響はあるかもしれないにょ。
Z560+SSD256MB Z550+SSD256MB Z530+SSD64GB
チップセット US15X US15W US15W
◎Windows7の各種動作時間
起動(ようこそ) 26.9秒 28.6秒 30.5秒
起動(デスクトップ表示) 34.1秒 36.1秒 37.7秒
スリープへ移行 4.2秒 3.9秒 5.2秒
スリープから復帰 2.8秒 3.0秒 3.2秒
休止状態へ移行 22.2秒 22.0秒 31.9秒
休止状態から復帰 20.3秒 20.4秒 25.3秒
シャットダウン 19.5秒 20.7秒 29.8秒
多少の誤差の影響はあるもののやはりスペックが高い構成の方が全体的な動作が速いにょ。
これはCPUの影響もあるけど休止に関してはシステムドライブの影響が非常に大きいにょ。
Z530モデルが極端に遅いのは最初に書いたようにSSDの書き込み速度が遅いというのが
大きな理由と思われるにょ。
起動やシャットダウンや休止を頻繁に使う人はシステムドライブ速度を重視した構成に
すべきということにょ。
スリープがメインであればそこまで大きな差は開かず若干の影響はあるけど誤差を考えた
場合は有為的な差はわずかといえるにょ。(上記データからZ550がZ560モデルよりも
スリープへの移行が速いと断言はできず個体差や測定の誤差だと思われる)
次は駆動時間の比較にょ。
Z560+SSD256MB Z550+SSD256MB Z530+SSD64GB
チップセット US15X US15W US15W
◎バッテリ駆動時間テスト
BBench、輝度40% 3時間52分 4時間03分 3時間43分
HD動画再生、輝度100% 2時間14分 2時間16分 2時間12分
さて、問題となるのはスペックがいくら高くても駆動時間がマイナスになってしまう
ならば良いとはいえないということだけど駆動時間テストを見る限りではZ550モデルが
1位となっているにょ。
この理由は・・・難しいにょ。
HD動画再生のように誤差が1〜2%ならば単純に個体差といってもいいけどBBenchの方は
1割以上の差が付いているからね。
Z530モデルはSSDに関して言えばSATA→PATA変換アダプタが不要な分だけ消費電力が低い
はずだからもしもZ530モデルが1位ならばそれが理由だろうし、Z560+US15Xが1位ならば
選別品であるため低電圧でも動作し、それにによってアイドル時の消費電力が軽減された
という理由が考えられるけれどZ550が1位になる理由がないからね。
これは保留とさせてもらうにょ。(恐らくこれはたまたま個体差が大きなものだったとしか
思えない)
肝心の駆動時間そのものだけど動画再生に関しては2時間あまりということで公称5.5時間
となっている駆動時間の半分以下だけどこれは仕方がないにょ。
公称駆動時間の測定に使われているJEITA測定法そのものが現実的な使い方と剥離している
わけだからね。
BBenchの方が実際の駆動時間(現実的な駆動時間)といっても良さそうにょ。
これだと公称駆動時間の7割程度なので納得のいく範囲内にょ。
前モデルのZ550+SSD256モデルはBBenchで3時間1分ということでこの新型は3割程度
駆動時間が延びているにょ。
これはバッテリセル容量のアップだけではなく省電力化も優秀になったためにょ。
バッテリ容量自体は2100mAhだったのが2500mAhということで2割弱しか増えてないからね。
これで十分かどうかは人それぞれだけど3時間使えれば十分という人であれば従来だと
標準バッテリでは心許なかったけど新モデルでは標準バッテリのみで済むようになった
という恩恵は大きいにょ。
Lバッテリ装着で2倍の駆動時間が確保できるとはいえ、重さも100g以上重くなるからね。
とはいえ、この駆動時間も常時スリープで運用するならば十分かどうかは見直す必要が
あるにょ。
というのも5月28日に書いたようにスリープ(サスペンド)中のバッテリ消費も無視でき
ないからね。
使用時以外は常にスリープさせておくと考えた場合、スリープでのバッテリ保持時間が
50時間と仮定した場合実駆動4時間のPCは実駆動2.5時間になってしまうにょ。
それで良いならば問題ないけど買ってから思った以上に長く使えないという場合には
この「未使用時間のバッテリ消費」を計算に入れてないからにょ。
この未使用時間のバッテリ消費を重視するためにスリープではなく休止で運用した場合
復帰にかかる時間の20秒と3秒は大きいにょ。
仮にこれが許容できても休止中であってもバッテリ消費はスリープよりも小さいとはいえ
ゼロではないにょ。
さすがにスリープよりは消費電力は小さいので極端に気にする必要はないけどね。(D4の
初期ロットのように休止で10数時間しかバッテリが持たないPCも中にはあるけど)
上記結果からZ560&US15Xの最強構成は確かに性能向上に貢献しているというのが分かった
けれどそれが価格面に似合うかどうかは別問題にょ。
昨年1月の初登場時のモデルのように店頭モデル(Z520、1.8インチHDD)でVistaというのは
とても実用レベルに達しているとは言い難かったけれど新VAIO Pの店頭モデル(Z530&64GB
SSD)であればそれなりにはまともにWin7は動作可能だろうからね。
最強構成であればその店頭モデルとなる最小構成よりは快適に動作するというのが今回の
ベンチ結果から明らかだけどその分価格も2倍近いものになってしまうにょ。
それにベンチ結果から単純に判断すると最強構成のVAIO Pであっても私がいつも持ち歩いて
いるCoreSolo1.2GHzのR5と比べてCPU性能は同レベルでGPU性能は半分程度となっているにょ。
もっともPCにおいてはシステムドライブ性能が重要でそれがシーケンシャルリードで
30MB/s程度の速度しか出ないR5の内蔵HDDと比べて圧倒的に速いVAIO PのSSD速度を考えた
場合には体感速度ではR5を上回りそうにょ。
これはあくまで同じOSを使った場合だけどね。
WinXPであればAtom N270+メモリ1GBのネットブックでも十分快適に動作するけどWin7で
これと同レベルの快適性を得るならばセレロンSU2300+メモリ2GBのCULVノートが必要だろう
と私は考えているにょ。
Atom N270とColeSolo1.2GHzとの性能差は3〜5割程度なのに対してセレロンSU2300との性能
差は2〜3倍となっているにょ。
Atomがここまでの性能向上をすることは遠い将来は別として今後数年内にはあり得ないにょ。
したがって、Atomを搭載する限りはある程度の性能で妥協するしかないにょ。
R5と同程度のCPU、GPU性能で良いと考えればAtom Z560+US15XというVAIO Pの現在の最強の
構成でGPUが少し弱いレベルとなるためAeroの快適動作はあまり期待できないけど速度的に
大きな不満は無さそう(描画が遅くてもシステムドライブが速いから上記のように体感では
有利に働く場面も多い)だからね。
しかし、価格と発熱は無視できないにょ。
安価なのがウリのAtomとはいえ、現在の最高性能、SSDは高速かつ256GBの容量ということで
15万円以上の金額になっているにょ。
それにクロックが上がった分だけ発熱も上がったみたいでファンレスであるということも
影響して底面は部分的には53℃に達するにょ。
これはファンレス時代のLet'snoteと同等かそれ以上にょ。
そうなると、たとえVAIO Pの最強構成ならばWin7をまともに動作可能といってもそれを
ポケットサイズのPCに求めるのは発熱面でも価格面でも無理があるにょ。
実売5万円程度となると価格面だけを考えると最下位もしくは下位から2番目程度のCPUである
必要があるし、発熱面でも高クロックのものは採用しにくいにょ。(TDPも2GHz未満のものが
2Wなのに対してそれ以上が2.4Wとなっている)
またシステムドライブに関してもWin7はXPと比べて占有量が多く現在はドライブ内に
リカバリ領域があるものがほとんどであるためXPと7では必要な容量に大きな差が出るにょ。
XPであれば8〜9GBの占有量となるため32GBのSSDであれば20GB以上の空きができるけど7搭載
であればディスク占有量が少ないStarterであっても13GB(N5の32GBモデル)の空きしかない
からね。
それを考えるとXPでは32GBあればそれなりに使えるけど7で32GBはやや心許ないため64GB
程度は欲しいにょ。
実売5万円程度のポケットサイズPC(BXやN5、もしくはそれ以下のサイズ)で新型VAIO Pの
最強構成並の性能を得るにはAtomの基本的なアーキテクチャが変わらない以上は現在よりも
クロックが数段上にならないと難しいにょ。(基本的に1ランク上のCPUが登場すれば価格
面でいえば1ランク下へとスライドされるため3段階高いCPUが登場すれば現在より3段高い
性能のものを同一価格で得ることができる)
そのためにも微細化が進まないと難しいにょ。
廉価機への64GBのSSD搭載はNANDフラッシュの大幅下落がない限りは実現は困難でこれも
微細化に影響しているにょ。
今年末〜来年に登場が予想されるOakTrail採用機ではかなり改善されそうだけど発熱面や
価格面(Starterの提供条件の緩和)を考えるともうしばらくかかりそうにょ。
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板