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おちゃめくらぶ掲示板
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画素数は少ない方がいい・・・?
ソニーがフルサイズのミラーレス「α7S」を国内で発表したにょ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20140516_648582.html
一見すると昨年発売されたα7のマイナーバージョンアップに見えるにょ。
◎Eマウントのフルサイズミラーレスが登場!
http://6407.teacup.com/ochame/bbs/4094
α7が2430万画素、α7Rが3650万画素だったけどこの度発表されたα7Sでは最新のセンサーが
採用されておりその画素数は1220万画素に減っているにょ。
α7と比べると半分、α7Rと比べると3分の1しかないにょ。
このように書くと「高画素=高画質」と思っている人にとっては理解不能になってしまうかも
しれないにょ。
同じセンサーサイズで画素数が減るということは1画素あたりの受光量がそれに比例して増える
わけなので高感度の画質においては有利に働くにょ。
そのためα7Sでは最高感度がISO409600まで設定可能になったにょ。
ISO409600といっても全く見当が付かないという人もいるかもしれないにょ。
カメラ用語では2倍の差を1段の差(要するに2を底とした対数で考えたもの)で表されている
けど多くの機種で基本感度となっているISO100と比べるとISO409600というのは12段の差と
なっているにょ。
○○段の差というと相対表記になるけど絶対表記としてはEV値があるにょ。
例えば晴天時の日中屋外の露出はISO100で1/250、F8程度だけどこれはEV14になるにょ。
EV値はISO100で1秒、F1になる時の値が0になっていてそれから1段明るいと1ずつふえて
いくにょ。(ISO100ならば1/1000秒、F4も1/60秒、F16も同じEV14)
これからするとISO409600という感度はEV2の明るさの時でさえISO100でEV14(日中屋外)で
撮影するのと全く同じシャッター速度と絞りが使えるということにょ。
EV2というのは一体どれほどの明るさなのかといっても分かりにくいにょ。
例えば夜間に室内に付いた30Wの蛍光灯で照らされた床の露出をデジタル一眼(K200D)の
内蔵露出計で測ってみたらISO100では1秒、F5.6だったにょ。
これはEV5の明るさにょ。
ISO409600に設定すればこれよりさらに8倍暗い環境で日中屋外での撮影と同様に撮影可能で
あり、超望遠レンズ(F5.6〜F8くらいの暗いレンズ)を手持ちで撮影して高速に動作する
被写体を1/8000秒の超高速シャッターで捉えることが可能になるにょ。
といっても、一般家庭の室内でそんなことをする機会はまずあり得ないし、さらに言えば
蛍光灯を点光源と見なせば距離の2乗に比例した明るさ(暗さ)になるため立っている人の
バストアップを撮影するならば露出はEV7くらいになるためEV2とは5段も変わるにょ。
これは晴天と暗い曇天と同じくらいの差にょ。
それにポーズを取っている人物など静止しているような被写体ならば室内の蛍光灯レベルの
明るさであればISO1600くらいで普通のズームレンズのF値でも手持ち撮影が出来てしまう
ためわざわざISO409600なんて使う必要はないからね。
別の例を出すと例えば満月の時の月明かりの明るさを考えてみるにょ。
これならばどこに住んでいる人でも明るさはイメージできるのではないかと思われるにょ。
満月の明るさは等級で表すと-12.7等級、太陽が-26.7等級でその差は約37万倍にょ。
単純計算で月明かりは日中屋外の37万分の1の明るさということになるにょ。
これは、18.5段分に相当するにょ。
これから考えると(満月の時の)月明かりはEV-4.5程度と推測されるにょ。
ISO409600はISO100と比べて12段分の違いであるためISO100でEV7.5の明るさと同じ絞りと
シャッターの組み合わせが選べるにょ。
EV7.5というと明るい照明で照らされた室内並の明るさにょ。(室内の明るさはEV6〜8程度
と覚えておくとよい)
ISO409600というのはそれくらいの感覚で月明かりの下で撮影できるにょ。
もちろん、撮影された写真は日中屋外の露出を基準としているためぱっと見た感じでは
日中屋外で撮影したものと同じ明るさで写るにょ。
絞りとシャッターの組み合わせの一例を挙げると1/15秒、F3.5になるにょ。
特別明るい単焦点レンズを使ったりせずにズームレンズでも月明かりのみで手持ち撮影が
可能で真昼並の明るさで写せるといえばISO409600というのがどれだけすごいかが分かると
思うにょ。(ISO102400という当時は化け物みたいな感度で撮影可能なD3sが登場時にも
月明かりで手持ち撮影が可能と書いたけどあの時はF1.4クラスの明るい単焦点レンズで
計算していた)
メーカーのプロモーション用の動画では1/50秒、F2.8で撮影したものが公開されているにょ。
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201405/14-0516B/
この動画ではISO1600では真っ暗だったのが徐々に明るくなっていきISO409600ではかなり
鮮明な明るさになっていて高感度の威力が絶大であることをアピールしているにょ。
この動画は露出から考えると上記の月明かりとあまり変わらないレベル(1/15秒、F3.5と
いうのは日中並の明るさで撮影できる組み合わせであるため)となっているけどそうなると
外光と比べてたき火が明るいためその照り返しの光がないというのは不自然であり、この
撮影時の環境は外光がたき火よりも明るいと考えられるにょ。
そうなると明け方にNDフィルターを使って撮影したというのが濃厚にょ。
しかし、ISO409600という超高感度は月明かり並の明るさでこれくらい撮れるという事実
には変わりはないにょ。
さて、いくら画素数が1200万画素しかないといってもさすがにISO409600では画質面で無理が
あると考えている人も多いと思うにょ。
動画であればフルHDで200万画素程度であるためそこまで高解像度でなくても気にならない
けど4Kだと約800万画素相当だし(α7Sで4K動画には対応しているものの発熱の問題がある
ためか本体だけでは撮影はできない)、静止画ならばセンサーの画素数である1200万画素で
撮影可能であるため気になる可能性が高いにょ。
センサーサイズが大きいほど高感度時の画質においては有利なのだけどフルサイズセンサー
と普及型コンデジに使われているセンサーを比べると約30倍の面積の違いがあるにょ。
確かに30倍というのは大きい(CPUで30倍の差といえば4コアのBayTrailコアのAtomと12コアの
Xeonくらいの差)けど露出でいえば5段分でしかないにょ。(最近はコンデジでは裏面照射
CMOSセンサーが主流になっているから面積にほぼ比例して計算ができるけど以前までの
CMOSやCCDでは表面に配線があり、開口率が低かったためセンサーサイズよりもさらに大きな
差があった)
単純に計算すればフルサイズセンサーを搭載したα7SのISO409600は普及型コンデジの
ISO12800程度の画質になるということにょ。
そう考えれば画質面ではかなり厳しいものに思えてくるにょ。
とはいえ、コンデジも縮小前提で見ればISO12800もそれなりに使えるレベルにはなって
いるにょ。
私が持っているWX100をISO12800に設定して撮影した写真がこれにょ。
http://ochameclub.web.fc2.com/test/wx100_iso12800.jpg
フルサイズセンサーを搭載したα7SはISO409600であっても計算上はこれと同等以上の画質を
得ることができるというわけにょ。(WX100は1800万画素であるためISO409600に設定した
1200万画素のα7Sと比べて単位時間における1画素あたりの光量は少ない)
これを非常用として見ても使える否かは分かれるところだけど上記のように月明かりのみで
手持ちでこれくらい撮れるならばすごいと感じるだろうし、ISO409600で撮影しなくても
高感度の画質に優れていれば従来よりも躊躇無くISO12800とかISO25600とかも使えるように
なるため有用になってくるにょ。
月明かりとは行かなくても薄暗い撮影においてフラッシュが使えない場所(使ったら
雰囲気が崩れる場所)でシャッター速度を稼ぎたいという場面はいくらでもあるため
高感度画質に優れるということは決して無駄なことではないにょ。
同じ画素数でセンサーサイズが違えばそのサイズにほぼ比例して高感度の画質の優劣が
決まってくるのだけど問題は同じセンサーサイズで画素数が異なる場合にょ。
同じセンサーサイズで画素数が半分になれば高感度が2倍良くなる(2400万画素でISO25600
と1200万画素でISO51200が同レベルになる)ということには単純にはいかないにょ。
センサーの世代が異なれば2倍くらいになる可能性はあるけどほとんどの場合は画素数を
半分に落としても2倍には満たないレベルの差しかないにょ。(コンデジ用の極小センサーと
違ってフルサイズの場合は元々センサー面積において配線部分の面積が小さいため画素数を
減らしてもそこまで開口率が上がらない)
それはピクセル等倍での比較ではなく同一サイズで比較する必要があるためにょ。(ピクセル
等倍で比較すれば同一世代、同一サイズのセンサーであればほぼ高感度の画質は画素数に
ほぼ比例したものになり、計算上2400万画素のISO12800は1200万画素のISO25600とほぼ
同じになる)
同じサイズで比較すれば画素数が多い方が拡大率を抑えられる分だけノイズが目立ちにくく
なるにょ。(この書き方にも語弊があり、S/N比そのものは変わらないけどノイズの発生する
要因とリサンプルによる影響も考える必要があるため)
そもそも、「高画質」の定義は何かというと人によって変わってくるけどやはり高解像と
いうのは重要な要素の1つではないかと思われるにょ。
高解像を実現するためには高画素である必要があるにょ。
もっとも、この画素数が多くても解像しないのならば意味がないにょ。
適切な画素数というのは絶対的な基準はないもののコンデジにおいてはすでに完全に画素数
そのものがオーバースペックになっていて画素数がいくら多くても解像しないため無意味に
なっているにょ。
私は2000年代半ばからコンデジの高画素化には疑問を抱いていたにょ。
2007年2月24日には「700万画素のデジカメは必要か!?」ということで普及クラスの
コンデジで700万画素はほとんど意味がないということを書いたし、2010年4月14日には
それが2倍の1400万画素にまでなったため「ついにコンデジはデジタル一眼を越えた!
(画素数で)」ということを書いたにょ。
◎ついにコンデジはデジタル一眼を越えた!(画素数で)
http://6407.teacup.com/ochame/bbs/2404
それからもコンデジの画素数は増えていき2012年には1800万画素にまで達しているにょ。
普及型コンデジに使用されている1/2.3インチの極小センサーでも明るく(望遠端でF2.8以上)
無収差(理論上の解像力がある)のレンズを搭載しているのあれば1800万画素でも問題ない
けれど実際はそんなレンズを搭載するのは不可能にょ。
したがって、普及型コンデジでは1000万画素を超えてしまうとオーバーサンプリングを考慮
しても無意味になるにょ。(例えば1/2.3インチセンサーを搭載した1800万画素のコンデジが
1000万画素のものより細部まで解像するかというと実際はほとんど同レベルでしかなく
場合によっては1800万画素の方が解像しなくなることさえある)
私の計算上では一般的なデジカメに使われているレベルのレンズ(125本/mm程度を想定)だと
1/2.3インチセンサーでは700〜800万画素あたりが限界でそれを超えても有意的な差はないにょ。
現在使っているWX100は特に「高画素化の無意味さ」が顕著にょ。
デフォの1800万画素ではピクセル等倍では塗り絵状態(デジタルズームで無理矢理拡大した
ような感じ)で見るに堪えられないため普段は1800万画素モデルなのに500万画素モードで
撮影しているにょ。
こうすることでピクセル等倍でもそれなりに見れるレベルになるし、なおかつ軽くなるという
ことで一石二鳥にょ。(500万画素で撮影したものを1800万画素にリサイズしても見た目では
ほとんど差が無いレベル)
画素数が増えてもユーザーの手によって適切な画素数で撮影すれば問題ないけどそうなると
1800万画素というのはただの飾りでしかないということになるにょ。
A4サイズならば700〜900万画素あれば十分(これで250〜300dpiでプリントできるためインク
ジェットプリンタでプリントするならばこれ以上は不要だし、現実的にはA4プリントしたものを
間近でじっくり見るということはなく少し離れて全体が見えるような位置で鑑賞することを
考えると500万画素くらいあれば十分)でそれ以上はさらに大伸ばしする場合かトリミング
する場合のみ有用だけどいくら画素数が多くても解像してないからトリミングにも使えない
ため無意味にょ。
これがセンサーサイズが大きくなれば変わってくるにょ。
1/2.3インチセンサーで800万画素までは実用になると仮定すれば1インチセンサーならば3200万
画素になるにょ。
1インチで2000万画素というのは多すぎると感じるRX100シリーズだけど1/2.3インチに換算
すると500万画素になるため十分使えるレベルになるにょ。
これがフルサイズだと面積が30倍くらいなので1/2.3インチで800万画素が実用になるならば
2億4000万画素が実用になる計算にょ。
実際はセンサーサイズが大きくなる(イメージサークルが大きくなる)と明るいレンズが
作りにくくなるし、解像力を上げるのが難しくなるため単純に比例するというわけではない
けど高画素でも十分使い物になるというのは事実にょ。
実際3600万画素のニコンD800Eも従来の2400万画素機と比べて解像感に優れていると評価
されているわけだからね。
これが小さなセンサーを搭載したコンデジでそんな画素数を搭載したら「全く無意味」と
いう批判しか出てこないと思うにょ。
1000万画素に達する前までは画素数のみをウリにしても十分にやっていけたにょ。
(オーバーサンプリングを込みで考えた場合に)レンズの解像力に余裕があった頃には
確かに画素数が増えることで解像感が増していたためユーザーへの買い換えの促進にも
繋がっていたにょ。
しかし、画素数のアップが画質向上に繋がらないと多くのユーザーが気づき始めたにょ。
これは当然メーカー側も分かっていたことで5年前には高級コンデジに使われている1/1.7
インチセンサーにおいては前モデルが1400万画素だったのに新機種では1000万画素画素へと
減らすことでメーカー側が画質アップをアピールをし始めたにょ。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0911/24/news032.html
今でもなお「高画素=高画質」と考えている人は少なからずいるけど買い換えてもそれほど
変わらないということに気づいたり、現状所持しているコンデジで満足したためかコンデジの
買い換えは減少の一途をたどっているにょ。
もちろんそれだけがコンデジが売れない原因ではなくスマホのカメラ性能がアップすることで
普及型コンデジと同レベルの画質になったことで安価なだけのコンデジは売れなくなってきた
ということにょ。(スマホとの共存を考えて最近はWi-Fi搭載のコンデジも増えているけど
安価な入門機は薄利多売前提なのに数が売れないため多くのメーカーが撤退を考えている)
つまり、コンデジを売っていくためには防水とか高倍率ズームとか高画質とかをウリにする
必要があるけど高画質は普及型に使われている1/2.3インチセンサーではスマホとは差別化が
できないため近年は各社ともに高級コンデジやレンズ交換式のミラーレスカメラに力を入れて
いるにょ。
コンデジはもはや高画素化は無意味となっているけどそれよりも30倍も大きなフルサイズ
センサーを搭載したものであれば上記のように高画素化の恩恵はまだまだあるにょ。
そんな中でこのような1200万画素という今となっては少ない画素数で発売したのは他の機種と
差別化するために高感度時の画質を重視しているためだと言えるにょ。
これでフルサイズセンサーの画素数競争は終焉を迎えたなんていうことはなく高画素化は
まだまだ続くけどこういったそれによって画素数を減らして高感度を重視するというやり方も
出てきたというだけの話にょ。
フルサイズセンサーの価格はこれからもどんどん下がっていくと思われるけどそれによって
さらに需要が拡大されていくにょ。
そうした時には高画素タイプ、高感度タイプ、バランスタイプといったようにバリエーション
モデルがラインナップされていくと思うにょ。
というか、α7シリーズもすでに高画素(α7R)、高感度(α7S)、バランス(α7)と
ラインナップがほぼ完成されているしね。
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