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おちゃめくらぶ掲示板

2070御茶目菜子:2014/06/12(木) 03:17:18
アニメ塗り講座の補足
先日書いたアニメ塗り講座のバージョンアップを行ったにょ。
http://ochameclub.web.fc2.com/CG/making.htm
公開した当初は画像での説明は必要最小限のものしかなく文字のみの説明ばかりだったにょ。
やはり、画像を使った方がいいということであった方が良さそうな部分にどんどん追加して
いったにょ。

まずはアニメ塗りで陰影を付ける方法にょ。
アニメ塗りというのは基本的にぼかしは使わないで塗っていくにょ。
人体など大抵のものは曲面で構成されているため陰というのは境目があるわけではなく
なだらかに付いているにょ。
しかし、アニメ塗りでは陰になっている場所とそうでない場所を明確に区切って塗っていく
必要があるにょ。
その1つの目安となるのが光源との角度が90度になる場所にょ。(曲面であればその接点に
おける法線を元に角度を考えればいいので計算によって求めるならばベクトルの外積を使う)
http://twitpic.com/e4wrdx

この理由は簡単でメイン光源との角度が90度以上になるとメイン光源が届かないためにょ。
90度超というとポリゴンでいえば裏側になるわけだからね。
もちろん90度になったからといって急に暗くなるというわけではなく実際はcos θの値で
変わってくるため90度に近くなるにつれて少しずつ暗くなってくるにょ。(環境光の強さにも
影響をするためどれだけ暗くなるかは一概にはいえない)
それでも90度が1つの基準になることには間違いはないにょ。
つまり、アニメ塗りで陰影を付けるというのは物体の形状を把握して90度になりそうな
ラインを感覚で見つけ出すということに他ならないにょ。(すべてを計算によって求める
必要は全くなくてあくまで基準にすぎない)
90度に近くなることで付くのは「陰」の方にょ。
陰影における「影」はメイン光源が遮蔽されている場所にできるにょ。

アニメ塗りが上手くなるためには上手い人の絵やアニメ作品の絵を参考にしていくのが
ベターだけどアニメ塗りでの陰影のデフォルメの仕方を知っておかなくてはその理解も
十分にできないにょ。
例えばこのようによく見かける三日月型の陰影でもいろいろ考えることができるにょ。
http://twitpic.com/e521kz
これもベースとなっているのは90度という基準にょ。
それさえ分かっていればこんな三日月型の陰影だけでもその部分の立体的な形状が分かって
くるにょ。
つまり、変な陰影を付けてないかを自分自身で分かるようになるということにょ。
あとは、シワができるパターンを覚えていけば服のシワをそれっぽく付けるというのは
それほど難しいことではないにょ。(服の場合は関節の動きによって引っ張られて伸びる
場所とたるむ場所が大体決まるのであとは素材の違いによってシワのできやすさを考慮
すればアニメ塗りで素材の差異も表現できる)
つまり、アニメ塗りは立体の理解と光線との向きを把握できているかですべて決まるにょ。


あと考えなくてはならないのは陰影の色選びにょ。
http://twitpic.com/e521yo
アニメ塗りの場合はほとんどの場合は通常レイヤーで自分で選んだ色の組み合わせで塗って
いくため描くキャラが決まっているならばそのパレットを用意していくと簡単にょ。
では、その陰影の色選びだけどこれは上記の90度みたいなある程度の目安になるものは
存在するにょ。
それは基本的に陰影は下地の色(基本色)よりも明度が低く彩度が高い色にした方が
見栄えが良くなるということにょ。(肌の場合は血色が関係するため赤よりの色相に変える
とより良くなる)
RGB均等のグレーを乗算で塗って明度だけを落としてしまうとくすんだ色になるというのは
上記のサンプルで一目瞭然だと思うにょ。
写真に撮ってそれを明るい部分と陰影の部分の色をスポイトでとれば実際は上記のような
ことはないのだけどこれは絵を描くというのは写真と違って自分のイメージを表現するための
ものであるため実際の色と同じにする必要はなく見栄えの良くなる色を選んで問題はない
と思うにょ。

基本的に影というのはメイン光が届かない部分にできるのだけどあくまでメイン光が届かない
というだけなので真っ暗にはならないにょ。
というのもこれは環境光があるためにょ。
環境光によって陰影の部分が真っ暗にならないというだけではなくその環境光の強さや色に
よって影の部分の色も変化するにょ。(メイン光が当たっている部分にも環境光は影響する
けど相対的に影響は小さくなる)
したがって、光源の間逆が最も暗くなるかというと実際はそうではなく環境光の影響が最も
強くなっている分だけ明るくなるにょ。
そして、環境光によって陰影の中にさらに陰影ができるにょ。
2影を作る場合にはこの辺を考えておく必要があるにょ。


シワの塗り方は特例だけ挙げても仕方がないので一般論のみを描いたけどやはり重要な部分は
実際の例を挙げて説明しなくてはならないと感じたにょ。
キャラ絵(特に萌えキャラ)を描くならば目が非常に重要にょ。
といっても、アニメ塗りの場合はそれほど難しくはないにょ。
http://twitpic.com/e552ok
目は描き手の個性が最も出る部分なので他人の真似というのはベターな選択とはいえない
けど塗り方というのも実際のところ構造を理解した上で自分なりのデフォルメ方法をとって
いるのと構造を理解せずいい加減に描いているだけなのとでは雲泥の差があるにょ。
アニメ塗りにおける目は非常にシンプルであるが故に目の構造の理解は容易にょ。
とはいえ、基本的に目線さえ合っていれば大抵は問題はないにょ。
個性が出る部分だから他人の真似はダメだという単純なものでもなくて版権キャラならば
ハイライトの入れ方などはそれに準じて描くというのも1つの選択としては正しいと思うにょ。

そのハイライトだけど多くの場合は光源の色や形が反映されるにょ。
目の場合はほぼ白に近い色で問題はないし、その形も個性として考えれば別に気にしなくても
良い部分ではあるにょ。
実際に写真に撮るときは四角のハイライトや星形のハイライトを目に入れるためにはそういう
形のレフ版を使えば簡単に実現できるにょ。
瞳孔の大きさは周囲の明るさで変わってくるにょ。
瞳孔の奥には水晶体があり、そこでの反射も起きているにょ。
そのため上記の例のような瞳孔は均一で塗りつぶすというのも1つの方法としてはありだけど
瞳孔の下の部分のみ暗い色を付けて瞳孔の内部は明るくするというのはそれも1つの方法と
しては正しいにょ。
虹彩の色や明暗は環境光や角膜での反射の影響を受けるため基本的に下半分くらいを明るい
色にすればいいという感じでこういう風にしなくてはならないというわけでもないにょ。


萌えキャラを描くならば髪の毛も目と同じくらい重要にょ。
http://twitpic.com/e552xd
髪の毛で最も重要な部分はどこから生えていてどこに向かって流れているかということにょ。
それが分からないとそれっぽい塗りをするのさえ難しいにょ。
ここでまず必要になるのは光源の向きの設定と上記のように90度を目安とした陰影にょ。
「陰影というのは光源の逆にできる」という程度の理解だと右に光源があったら左側は
すべて影の色をべた塗りになってしまうにょ。
陰影ができる大ざっぱな場所さえ分かればそれっぽい形の陰影を入れていくだけにょ。

それっぽい陰影というのが難しいかもしれないけどそれは髪の毛の流れにそって入れていく
だけなので流れさえ理解していれば難しいことはないにょ。
あとは均等ではなく陰影の線の幅は意図的に不揃いにするくらいの方がそれっぽさがアップ
するにょ。
明るい部分に所々少しだけ陰影を入れるのは髪の毛というのは整った髪の毛でも段差ができて
しまうためにょ。
それを線として表現する場合もあるけどそうではない場合も塗りによってこうやってちょっと
した陰影を付けることで上記の布に置ける三日月型の陰影のように脳内で立体として補完する
ことが可能になるにょ。(アニメなどで服のシワの陰影を見て身体の向きによって変化する
模様が付いていると思っている人はさすがにいないと思う)

髪の毛の陰影をそれっぽく入れるのは簡単だけどハイライトは少しだけ難しいにょ。
以前も書いたようにハイライトというのは光源が反射した状態のものにょ。
それが観測者の目で確認できればハイライトと認識されるにょ。
鏡面反射の場合は入射角と反射角は同じなので観測者の目の位置(カメラの位置)と光源の
位置と髪の毛の向きさえわかればハイライトの位置は計算によって求めることが可能になって
くるにょ。(ハイライトは「一番明るい場所=光源の入射角が0度になる場所」に入るという
イメージを持っている人がいるけど上記のように光源が写り込んだものがハイライトである
ためカメラと光源の向きが等しくない限りは一番明るい場所からはずれた場所にハイライトは
入る)

ただし、単純に「入射角=反射角となる位置」というのはあくまで鏡面反射の場合にょ。
髪の毛は表面上にあるキューティクルの影響を受けている異方性反射であるためハイライトは
それによって縦に伸びたものになるにょ。
したがって、大ざっぱな位置は分かるけどハイライトの大きさや形は髪の毛1本1本のデータを
用意してそれに異方性反射のパラメータを与えてシミュレートするなんて人間の手によって
計算を行うのは不可能になるにょ。
だから、ハイライトはそれっぽく描くだけでいいと思うにょ。
それっぽくハイライトを入れるためにはすでにそれっぽく描いているであろう陰影に合わせて
やればいいだけにょ。
もちろん、目の中のハイライトのように好きな形で髪の毛のハイライトもデフォルメして
描いたとしても絵としては間違っているわけではないけどハイライトは陰影と同じく髪の毛の
流れに沿っている方が自然な感じになるにょ。


ハイライトの位置や形などは講座内で触れているけどハイライトの色については言及して
いないにょ。
本来であればハイライトは光源の色が強く出てそれに下地の色が加わったものになるにょ。
例えば光沢のある赤い物体に白色光を当てた時にはハイライトは限りなく白に近い赤に
なるにょ。(反射率が100%で環境光の影響を考えない時には光源の色になる)
その物質の素材や反射率などが分からないと正確なハイライトの色は分からないにょ。
とはいえ、はっきりとハイライトの形が認識できるレベルの反射率の物体ならばほぼ光源の
色になるといっても過言ではないにょ。(これはハイライトは鏡面反射によって発生し光源に
含まれるすべての色が反射しているし、ハイライト部分は環境光による影響が小さいため)
そのため青色の光源だとハイライトの色は青になるにょ。
しかし、そういった特殊な光源下ではハイライトだけではなくすべての部分に影響が出るにょ。
太陽光など白色に近い光源下において赤く見える物体というのは赤を示す波長の長い光を
主に反射して青系の波長の短い光をほとんど吸収してしまうため「赤く見える」という
だけにょ。(絶対的な赤い物体というものは存在しない)
それは表面付近で乱反射が起きているためそうなっているにょ。
赤い物体に青色光を当てると赤と青で紫に見えると考えてしまう人もいるかもしれないけど
上記のように赤い物体は波長の短い光はほとんど吸収してしまうた光源からの光はほとんど
吸収されて黒に近い青に見えるにょ。(実際は青い色の光源でも蒼を中心にした広い波長の
光を含んでいるし、赤いリンゴは赤を示す波長の光しか反射しないというわけではなく青い
波長の光もわずかながら反射するため黒っぽくなっても黒になることはない)

つまり、白色光以外の光源下では光源の色が素直に出る(他の要素がほぼ省略可能となる)
ハイライトと違って物体の色の方が光源のスペクトル分布を考えないといけない分だけ遙かに
難しいにょ。(白色光だからといって均等なスペクトル分布というわけではなくそれに偏りが
あるため同じ物体を別の白色光で見たら微妙に色合いが変わってしまう)
赤い色に青い色を重ねたら黒くなるようにしたいというのであれば光源色のレイヤーを
乗算で重ねたらその通りになるにょ。
白いハイライトはちゃんと青くなっているもののイメージとは少し異なるものになって
いるにょ。
これは純粋な青い波長のみの光を当てるという機会なんてないため違和感があるのも当然
だし人間の目は補正が加わるので計算通りの色には感じないにょ。(これは単純にRGBのみで
色設定を行う3DCGにおいても同じことが言える)

つまり、計算によって作られる色とイメージによって作られる色は分けて考える必要が
あるにょ。
計算によって作られる映像は現実とも違うしイメージとも変わってくるので3DCGを盲信する
というのは良くないにょ。
ただし、イメージと違うかイメージ通りかは明確なイメージ化ができてないと難しいため
まずは多くの絵や写真などを見て自分の中でのイメージを作る訓練も重要になってくると
思われるにょ。

一般的な太陽光や家庭用照明の元でのハイライトを考えるとアニメ塗りの場合はそこまで
リアルに色を決める必要はないにょ。(上記の陰影の色も明度を下げて彩度を上げるという
のはリアルにするためではなく見栄えを重視した色にしたわけだし)
アニメ塗りであれば一般的な照明であれば目のハイライトは白っぽい色(RGB=255,255,255の
ような完全な白にはしない)、髪の毛のハイライトは下地の色の明度を上げた色にするのが
「見栄え」という点においてベターにょ。(髪の毛と目でハイライトの色の付け方が異なる
のは目と髪の毛の反射率の違いをデフォルメしたものと言える)
白色光以外の特殊な光源下だとそれっぽい感じに仕上げればいいのではないかと思うにょ。
その辺のデフォルメがアニメ塗りの楽しさであり、難しさとなっているにょ。(リアルにする
だけならカメラで撮影するなり十分なパラメータを与えて3DCGを作ればいいけどこれも人間の
見た目に近くするにはかなりの修正が必要になる)


結局何がそれっぽいかは自分の目を鍛えるしかないにょ。
リアルで見るというだけではなくデフォルメされたものも見てそのパターンを覚えていって
これは自分の好みというのを見つけ出すことが重要にょ。
それは真似て描けというわけではなくあくまでそれを元に自分の絵としてやればいいだけの
ことにょ。(真似になるのが嫌だからどれも参考にしないというのは無駄な行為)
私自身も数多くの人の絵を参考にしてそれを自分の中で昇華して物理、数学などをミックス
してなぜそのように描くのかという理論として確立したのが今回書いたようなものにょ。
もちろん、これで完成というわけではなく今回書いたことは数年後には変わっているかも
しれないにょ。(理論が同じでも同じような絵になるというわけではない)
しかし、まだ自分の中でこうやって描くというのが十分に確立できてない人の何らかの参考に
なれば良いと思っているにょ。

今回でアニメ塗りで図示すべきものに付いては粗方説明できたと思うにょ。
実際アニメ塗りは非常にシンプルだけどデフォルメしている部分が多いため詳しく説明する
ならば理論がどうしてもメインになってしまうにょ。(見たままの陰影を描けというわけ
にもいかず、陰影の閾値が初心者にとって大きなハードルとなっている)
あとは、パースに関してだけどこれはパース講座として改めて書くつもりなのでこのアニメ
塗り講座内では書く予定はないにょ。
パース講座は構想だけは出来ているけど一点透視図法だけでもかなりの量になっているため
三点透視まですべて説明しようとすればとんでもない量になってしまうにょ。
私が独自で考案した理論がメインなのでパースの教本ではあまり書かれてないような内容に
なる予定にょ。
一点透視では簡単に奥行きの目安をとる方法とか適切な視円錐などについて書く予定にょ。
一般的なパース教本だと視円錐の説明に立方体を用いることが多いけど私は球で説明するにょ。
そうすることで適切な視円錐という存在そのものについて言及が可能になるにょ。
そして、透視投影図法で多くの人が抱えている間違っている点なども書く予定にょ。(例えば
広角レンズで描いたら歪んでしまうのではなく実はそれは鑑賞方法が間違っているだけ)
書きたいことはたくさんあるけど内容が膨らみすぎてなかなか筆が進まないにょ。
twitter上で書いた簡易パース講座を読めば私が何を書こうとしているかは粗方分かるのでは
ないかと思うにょ。
http://ochameclub.web.fc2.com/CG/lecture.htm#perspective




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