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おちゃめくらぶ掲示板

1638御茶目菜子:2013/07/18(木) 23:59:47
ついに二次創作がグレーからホワイトに!?
漫画家の赤松健さんが中心となった二次創作同人誌を即売会の時に認める「同人マーク
(仮)」のプロジェクトがスタートしたにょ。
http://commonsphere.jp/archives/286
このプロジェクトの背景にあるのはTPPによって著作権法の非親告罪化が導入される恐れが
あるということが挙げられるにょ。
二次創作というのはグレーな領域ではあるものの著作権法は現状では親告罪であるため
基本的に著作権者の訴えがない限りは問題ないけどそれが非親告罪化してしまうと著作権者
とは全く関係ない第三者の通報によって逮捕される恐れが出てくるためにょ。
そうなると創作活動自体が萎縮されてしまい業界にとっても都合が悪いにょ。
日本においてここまでアニメや漫画などの絵による創作文化が進んだのも多くのファンが
それを支えてきたためにょ。
裾野は大きければ大きいほど頂上も高くなるため日本は世界でも類を見ない漫画大国と
なっているにょ。

ここで、「二次創作は著作権侵害を著作権者に黙認されているだけであって犯罪行為だから
逮捕されてもおかしくはない」と考えている人も一部に見られるけどこれは根本的に間違い
といえるにょ。
「どういう理由で著作権法の第何条に抵触するのか」ということで重要だけど上記のように
犯罪呼ばわりする人は「(何となく)著作権侵害をしている」という程度の認識しかないため
このような間違いになってしまいがちであるといえるにょ。
そのために知っておく必要があるのは下記の3つの事柄にょ。

 (1)著作者の権利(著作者にはどのような権利があるのか)
 (2)二次創作の立場(二次創作とはどのようなものを指すのか)
 (3)親告罪について(親告罪の意味)

これら3つに関しては昨年1月19日に詳しく書いたのでそれを参照してほしいにょ。

 ファン活動に現金は厳禁
 http://6407.teacup.com/ochame/bbs/3063

簡単に言えば著作権というのはどのような創作物であっても発表した時点で発生するもの
だけど「思想又は感情を創作的に表現したもの」となっており、何らかの個性がないと
それは保護されないにょ。
デッドコピーである「複製権」の侵害や無許可でネット上に流す「公衆送信権」の侵害
などが著作権侵害としては多く行使されているけど二次創作の場合はどちらにも該当は
しないにょ。
二次創作が複製権の侵害ではないのは多くの二次創作はデッドコピーではなく作者の手に
よる創作性が含まれているためにょ。
最高裁でもキャラクターの著作物性は否定されており、そのキャラを描くということ自体は
何ら問題はないにょ。
ただし、漫画やアニメのワンシーンをそのまま描く(模写もしくはトレス)という場合には
創作性がなく複製権の侵害となる恐れがある(著作権法では「トレスなら問題だけど模写
だから問題ない」ということはない)ため注意が必要にょ。(有償頒布すれば刑事告訴の
可能性が高いけど無償で公開しているファンアートならばそれほど気にする必要はない)
したがって、二次創作で特定のキャラを描くというのは犯罪でも何でもないので上記の
「二次創作は犯罪行為である」というのが根本的な間違いであることが分かるにょ。

ただし、刑事告訴(犯罪)はなくても民事訴訟(損害賠償請求)の恐れはあるにょ。
そのため明らかな営利目的でキャラを利用したり、そのキャラのイメージを損ねるような
行為を行えば民事訴訟の可能性はあるということにょ。(著作者人格権における同一性
保持権の侵害に相当し、これは刑事告訴は極めて難しいため普通は民事訴訟となる))
その線引きは第三者には難しいため著作権法は親告罪になっているにょ。(要するに関係の
ない第三者がとやかくいう話ではないということ)
同人誌「ドラえもん最終話」のように絵柄も装丁も原作コミックスに近いものになっていて
さらに頒布部数も極めて多くユーザーからの誤解も多く招いたことで訴訟となったわけ
だけどこれがキャラが全然似てなかったり、部数も全然売れてなかったり(営利目的とは
見なされない)した場合には訴訟を行うことはまずあり得ないにょ。
どこまで似ていたら問題かというのは線引きができないわけだしね。
緑髪ツインテールだったら初音ミクであると見なすのはさすがに無理があるにょ。
(商標登録されたものを除き)キャラ名そのものには著作権はないため作品中でキャラ名を
出したら問題になるというものでもないにょ。(あくまで著作権者の動向次第となる)


このように二次創作は刑事告訴の対象にはならず、著作権侵害の場合はほぼ100%民事訴訟と
なるにょ。(ポケモン事件のように本来は二次創作ではあり得ない「複製権侵害」で告訴
されるという例外もあるため一概には言えない)
そもそも「二次創作=著作者にとって損害」というわけではなく二次創作そのものは作品の
人気のバロメータとなるため二次創作を撲滅することは作品の人気の低下に繋がり兼ねない
ということにょ。
つまり、「二次創作を撲滅」ではなく「悪質なもの」(著作権者にとってマイナスの方が
大きいと感じるもの)のみを無くすということが求められるにょ。
そうなると著作権者がどこまで許容できるかはやはり営利か非営利かが非常に重要になって
くるにょ。(R-18においてはまた話が変わるためここでは省略する)

 (a)無償で行うファンアート
 (b)イベント頒布のみの同人
 (c)ショップへの委託販売の同人

(a)が著作権侵害として訴訟対象になることはまずありえないにょ。
(b)はいわゆるグレーゾーンと呼ばれているものにょ。
イベント頒布のみだとほとんどのサークルが赤字(売上から頒布のための費用を引いたら
利益が出ない)であり多くの場合は著作権者によって黙認されているにょ。
(c)はかなり黒よりのグレーゾーンにょ。
頒布部数が多くなったり、頒布されるエリアも広くなるため影響力が大きくなるので訴訟
対象になる可能性が高くなるにょ。

ここで冒頭に書いた「同人マーク(仮)」のプロジェクトについて見てみるにょ。
これが何を意味するかというと従来はグレーだった(b)を事実上ホワイトにする(著作権者が
黙認を公言)ということにょ。
(c)も黙認にはならないのは実質商用流通といえるようなものまで黙認することになってしまう
恐れがあるためにょ。((c)も黙認するような同人マークも導入するらしいけど)
同人の本来の考えからすれば(b)が健全な姿であり、(c)が当たり前になっているような現在の
あり方は健全とはいえないためやむを得ないにょ。(頒布部数で明確な線引きも難しいし)
大手出版社は軒並み二次創作に関しては反対の意向を示している(小学館や芳文社のように
自社サイトに明示しているものもある)けどこれも実際のところは「やりすぎないように
しろ」という警告でしかないにょ。
ファン活動は問題ないけど営利活動は認めないというだけのことにょ。(どの辺から営利活動
とみなすかは具体的な線引きが難しいためあやふやな文面にしている)

TPPによって著作権の非親告罪化が導入されたら同人そのものの衰退もあり得るためその場合の
最後の手段としてこの「同人マーク(仮)」は非常に大きな意味があるにょ。
二次創作ではなくオリジナルを描けばいいと考える人もいるかもしれないど緑髪のツイン
テールの例のようにオリジナルと二次創作の線引きは難しいわけだし、自分が好きなキャラの
好きな話を描くというのが創作活動においては大きなエネルギーとなるためにょ。
いきなり、オリジナルを描くというのはハードルが高くしかも手にとってもらえる機会が
少ない(pixivでもオリジナルキャラと版権キャラの閲覧数が大きく異なるのを見ればこれは
容易に理解できると思う)ということでよほどオリジナルで描きたいものがない限りは
オリジナルのみを描き続けるのは難しいと思われるにょ。(儲かる必要はないけど自分が
描いたものを多くの人に見てもらいたいというのは誰しも思うことなので)
つまり、二次創作は同人の裾野を広げるため必要なものといえるにょ。
いきなりオリジナルで描くのは難しいけど画力や話を作る力が付いてからオリジナルで
描きたいものがあればオリジナルを描くという選択肢もあるにょ。(商業誌で描いている
プロ漫画家の人も二次創作の同人誌を描いた経験のある人は非常に多い)

問題はこの「同人マーク(仮)」がどこまで普及するかということにょ。
これは著作権者(出版社ではなくその作品の作者)が黙認するということをアピールする
ためのマークであり、ユーザーに不利益は全くないのだけど著作権者によっては一律で黙認は
できないという人もいるだろうからね。
自分の作品を愛してくれているような二次創作ならば黙認できても侮辱しているような作品や
R-18作品は黙認できない人も多そうにょ。(R-18は利益目的で描いている人が多いものの
その作品が好きで描いている人も大勢いるため一概に愛がないとはいえないけどそれは
著作権者には伝わりにくい)
赤松先生の新連載でこの「同人マーク(仮)」が採用され、講談社がバックに付いている
ものの講談社が著作権を管理しているわけではなくあくまで作者が著作権者であるため
作者全員が賛同していかないと「絵に描いた餅」となるにょ。
また、いくら講談社が大きな出版社といっても全体から見たら一部に過ぎないため他の
出版社の賛同も必要になってくるにょ。
スタートしたばかりであり、まだまだやるべきことは非常に多いにょ。




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