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おちゃめくらぶ掲示板

2161御茶目菜子:2014/07/29(火) 23:44:20
パースにおいて消失点はあまり重要ではない・・・?
パースの教本や講座などにおいてよくありがちなのは「最初に消失点を決めから描きます」
というものにょ。
これは、すでに脳内イメージの段階で消失点が見えている人ならば問題はないけど描きたい
もののイメージができても消失点がイメージできない場合には逆効果になる恐れがあるにょ。
というのも、消失点を安易な場所に決めてそれによって描きたいイメージの方を消失点に
合わせてしまうためにょ。(消失点を最初に決めて描くというやり方は初心者においても
消失点というのがどんなものかを分かってない段階ならば有用なやり方であり、それ自体に
問題はないけど初歩のパース講座ではなく絵の描き方を説明している講座などにおいても
消失点を先に決めるという方法で説明しているものはさすがに疑問を感じる)
では、なぜ消失点というものができるかというとそれはものの大きさというのは距離に
反比例した大きさに見えるためにょ。
平行線というのは常にその線と線の距離、つまり線の間隔は一定だけど見た目の間隔は
目からの距離が2倍になればその間隔が半分になったように見えにょ。
そうなると距離が無限大に近づけばその間隔は0に近づくにょ。
それが消失点にょ。(平行ではない場合は線と線の間隔は距離によって変化するため
消失点はできない)
これに関しては前回のパース講座で書いたにょ。

 パース講座「誰でもできる 奥行きを考えて一点透視で描く方法」
 http://twitpic.com/e74f48

これは横方向だけではなく縦方向であっても言えることで地面と視線が平行な場合
(つまり、一点透視や二点透視の場合)は距離が無限大に近づくほどキャンバス上では
地面と視線の高さ(アイレベル)は近づくにょ。
したがって、(一点透視や二点透視の場合)はアイレベルと水平線はほぼ一致するという
わけにょ。(「ほぼ」なのは水平線が実際は無限遠というわけではなくアイレベルとの
距離が実際にゼロになることはないため)
見える大きさは距離に反比例するというのは誰でも知っていることだけどそれを絵で再現
しようにも絵の中の被写体までの距離が分からないという問題があったにょ。
距離さえ分かっていれば足線法など製図の方法によってその距離に応じた絵を描くことが
できるもののそのためにはあらかじめどの距離から見ているかを考える必要があるため
描いたもの(描こうとしているもの)を元にして距離を考えるというのには向かないにょ。

そこで私が考えたのがキャンバスの一番手前に見える地面の距離を元に考えるという
ものにょ。
これはは三角関数を使えば簡単に求められるもののあらかじめ画角を決めてそれを元に
tan θの値を求めそしてキャンバスのアスペクト比を確定することでようやく距離が求まる
ため普通の人にはとてもオススメできる方法ではないにょ。
ところが、いろいろ値を変えて計算しているうちにキャンバスのアスペクト比が4:3で
対角線画角が45度の時(標準レンズであり、人間が普通に見ているときの視野角に近い
と言われている画角)はキャンバスを横長で使えばアイレベルの4倍、縦長で使えば
アイレベルの3倍にほぼ等しくなることを発見したにょ。(キャンバスのアスペクト比も
アイレベルに対しての倍数も「4」と「3」しか出てこないため非常に覚えやすい)
これは小学の頃に355/113(=3.141592・・・)が円周率に近いことを自力で発見した時と
同じくらいの感動にょ。(笑)

この発見によってこの講座が誰にでもお勧めできる講座として成立が可能になったにょ。
というのもアイレベルが1.5mならば横長で使えばキャンバスの下端にある地面までの
距離は6mになることが確定するからね。
アイレベルの半分の位置の地面にあるものはカメラから12m離れているものということが
すぐに分かるようになったにょ。
逆に言えば12m離れていれば半分ということにょ。
これを一般化して見た目の奥行きがどうなるのかを式で表したのが上記の講座内にある
この公式にょ。

 見た目の奥行き比率=奥行き実寸÷奥の面までの距離

奥行きの実寸が6mのものならば手前までが6mで奥は6m+6m=12mなので6÷12=1/2となり
見た目の奥行きはアイレベルの1/2ということが分かるにょ。
奥行きの実寸が3mならば3m÷(6m+3m)=1/3となり見た目の奥行きは1/3になるにょ。
これは非常に汎用性が高いので一点透視や二点透視を使用する限りはあらゆる場面で使用が
可能にょ。(三点透視は距離を求めるのに三角関数が必要になるため実用になるかは少し
微妙)
これについてはこちらのページで少し解説しているにょ。

 プチコン用 GRP2軸回転プログラムの仕組み
 http://ochameclub.web.fc2.com/petitcom/2rotate.htm#structure


さて、上記の前回の講座は標準レンズのみについて説明しているし、一点透視のみについて
説明しているので広角や望遠の場合はどうするのかとか二点透視ではどうするのかというのが
分からない人もいるのではないかと思うにょ。
そこで、この度それについての講座を書いたにょ。

 パース講座「誰でもできる 広角と望遠を描き分ける方法」
 http://twitpic.com/e90llb

さて、まずは広角レンズと望遠レンズって何なのかという点について書いているにょ。
「広角レンズは遠近感を強調するレンズ」「望遠レンズは遠近感を弱めるレンズ」と解釈
している人もいるけどこれは写せる画角が異なり、写る被写体の大きさが変わるためその
被写体の大きさを揃えようと距離を調整することでその距離に応じたパースになるためで
ありレンズそのものにパースを調整する役割があるわけではないにょ。
同じ場所から撮影すれば広角レンズの中央部分をトリミングすれば望遠レンズで撮影した
ものと全く同じパースになるにょ。(とはいえ、ズームレンズの場合はズームによって
主点が変わるためカメラを三脚で固定していても厳密な意味での同じ場所にはならず
被写体が近距離であればわずかにパースの違いが起きてしまうけど現実のカメラと違って
透視図法を用いた絵ならばそんな心配はないため単純にトリミングしてやれば同じパースに
なる)

奥行き方向のみにパースがかかる一点透視はほぼ感覚で画角を決めるという考え方が圧倒的
多数になっているにょ。
これが二点透視ならば消失点間の距離である程度分かるにょ。
例えば視線に対して45度の角度がついている物体は左右方向の消失点がキャンバスの左右の
端にぴったり収まったとき画角は90度になるからね。(二点透視の場合は物体と視線との
角度で消失点の場所は変化し、0度もしくは90度ならば一方の消失点は無限大の距離になる
ため一点透視となる)
これを一点透視でも使うためには正方形が必要になるにょ。
正方形の対角線は直交するため45度の角度がついた立体(直方体、立方体)の二点透視に
おける消失点と一点透視における正方形の対角線は一致するからね。
それによって、画角90度というのは実は簡単に分かるにょ。

画角90度以外の場合は画角をθとしたとき1/(tan (θ/2))で左右の消失点の距離がキャンバス
の幅の何倍かが分かるにょ。(1/tan θ=cot θなのでcot(θ/2)と表記した方が単純化される
けどcotに対応していない関数電卓も多いためtan表記にした)
2つの消失点の間隔を広くするというのは言い換えると狭い範囲をトリミングするのと同じに
なるため画角が狭くなるにょ。
とはいえ、描くたびに関数電卓を用意して計算というのはあまり初心者にオススメできる
方法ではないにょ。(四則演算ならば抵抗はなくても三角関数になると抵抗がある人も多い
だろうし)
そこで、標準レンズとして描写するならば2.5〜3倍になると覚えておいてあとは望遠ならば
適当に5倍とか10倍とかに設定すれば問題ないにょ。(画角20度ちょうどで描かなくては
ならないなんて機会はほぼないだろうし)

また、この方法はキャンバスを縦長で使っている場合に問題が出てくるにょ。
それは横長で使っていれば水平画角>垂直画角になるため自動的に四隅以外は想定した
画角に収まるのだけど縦長で使用した場合にはキャンバスの上や下も想定した画角を
オーバーしてしまうためにょ。
それか上記講座にある90度の画角を示す円を見てもらえたら分かるにょ。
画角90度になるように左右の対角線消失点が左端、右端になるようにした状態で
キャンバス内にこの6つ連なった正方形をすべて収めた場合にはキャンバスは縦長になって
しまうにょ。
その結果、90度を超えた分に関しては正方形を斜めから見ているのに横の長さよりも見た目の
奥行きの長さの方が大きくどう見ても正方形に見えないような状態になっているにょ。
こうならないためには縦長で使うためには縦方向で同じように地面に垂直に立った正方形で
対角線の消失点を求める必要があるにょ。
極端な例を挙げるならば縦横比3:1の縦長キャンバスにおいて横方向にキャンバスの3倍の
対角線消失点を取ったとしても実際は標準レンズにはならず画角90度の広角レンズに
なってしまうにょ。

それを考えるとパース講座でよく見かけるこの望遠と広角の描き分けというのは実はすごく
おかしいことが分かるにょ。
http://ochameclub.web.fc2.com/CG/lecture/bouen_koukaku.png
(1)が望遠で(2)が広角と書いているけど実は(1)の方は消失点付近をトリミングして使わない
限りは画角60度を超えているにょ。
この描いた四角形をすべてキャンバス内に描画するならば最低に見積もっても28mmレンズ
(普通の広角レンズ)くらいの画角になるにょ。
(2)の方は一般的なカメラ用としては発売されてないレベルの超広角レンズにょ。
対角線の消失点を遠くにすれば想定されるレンズの焦点距離は伸びるけど望遠レンズで
描いたつもりが実は広角レンズだったなんてこともありえるわけにょ。
「(1)が望遠、(2)が広角」ではなくて「(1)は(2)より画角が狭い(もしくは(2)は(1)より
画角が広い)」と書いているならば間違いではないけどね。
したがって、そのためには感覚で覚えるか、上記のような標準レンズだとキャンバス長辺の
2.5〜3倍の距離取るというのを覚えておく必要があるにょ。

しかし一点透視で描くためにキャンバスの幅よりかなり遠くに消失点を取るというのもやはり
面倒に感じる人がいるのではないかと思われるにょ。
そこで、前回の講座が役に立つにょ。
この講座の公式を使えば標準レンズの時のキャンバス上での奥行きの長さは四則演算で簡単に
求まるからね。
キャンバスにぴったり収まるような地面に描かれた正方形ならばアイレベルの0.4倍になるにょ。
一点透視や二点透視の場合は原則としてキャンバスの中央にアイレベルがくるのだけど大きな
キャンバスに描いてトリミングしたと考えれば中央に拘る必要はないにょ。
しかし、その場合はトリミング元となった大きなキャンバスで画角を考えなければならない
ためこの講座では計算を簡単にするため中央に固定しているにょ。
上記の消失点間の距離の場合は縦長だと気を付けないたお想定以上に画角が広くなるという
問題を抱えていたけどこの計算によって奥行きを求める方法であれば縦で使ってもそのような
問題は発生しないにょ。

では、標準レンズでは問題はないとしても画角の描き分けをどのようにするかということが
次に問題となってくるにょ。
この計算式(横長キャンバスの場合はキャンバス下端の地面までの距離はアイレベルの4倍)
においては対角線画角は45度となっているけどこれを指定の画角で描こうとするならばまた
三角関数が必要になるからね。
しかし、この方法では三角関数は必要はないにょ。
この公式における標準レンズは(35mmカメラ換算)52mm相当なのだけどカメラと違い焦点距離
と撮影距離は完全に比例するにょ。(カメラの場合は上記のようにわずかな誤差が発生する)
つまり、半分の距離ならば26mm相当、2倍の距離ならば104mm相当になるというわけにょ。

カメラでの撮影経験があれば○mm相当で大体の画角が分かるだろうけどそういう経験があまり
ない人ならば分からないと考えてしまうかもしれないにょ。
では、画角○度ならばすぐにイメージができるのかというとそういうわけでもないと思うにょ。
建物や風景の写真はネット上を探せばたくさん見つかるけどそういうものには○mmのレンズで
撮影というのはよく掲載されているにょ。
つまり、こんな遠近感で描きたいならば○mmのレンズを使えば良いというのが分かるため
それを元に計算すれば良いというのでカメラ知識は特に必要ではないと言えるにょ。
画角よりも優しく計算も楽という非常に大きなメリットがあるにょ。

でも、逐次全部計算をすること自体が面倒という考えの人もいるかもしれないにょ。
そこで例として用意したのがパースグリッドにょ。
キャンバス一杯に描かれた地面にある正方形を縦横10分割にしたいという場合には
横幅を測って10分割にして対角線を描いた後にその交点から求める必要があるにょ。(これが
二点透視ならば10分割するというのはさらに面倒になる)
しかし、この方法を使えばパースのない普通のグリッドや方眼紙をパース変形するだけで
パースグリッドができるため非常に簡単にょ。(下記のように二点透視でも同じようにでき
非常に簡単)
丁寧にやらないと作図誤差が出てしまうのが難点だけど丁寧にやらないと作図誤差が出る
のはパース分割も同じであるためそれがデメリットにはならないにょ。

パース変形はSAIやPhotoshopなど多くのソフトに搭載されているけどこれをなかなか積極的に
使えないのは画角をコントロールできないためだと思われるにょ。
パース変形は簡単だけどどの程度変形したらいいのかが分からない状態で使ってしまうと
パースが崩れまくったちぐはぐした絵になってしまうからね。
しかし、前回の講座にある公式を使えばそれが自由にコントロールできるにょ。
このパース変形はパースグリッドに使えるというだけではなく上から見た部屋の見取り図を
用意するだけでその部屋のどこから見た絵も簡単に描けるということにょ。
高さが異なる物体が混在している時はその分だけパース変形が必要にょ。
その際は一点透視に限定することなく二点透視であっても全く同様に可能にょ。
部屋の側面はどうするかというとこれは側面図を用意してそれをパース変形すればいいにょ。
それでも、窓枠みたいな突起部分は単純な変形ではカバーしきれないためその部分は少し
描き直す必要があるものの一点透視や二点透視であれば消失点を取ること無しに好きな画角
(正しくは好きな焦点距離のレンズ相当)で自由自在に描くことが可能にょ。

「消失点をちゃんと取って描かないと」と思うかもしれないけど製図をしているわけでは
ないため重要なのは絵としてどうかということにょ。
絵として問題なければ途中の過程なんてどうでもいいことにょ。
ちゃんと消失点を取っても消失点の取り方がまずく見た目に違和感があれば全く意味がない
からね。
もちろん、冒頭に書いたように自然に消失点が分かるような人であれば積極的に使っても
いいけど消失点から直線で引けるのはあくまで直線的な人工物に限ったことだし、広角では
ない場合に限られるにょ。(本来は人間の目では直線で見えてないものを直線で結ぶため
広角になればなるほど違和感を感じてしまうのだけどこれは透視図法は一点透視だろうと
三点透視だろうと簡易的な作図法でしかないので描画したときの画角と見るときの画角を
揃える必要があるため)
画角をコントロールすることで距離比が分かり、アイレベルによって物体の大きさや
見え方が分かるにょ。(私のようなやり方をしない限りは三角関数を使いまくらないと
画角のコントロールは無理であり、「消失点を離せば(遠くにすれば)望遠になる」という
程度の認識だと画角をコントロールできているとはとても言い難い)
したがって、この2つさえ明確に分かっていればパース通りの絵は描けるということにょ。
(パース変形で消失点を取らずに二点透視で描けるのはそのため)
消失点はそれを補助するものでしかないにょ。(本来は平行を出すためのものだけど絵を
描く場合には距離や大きさの判断に使われる機会の方が多い)
これは三点透視になっても基本的には変わらないにょ。




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