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おちゃめくらぶ掲示板
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「ハイスコアガール」で見るコピーライト表記の難しさ
漫画「ハイスコアガール」がSNKのゲームキャラを無断使用したとして著作権法違反で家宅
捜索となったにょ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1408/06/news050.html
ハイスコアガールはリンク先の記事にもあるように90年代を舞台にした作品でその作中では
多くのゲームが登場するにょ。
それらは90年代に実際にヒットしたゲームばかりで作中でもそのゲームのキャラが描かれて
いるにょ。
ここで問題となったのはその描かれたキャラの扱いにょ。
これにおいては、巻末にSpecial Thanksとしてコピーライト表記((C)マーク)を付けて
掲載しているゲームの著作権者が掲載されているにょ。
ところが、実際にはSNKプレイモアには許可を取ってなかったため今回の騒動が起きたと
いうことにょ。
コピーライト表記に関する著作権侵害のトラブルは昨年もコミック百合姫に連載されている
「百合男子」でも起きたにょ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1312/20/news095.html
さて、そもそもコピーライト表記とは何なのかというとその作品の著作権者が誰なのかを
示したものにょ。
とはいえ、著作権というのは作品を世に発表した時点で自動的に発生するためコピーライト
表記をしていてもしてなくても問題はないにょ。(コピーライト表記がないから著作権を
放棄しているというのではなく著作権はちゃんとある)
とはいえ、実際には多くの場面でコピーライト表記を目にする機会があると思うにょ。
それは著作権者から正式許諾を受けたということを示したものであるためにょ。
版権グッズなどにおいてはその版権の著作権者が製造販売するということはほとんどなくて
グッズを作っているメーカーが著作権からライセンスを得て製造販売しているにょ。
TVアニメでは近年は製作委員会方式が主流になっていて複数企業が資本を出し合ってアニメ
制作会社に依頼してアニメ制作をしているにょ。(要するにリスクを分散させるためのもの)
この場合は原作もののアニメの場合は原作の出版社が製作委員会に入ることで利益の分配を
行えているにょ。(アニメ制作会社は資本を出して製作委員会に入らない限りはそのアニメが
どれだけヒットしてグッズが馬鹿売れしても制作費として収められた以上の資金は入って
来ない)
つまり、コピーライト表記は「誰に著作権があるのか」というのを示しているけど慣習的には
正式に許諾されているかどうかということに用いられているというわけにょ。
したがって、二次創作の同人誌などで問題になることがあるにょ。
これについては7月6日に書いたにょ。
著作権法の非親告罪化で二次創作はどうなるのか?
http://6407.teacup.com/ochame/bbs/4635
その同人誌にコピーライト表記を行い著作権がその元の版権の著作権者にあるようなことを
書いてしまっては何かあったときに非常に厄介なことになるにょ。
例えば元版権が全年齢指定の作品なのに18禁同人誌で元版権の著作権者に著作権があるように
してしまったらその元版権にそういう描写がある(もしくはそういう描写を認めている)と
その同人誌を手にとった人は感じてしまうことになるにょ。
二次創作の場合には元版権(一次創作)を元に二次創作の著作者が独自の表現を加えている
ためどの部分が元版権に帰属するのか非常に分かりづらいにょ。
そのため「不要なトラブルを避けるため元版権のコピーライト表記はしない」というのが
ベターといえるにょ。
これが、アニメやゲームを紹介する本を作ってそれに画面キャプチャした画像を紹介用の
画像として使っている場合だと元版権から全く弄って(創作が加わっている部分が全くない)
ため元版権のコピーライト表記を入れるというのは正しい使い方ともいえるにょ。
でも、これだと「正式許諾をとったと勘違いしてしまう」という人もありそうだけどこれは
著作権法では引用が認められているため正しい引用方法が用いられているならば問題ないにょ。
正しい引用方法
(1)公表されている著作物であること
(2)引用の目的上、正当な範囲内であること
(3)引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
(4)出典の明示
要するに引用しなくてはならないちゃんとした理由があって引用部分とそうでない部分が
明確に分かるようになっていてどこから引用したのかも明らかにしておく必要があるという
ことにょ。
ただし、この引用の際には文章であれば元の文章から一字一句変えることもできないにょ。
画像の場合はリサイズ以外はできなかったり写真に撮って元の画像と多少色が変わったり
するというのはやむを得ないけど明らかにレタッチを加えたような画像や部分的に改変した
画像(要するにコラ画像)は引用とは見なされないにょ。(そもそもコラ画像そのものが
著作権法における同一性保持権を侵害している)
もっともWebサイトで使う際にリサイズも認めてない場合もあるため引用1つとってもどこまで
許容範囲かは著作権者によって変わってくるにょ。(著作権法では引用は認められている
ためちゃんと条件を満たしておけば自由に引用は可能なのだけどこういう難しい側面もある)
アニメの紹介といって多数のキャプ画像を貼って1行感想を書いて終わりというのはさすがに
引用とは認められないのではないかと思われるにょ。(著作権者に許諾を得ようとしても
公式サイトで紹介している画像以外はNGという対応になる場合がほとんどであるため
著作権者に目を付けられない程度に止めておくしかない)
では、ハイスコアガールの件はどうなのかというと確かにゲームキャラは多く登場している
もののこれは引用の正しい方法をとってないため引用として処理するにはさすがに無理が
あるにょ。
引用ではないためちゃんと許諾を得るか少し名前を変えたりして「単なる似たキャラ」と
して誤魔化すしかないにょ。
多くの漫画では後者のように処理している場合があるけどハイスコアガールでは実際に
実名ゲームが登場するというのが物語上大きなウェイトを占めている(1カットだけ登場とか
いうのならば問題とされることはほとんどないけどSNKのゲームだけでも100カット以上
あるとのこと)ため同人ならともかく商業誌ではさすがに厳しいといえるにょ。
なぜ、許諾をとらなかったのか不思議に思えるけどここに来て新しい事実が発覚したにょ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1408/06/news130.html
カプコン、ナムコ、セガはちゃんと許諾をとっているとのことにょ。
そうなるとうっかりSNKプレイモアに許諾を取り忘れたというわけでもなく許諾をとる
必要性は分かっていたけど何らかの理由によって意図的に許諾をとってないと解釈できて
しまうにょ。
それならばなおのことコピーライト表記の問題が出てくるにょ。
すべて許諾をとらず慣習的に書いたのとは訳が違うからね。
今回の件を受けて「ハイスコアガール」はKindleなどの電子書籍版は販売中止、コミックスに
おいては全巻自主回収となったにょ。
SNKプレイモアの正式許諾を得られるか、何らかの修正を加えてから再発売という形になるの
だろうけどアニメ化も決まっていただけに今後の動向が気になるところにょ。
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