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おちゃめくらぶ掲示板
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Wii Uのヒミツ
任天堂のサイトの名コーナー「社長が訊く」でWii Uについて語られているにょ。
http://www.nintendo.co.jp/wiiu/interview/hardware/vol1/index.html
この本体篇ではWii Uの設計思想や内部構造の説明などについてが語られているのだけど
発売前のハードの内部が公式に公開して説明される機会はなかなかないので興味深いにょ。
さて、やはりWii Uで気になる点はスペックにょ。
「任天堂ハードは低スペック」という認識を持っている人が中にはいるかもしれないけど
それは同世代のWii vs PS3 vs Xbox360やDS vs PSPでそういうイメージが付いてしまったの
だと思われるにょ。
任天堂は現時点で不要なスペックにコストを掛けるということをしないだけにすぎないにょ。
PS3、Xbox360がHD対応となる中でWiiがHD非対応となったのはWiiが登場時点ではHDTVの
普及率が低かったためだからね。
そして、任天堂の元社長の山内氏が言っていたように子供が買える金額ということで25000円
という価格を強く主張しており、それはスーファミ以降の任天堂ハードの上限金額として
強く根付いていたにょ。
ただし、Wii Uは微妙に上限価格を超えているけど9月14日に書いたように税別25000円と考えた
場合にはまだその価格に対する強い認識は健在といえるにょ。
Wii登場当時はHDTVの普及率が低く「現時点では(コストをかけて)HDは不要」と判断した
任天堂だけど地デジへの完全移行が終了した現在は国内の多くの家庭において少なくとも
リビングのTVはHDTVに置き換わっていると思われるためWii UはフルHD対応となったにょ。
HD対応で先行するPS3だけど登場当時としてはハイスペックなゲーム機だったもののフルHDで
ゲームがプレイできるかというとスペック不足で実際は低解像度でレンダリングしたものを
引き延ばして表示しているにょ。
例えばFF XIVは1280x544でレンダリングしたものを縦に引き延ばして1280x720にしている
とのことにょ。
http://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/20121011_565356.html
これは単純にGPUの性能不足(シェーダの速度が足りない)というだけではなくメモリ不足も
響いているにょ。
何せPS3はメインメモリ256MB、VRAM256MBだからね。
そういう開発側の苦労もあるためWii Uは後発のHD対応ゲーム機としては少なくともPS3を
上回るGPU性能だけではなくコンシューマゲーム機としては過去最大の2GB(1GBはシステム
用)という必要十分なメモリを搭載するという措置が行われたにょ。
Wii Uに搭載されているメモリチップの種類は不明だけどDDR3ならば2GB搭載してもコストは
1000円以下であるため無理にコストアップの要因となっているわけではないにょ。
あとせっかくHD対応といってもPS3で標準で付属しているのはコンポジット出力のAVケーブル
のみとなっているにょ。
これはコスト削減だろうけどせっかくHD対応といってもその高精細さを実際に体感するため
にはオプション(HDMIケーブルなど)を購入する必要があるのが現状にょ。
したがって、HD対応の恩恵を十分にユーザーに得られるようにWii UではHDMIケーブルを標準
添付としているにょ。
そして、やはり、Wii Uの特長はその筐体サイズの小ささにょ。
PS3も先日から小型となった新型PS3(CECH-4000シリーズ)が発売されているにょ。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20120919_560562.html
当初はコンシューマゲーム機としては大きく重かったのがここまで小型軽量化されるのは
感慨深いものがあるけどそれが可能になったのは搭載チップの製造プロセスの微細化による
ものが大きいにょ。
当初はCPU、GPUともに90nmプロセスで製造されており、CPUであるCellのダイサイズは
235平方mm、GPUであるRSXは280平方mmと極めて大きかったにょ。
それがこの小型PS3ではどの程度になっているのかは分からないけど少なくともCPUは
45nm、GPUは40nmであるためそれに相応したサイズになっているはずにょ。
製造プロセスが1世代微細化されると同じダイサイズでも2倍のトランジスタ数を搭載可能に
なり、それが性能向上へと繋がっているのだけど基本的にハードウェア性能が変わらない
コンシューマゲーム機の場合はそれはダイサイズの縮小へと直結するにょ。(1世代進むと
単純計算で1/2のサイズになる)
そうなるとコスト削減と消費電力が軽減されるにょ。
消費電力に関しては駆動電圧やリーク電流の問題があるため消費電力も半減とはなかなか
いかないけどそれ相応に小さくなるにょ。
半導体の場合は消費電力は熱へと変わるため消費電力が小さくなれば発熱が小さくなるにょ。
発熱が小さくなれば廃熱構造が簡略化されるため小型化へと繋がるにょ。
Wii UはPS3とは異なり当初より低消費電力のチップ(CPU、GPU)を搭載することでいきなり
小型化された状態となっているわけにょ。
小型化する理由は単純に「多くの場所を占有しない」というだけではなく「ゲーム本体は
目立つものではなくて黒子のような存在であるべき」というものみたいにょ。
確かにサイズ面や動作音の面で存在感のあるゲーム機は良いとは言えないからね(笑)
Wii Uは最大75W、通常の動作時40Wの消費電力と発表されており、これはノートPC並の
消費電力はあるわけであって決して小さなものではないため廃熱処理は工夫しているにょ。
そこでCPUとGPUを同じパッケージに収めたMCM(マルチチップモジュール)が採用されて
いるにょ。
こうすることでCPUとGPUとのデータのやりとりを高速にできるというだけではなく距離が
近いため必要な電力も小さくなりシステム全体の電力消費の軽減に繋がっているにょ。
廃熱処理をする場合には熱源が分散していた方が有利になるものの筐体サイズに制約が
ある場合には空気の通り道をいかに確保するかが重要でありMCMによる1モジュール化は
廃熱処理において有用に働いているといえそうにょ。
ただし、Wii Uの場合はそのコストや筐体サイズの面からスペックの制約がどうしても出て
しまうにょ。
コスト面から大きなダイサイズのチップは搭載が難しいし、この筐体サイズに抑えるため
上記のような廃熱の問題があるため消費電力の大きなチップも搭載ができないにょ。
つまり、このサイズに抑えた時点で新型PS3より微細化された製造プロセスを用いない
限りはPS3を圧倒するレベル(少なくとも3〜5倍)の実性能を得ることはできないにょ。
昨年7月27日にはWii Uが発売される時期を考えて最新の28nmの製造プロセスを用いた
場合にはPS3を圧倒するレベルの性能になると考えたにょ。
しかし、実際に28nmの製造が始まるとその歩留まりが悪く各ファウンドリは28nmプロセス
による製造の量産化がなかなか思うようにいかなかったにょ。
そこで、6月6日に書いたようにWii UのGPUは希望的観測が含まれていた28nmではなくより
現実的な40nmになりそうだと考えたにょ。(任天堂も安定供給ができないようなチップを
使うはずがないだろうし)
ということで、GPU性能においては当初の予想の半減したものになるといえるにょ。
では、実際にどの程度かと言われると未だにPS3やXbox360のように搭載チップが現時点では
明らかになってないため製造プロセスを40nmと考えても性能は特定はできないにょ。
とはいえ消費電力からある程度は特定できるにょ。
40nmで製造された400sp、650MHzのMobility RADEON HD5770がTDP30Wなのでおおざっぱに
いえばSP(ストリームプロセッサ)数は400〜480程度になりそうにょ。(TDP=消費電力
ではないものの一応の目安にはなるしRADEON HD4850のような800spだと消費電力から考えて
搭載は厳しい)
あとダイサイズからおおざっぱな性能を推測することも可能にょ。
岩田社長が手に持っているMCMモジュールに搭載されているCPU、GPUのサイズをHDMI端子の
サイズから比例計算した場合にはCPUが約5mm×約6mm=30平方mm程度、GPUが約12mm×約13mm
=156平方mmとなっているにょ。(写真のサイズが小さいため±1割くらいの誤差はありそう
だけど)
55nmプロセスで製造されたRADEON HD4850が256平方mmであるため仮にそれを単純に40nmに
縮小した場合には135平方mmでこのダイサイズで何とか収まりそうだけどこのWii UのGPUには
eDRAMが内蔵されているためその分のサイズも省いて考えないといけないにょ。
eDRAMが何MBかは分からないけどSD解像度のWiiで3MB、720pまで対応しているXbox360では
10MB搭載しているためWii UをフルHD対応とするには20MB〜30MB程度は必要にょ。
そうなるとGPUコアに使用できるのは100平方mm前後となるにょ。
そこで候補に挙がるのは組み込み向けとして発表されたRADEON E6760にょ。
こちらは480sp、TDP35Wということでいい感じに条件に当てはまるにょ。
ただし、E6760はRADEON HD6xxx(コードネーム:Turks)ベースのGPUであり、当初発表
されていたRADEON HD4xxx(RV770系)ベースとは異なるにょ。(とはいえ、先月から海外
サイトにてGPUをWii Uに採用しているというウワサがでている)
このGPUを搭載ではないかというウワサは出ている)
という点から考えると異なるかもしれないけど480spというのは現在のAMDのAPUの上位
モデルに採用されているものであり、最低でもこのレベルはないと昨今のゲームをフルHDで
プレイするのは難しいと思われるにょ。
CPUにおいては昨年の段階ではPowerPC 476FPが有力視されているにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20110613_452762.html
PowerPC 476FPはCPUコアがわずか3.6平方mmであり、CPUコアの消費電力はわずか1.6Wとなって
いるにょ。
L2キャッシュをどの程度搭載するかでCPUコアに割けるダイサイズはかなり変わってくるけど
このCPUコアのサイズならばマルチコア化は容易にょ。
仮にL2を512KBに抑えた場合にはCPUのダイサイズが30平方mm程度あるならば4コア以上も
可能になるにょ。
昨今はゲームソフトもマルチスレッド化が進んでいるためコア数が多い方が有利になるため
このサイズでクアッドコアは十分に考えられるにょ。(スマホやタブレット端末に採用されて
いるARM系SoCもクアッドコアCPUというものも多いわけだしクアッドコアでも今となっては
過剰ではない)
今回の「社長が訊く」ではWii Uの設計思想が聞けただけではなく本体の内部構造も見ることが
できいろいろな面で新しいことが分かったにょ。
あとメモリについても知りたかったけどGC以降ピーク性能ではなく実効性能を重視している
任天堂なのでメモリがボトルネックになってCPUやGPUの性能が生かせないということがない
ように十分な帯域を確保していると期待しているにょ。
とはいえ、ゲーム機はハードよりもソフトが重要なのだけどその辺は今後どんどん新たなことが
分かっていくと思われるにょ。
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