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おちゃめくらぶ掲示板

148御茶目菜子:2010/03/20(土) 13:06:34
良い写真を撮るには・・・
一眼レフというのは自分でピントや絞りやシャッター速度を調節して撮るものという
常識が1970年代まではあったにょ。
一眼レフにも自動露出(AE)が取り入れられたあともメーカーによってシャッター優先AEと
絞り優先AEのどちらかのみが採用されの2つのどちらが良いのかということがよく論争に
なっていたにょ。
それを解決すべく1977年にはその両方のAEに対応したミノルタXDが登場したにょ。
翌年に登場したキャノンA-1は両優先AEに加えてプログラムAEまで備えたにょ。
「一眼レフなのに絞りもシャッター速度もカメラ任せにするなんて」という批判も当時は
あったけど今となってはプログラムAEは当たり前になったにょ。
ピント合わせも1981年に登場したペンタックスME Fによってオートフォーカス(AF)が
可能(ボディ内にAF機能を内蔵)になったもののあくまでデフォはMFでありAFが使用
可能になるためにはAF用のレンズが必要だったためにヒットはしなかったにょ。
AF一眼レフといえば、1985年に登場したα-7000を忘れてはならないにょ。
世界初のAFを前提としたシステムの一眼レフであり、それを追従すべく他社も一気にAFの
一眼レフを発表したにょ。
今となっては初心者に優しい機能をてんこ盛りで一眼レフの敷居は当時と比べたらかなり
下がったにょ。

30年前には露出はカメラ任せ、20年前にはピントもカメラ任せという状況になっていた
中でMF用のレンズ(AFが普及する前に発売されたレンズ)のを先日買ったわけだけど
ピント合わせに四苦八苦するなんて私が一眼レフで写真撮影を始めた頃(23年前)を
彷彿させるにょ。

さて、昨日は50mmF1.7のレンズでは被写界深度が浅いのでピントを正確に合わせるのが
難しいということを書いたわけだけど一般的にいう「ピンぼけ」というのはこの被写界
深度と密接な関係になっているにょ。
被写界深度というのはピンぼけにならない範囲(=ピントが合っている範囲)のこと
だからね。
やはり、失敗写真の代表となるのはピンぼけであるためにできるだけピンぼけ写真には
ならないようにしたいところにょ。
では、そうなるとピンぼけとそうでないものの分岐点が気になるかもしれないにょ。
昨日も使ったこのものさしの写真だけど10cmを基準に前後何mmまでピントが合っている
と判断するのかは個人差があると思うにょ。
http://www.42ch.net/UploaderSmall/source/1268968678.jpg
ピントが合っているかどうかはコントラストで判断がつくけどコントラストが最大の
何%までは許容ができるかは人それぞれだからね。(コンデジはこのコントラストを
計測することでピント合わせをしている)
つまり、ピントが合っているのと合ってない場所というのはある地点で明確な境目が
あるわけではなく連続的なものといえるにょ。

「人それぞれ」で終わるのも何なので古くから言われている一般基準としては許容錯乱円
(ぼけてみえる円)のサイズがフィルムの対角線の1000分の1〜1500分の1よりも小さい
場合にピントが合っていると見なされるにょ。
これによると35mmフルサイズで概ね0.03mmとなりAPS-Cだと0.02mmとなるにょ。
APS-Cの場合は概ね24x16mmであるためセンサー上で0.02mmというのは言い換えれば
1200x800ピクセル当たり1ピクセル以下のサイズといえるにょ。
錯乱円サイズが明確ではないため上記の写真では分かりづらいけど1200x800ピクセルに
リサイズした場合にボケがない(最大1ピクセル)の場合にはピントがあっていると
見なされるということにょ。
写真の場合は点によって面を構成している(レンズの焦点が合うのは1点だけだけどレンズを
通過する光というのは真ん中だけではなく周辺部もあるため結果的に面となっている)
けれど分かりづらいため錯乱円(ぼけの円)はこちらの写真の方が分かりやすいにょ。
http://www.42ch.net/UploaderSmall/source/1268967170.JPG
この背景の部分のようにピントが合っていない部分は円状となって表れてくるにょ。

この許容錯乱円サイズ0.02mm(APS-Cの場合)というのは実際に見てみるとすごく甘い基準
であることが分かるにょ。(1500万画素のデジカメならば4x4ピクセルの錯乱円でも
許容範囲内となるため)
何せデジカメの場合は容易にピクセル等倍で見ることができるわけだからね。
銀塩時代ではルーペで確認しないと分からないレベルのピンぼけはピンぼけとは見な
されなかったというのもあるけどLサイズプリントであれば上記基準でも間違いではない
と思われるにょ。(人間の目で判別可能なほぼ限界である300dpiでプリント時でもL版
ならば1500x1000ピクセル程度なので)
つまり、デジカメの画素数が増えるに従い求められているピントの精度は上がってきて
いるといえるにょ。(本来であれば同じサイズにプリントするのであれば画素数がいくら
増えても変わらないけどデジカメの場合は上記のようにピクセル等倍で簡単に鑑賞が
できてしまうため従来の認識が通用しなくなってきているというわけにょ。

被写界深度(ピントが合っている範囲)については上記のように35mmフルサイズとAPS-C
でも錯乱円サイズが異なっているのを見て分かるようにようにセンサーサイズ)によっても
被写界深度は変わってくるにょ。
あとレンズの焦点距離やF値や撮影距離によって変わってくるにょ。

それをまとめると次のようになるにょ。
  被写界深度の深さ   浅い ← → 深い
 ◎センサーサイズ   大きい ← → 小さい
 ◎焦点距離   長い(望遠) ← → 短い(広角)
 ◎F値    小さい(明るい) ← → 大きい(暗い)
 ◎撮影距離       近い ← → 遠い

これらを変えることで被写界深度を自由にコントロールすることも可能になるにょ。
例えば使い捨てカメラでは焦点距離35mm程度、明るさF10程度の広角レンズを使用し、
ピントは3mくらいの位置に設定しておくことで被写界深度を深くしているにょ。
これにより1.5mから無限遠までほぼピントが合うためにパンフォーカス(画面全体に
ピントが合った状態)な写真を撮ることが可能になるわけにょ。(ピント合わせが要ら
ないため誰でも失敗なく撮れるだけでなく安価に作ることができる)

逆に被写界深度を浅くすれば背景を大きくぼけさせて撮りたい被写体のみを浮き上がらす
ことが可能になるにょ。
そのためには出来るだけ望遠を使い、近づいて撮影し、絞りは開けて撮ることが重要に
なるにょ。
とはいえ、コンデジの場合意図的に絞りを変えることができない機種が大半だし、
センサーサイズが小さいというのがネックとなるにょ。
たとえば35mmフルサイズ換算で600mm相当の超望遠のレンズを搭載したコンデジで撮影
する場合、使用しているセンサーのサイズが1/2.5インチならば実際の焦点距離は
100mmでしかないにょ。
つまり、100mmのレンズで撮影したのと同程度のボケしか得られないことになるにょ。
実際はコンデジの小さなセンサーだとそのフルサイズで100mmのレンズで撮影したものを
一部をトリミングして拡大して600mm相当にしたようなものだからボケも6倍になっている
とはいえ、被写体が同じようなサイズで撮影するならば撮影距離が短くなるために被写界
深度の浅くなるために6倍は相殺どころでは済まず、被写界深度の浅さはF値が同じ場合
「 コンデジにおける換算600mm = 35mmフルサイズの100mm 」ではなくて
「 コンデジにおける換算600mm < 35mmフルサイズの100mm 」となるにょ。

つまり、被写体が同じサイズになるように撮影した場合は実焦点距離とF値が同じレンズを
使用した場合でもセンサーサイズが大きい方が被写体深度が浅くなる(ボケやすい)と
いえるにょ。
同じ600mm同士(コンデジは換算600mmでF5.6、フルサイズは実焦点距離600mm、F5.6)を
比べるならば被写体までの距離は同じだけど当然のことながらセンサーサイズが大きい
ためにフルサイズの方が被写界深度は浅くなるにょ。

同じように35mm100mmF2.8のレンズに2倍テレコンを付けて200mmF5.6のレンズとして使用
する場合には上記のコンデジと同じく被写体が同じ距離に映るようにした場合においては
100mmF2.8の方が被写体に近づいて撮影するために被写界深度は浅くなるにょ。
そういうことで、望遠レンズを絞りを開けて撮るというのは被写界深度を浅くするのには
有効な方法だけど「被写体に近づいて撮影する」というのが最も有効であることが
分かるにょ。

小さなセンサーを使用したコンデジにおいて普通にスナップ撮影した場合レンズの広角
側を使用する限りはほぼパンフォーカス状態になってしまうにょ。
換算35mmでF2.8のレンズを搭載したコンデジ(1/2.5インチセンサー使用のもの)よりも
その約6倍の大きさ(面積比はその二乗)のフルサイズのセンサーで実焦点距離35mmの
レンズを使った方が被写界深度が浅くなるというのは分かるけどそれがどの程度になる
かというと単純計算ではセンサーサイズに比例するにょ。
センサーサイズの大きさが6倍(面積36倍)ならばF値を6倍にしたものとほぼ同じに
なってしまうにょ。(大ざっぱな計算においては)
つまり、コンデジにおける換算35mmF2.8のレンズは被写界深度だけで言うならば
2.8×6=16.8でフルサイズセンサー搭載で35mmF16.8相当のレンズとなるにょ。
それだと使い捨てカメラ以上にF値が大きいためコンデジの広角側ではパンフォーカスに
なりやすいというのが分かると思うにょ。

それを使うと室内で手持ち撮影をする場合に大きなセンサーを搭載したデジタル一眼
よりもコンデジの方が有利になる場合があるにょ。
デジタル一眼はセンサーサイズが大きい分だけ被写界深度を浅くしやすい(ボケさせ
やすい)ということは逆に言うとセンサーサイズが小さい方が被写界深度を深くできる
ためにぼかしたくない場合でも絞りを絞る必要はないからね。(というか回折限界の
ためにほとんどのコンデジで絞りを変えることはできないけど)
上記のようにF2.8でもフルサイズのF16.8相当になるため室内でノンフラッシュの手持ち
撮影において被写界深度を深くしたい場合(室内で人物と背景の両方にピントを合わせたい
ときなど)には非常に有用にょ。(デジタル一眼では被写界深度を深くするにはかなり
絞る必要があるため三脚かISO12800などの超高感度を使用しなくてはならない))

とはいえ、それも近接状態では変わってくるにょ。
近づけば近づくほど被写界深度は浅くなっていくのだけどそれが等倍くらいになると
被写界深度が前後1mmもない(つまり1mmずれたらピンぼけ)という場合さえあるにょ。
35mmフルサイズだとセンサーサイズは縦24mmなので10円玉が画面の縦一杯に撮せる
くらいが等倍となるにょ。
これはレンズ単体で行うには専用のマクロレンズを使用して(ズームレンズのマクロ
機能ではその1/2〜1/3くらいが限界)で最大まで近づかないと無理にょ。
しかし、コンデジではマクロに強い機種ならばそれくらい余裕でできてしまうにょ。
被写界深度はF値によってもかなり変わるけど被写体までの距離が近ければ被写界深度
そのものが極端に浅くなり、それが6倍になろうとまだまだ浅いため被写体に十分に
近づいて撮影すればコンデジでも背景をぼかすことは可能になるにょ。(その代わり
かなり被写体を選んでしまうけど)

このように一眼レフであれば様々なレンズを使い分けられる上に絞りも自由に変えられる
ために被写界深度をコントロールしてさまざまな表現をすることが可能になるにょ。
コンデジの場合は、基本的に絞りが変えられずボケを生かした写真を撮影しにくいとは
いえそれを生かしてパンフォーカスの写真を撮りやすかったり、マクロ撮影では一眼レフ
ほどではないけど十分にボケを生かした写真を撮影することが可能になるにょ。
とはいえ、コンデジからデジタル一眼レフに乗り換えた場合に厄介となるのがこの
被写界深度にょ。
使い捨てカメラやケータイのカメラ機能やコンデジでの写真に慣れている人であれば
パンフォーカスの写真というのが普通の写真なのだけどデジタル一眼を使用すると被写界
深度が浅いため簡単に背景をぼかすことが可能になるにょ。
しかし、それ故に撮れた写真を見て「背景にピントが合ってない」と不満を漏らす人も
中にはいるにょ。

デジタル一眼の価格が下がり、キレイに撮せるからコンデジを卒業してデジタル一眼を
買おうとする人も多くいるとは思うけど「画面全体にピントが合っている写真=良い写真」
という認識の人が買うには適してないと思うにょ。
ピンぼけ写真というのは狙った位置にピントが合ってない写真のことを示すけどその
狙った位置というのが人物と背景の両方を指すならば確かに「人物のみピントが合って
背景がぼけている写真」というのはピンぼけと言えなくもないにょ。
EOS650で初導入された深度優先AEのような機能を持つ機種であれば2カ所にピントを合わせて
その2点が被写界深度に収まるように自動的に絞りを調節してくれるけどこの機能は
最低限の「被写界深度」の意味を知らないと使えない機能だからね。
今では多点測距と組み合わせることでわざわざ2カ所にピントを合わせることはなく
多点センサーがとらえたすべての被写体を被写界深度に入れるようになってくれるように
なった自動深度優先AEに発展しているので使いやすくなったにょ。
とはいえ、EOSシリーズで純正レンズを使った場合のみ可能な機能だし、デフォ状態で
自動深度優先AEになっているわけではないので結局どのように撮りたいのかを事前に
ユーザーが判断しないと使えない機能にょ。
やはり、カメラがどれだけ進化して、どれだけ高機能になってもそれを使うのはあくまで
人間だからね。

所詮カメラもレンズも道具に過ぎず、撮る人のセンスや技術が重要で機材というのはその
アシストをしてくれるだけにすぎないにょ。
だからプロ用の一眼レフと高性能なレンズを使ったとしても良い写真が撮れるとは限らない
ということにょ。(入門用の一眼レフであろうとコンデジであろうと良い写真を撮る
ことはいくらでも可能)
良い写真が撮れないというのは自分にセンスや技術が足りないというだけの話にょ。
まぁAFがあればピント合わせに使う労力を他のことに回せるため便利な道具は良い
写真を撮るためには合った方が有利なのは間違いないけどそれはベターであってマスト
ではないにょ。(撮りたいものがちゃんとあってそれをとるために必要な道具という
ものがあるから高価な機材は不要とは言えないけど)
「良い写真とは何か?」かというのも明確な基準がないため機械だけを頼りにするの
ではなく自分のセンスを磨くのが重要となるにょ。(パンフォーカスこそすべてという
人にボケを生かした写真を見せても失敗写真扱いだろうし)
まぁ私もまだまだだから人のことは言えないけどね(笑)




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