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おちゃめくらぶ掲示板

132御茶目菜子:2010/03/05(金) 13:26:07
CULVノートがシェアを奪うのはネットブック?それともモバイルノート?
「CULVノート」というのはネットブックのような特別なCPU(PCで使用するのが前提で
開発されたものではなく最初から低発熱、低価格を最優先した特別設計のCPU)を使用
しているのではなく普通のモバイルノート用のCPUやチップセットを搭載しながら安く
販売しているにょ。
なぜ「CULVノート」がモバイルノートに比べて安く作れるかということは昨年10月19日
にも書いたけど改めてモバイルノートとの比較をすることで書いてみるにょ。

従来のモバイルノートが高価だった理由は主に下記の3点が挙げられるにょ。
(1)高価なULV(超低電圧版)のCPUを使うので高い
(2)筐体が高い
(3)少量生産だから高い

(1)に関して書くとULVのCPUは低消費電力という付加価値があるためそれがセレロンで
あっても従来は200ドル程度の価格が付けられていたにょ。
これはメインストリームのCPUの価格(通常電圧版であればCore2Duoが買える価格)と
なっているにょ。

しかし、CULVではそれが変わったにょ。
「CULV用」という特別なCPUが加わったのではなくULVのCPUを特別な条件下では100ドル
以下という低価格で提供するというわけにょ。
その条件は明かにはなってないけど今は当初より緩和されほとんど無いに等しいレベル
ということにょ。(Atomの場合は低価格で提供するには厳しい条件がある)

これが可能になったのもULVのCPUの歩留まりがかなり高くなったせいだと思われるにょ。
ULVのCPUは電圧を下げることでTDPを下げていたけどそれだと高クロックで動作するCPUの
製造は難しいにょ。(十分な歩留まりの高さがあればULVでも通常電圧版でも製造原価は
変わらないので特別値引きで安くしたCLUVのセレロンは通常電圧版のセレロンよりも高価
であるためIntelにとっては十分なメリットがある)
3月2日に書いたようにアーキテクチャの変更をするごとにクロックを1GHz付近まで落とし
ステッピングの改善や微細化によってクロックを高めていっているために長い目で見ると
クロックは上がって下がってを繰り返しているわけにょ。
逆に言えば低クロックのものならば高い歩留まりでできてしまうということにょ。
しかし、そんな低クロックだといくらULVという付加価値があろうと高価で提供する場合は
需要が少ないのだけど「安いこと」が大きな需要を喚起するということがネットブックで
分かったのでその歩留まりが高くなったULVのCPUをAtomより少し高いレベルの低価格で
提供することにしたにょ。

(2)に関して書くとモバイルノートというのは持ち歩きを考慮しているため極めて高い
堅牢性を持っているし軽量化にもコストをかけているにょ。
しかし、過剰な堅牢性や軽量化は価格に大きく転化されてしまうにょ。
毎日持ち歩いて使うという人でないとその付加価値の恩恵を受けるのは難しいからね。
私は当時としては安価だったFMV6300MCを中古で買ってノートPCを毎日持ち歩くという
習慣を付けるきっかけとなったけどこれはあまり堅牢性が高くなくて1年余りで3回も
壊れてしまったにょ。(安かったので壊れるたびに同じ機種を買い直していた)
したがって、そのFMV6300MCから乗り換える際には堅牢性が高いLet'snoteにしたのだけど
多くの人はここまでの堅牢性は求めないだろうし、200〜300gの軽量化に3倍の価格を
払える人はほとんどいないと思うにょ。

(3)に関しては工業製品であれば量産効果で安くなるというのは言うまでもないにょ。
しかし、モバイルノートというのは需要が少ない(1kg前後の軽量モバイルノートに
おいては需要のほとんどが日本国内だったのでパイ自体が小さい)わけだし、性能の
割りに高価な機種ばかりということで(軽量さや堅牢性に高い付加価値を置くような人
ではない)一般人が気軽に買えるものではなかったにょ。
気軽に持ち運べるサイズ、重量で安価だったネットブックが大ヒットにつながったのも
価格が安ければ小さいノートが欲しいという潜在需要が大きかったせいにょ。
ネットブックは量産効果で安くなっているPCの典型例だからね。

このようにCULVノートはネットブックの成功があったからこそそのワンランク上を用意
することで大きな需要があると判断したためにULVのCPUの大幅な割引サービスを行う
ことで実現できたと思われるにょ。
新型AtomのPineViewでもHD動画の再生支援機能を付けなかったのはCULVへと誘導する
意図があるのかもしれないにょ。(新しく再生支援対応のGPUコアを作るのもコストが
かかるし、GS45に内蔵されているGMA4500HD相当の機能をAtomに内蔵するには現状では
コスト面で無理があるというのが本当のところだろうけど)

しかし、この結果ULVのCPUを搭載したモバイルノートは苦戦に立たされてしまうにょ。
Atom搭載のネットブックが登場後PC市場が活気づいた(不況の中、販売台数ベースで
前年を越えた)けど唯一モバイルノートは前年比で大きなマイナスになったからね。
CPU性能面では一昨日にも書いたようにULVのシングルコアセレロン(セレロン723や743)
と比べても大きく劣るAtomでさえこれだけの影響があるのだから実質モバイルノートに
使用しているものと同じCPUであるCULVノートの影響力は計り知れないものがあるにょ。
Atomが条件を満たすことでCPU+チップセットの価格は40ドル程度で供給されるけど
CULVの場合は下位モデル(といっても上記のようにAtomより完全に格上)で80ドル程度
だからね。
だからこそ実売4万円台のCULVノートというものが可能になるにょ。
ネットブックとは異なりOSは制限の大きなStarterではなくHome Premiumだし、廉価な
ネットブックは未だにWSVGAが主流なのに対してCULVはWXGAが主流だから価格を考えれば
非常に優秀にょ。

1月初頭に登場した新CPU「Arrandale」(32nmのノースブリッジ機能同梱のCPU)によって
モバイルノートの性能も底上げされたけど今夏にははそのArrandaleをベースとしたCULVが
登場する見込みとなっているにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/20100305_352927.html
3月2日に書いたようにCULVノートがシェアを伸ばすとULVのCPUを搭載したモバイルノート
に対して壊滅的なダメージを与えてしまいかねないためモバイルノートはULVをやめ
通常電圧、もしくは低電圧へとシフトするのではないかと考えたにょ。
Atomとは異なり、CULVは最新世代のULVのCPU(の下位モデル)をそのまま使うことで
開発コストはかからないというIntel側のメリットもあるからね。
しかし、上記記事を見るとCULVにも使われるArrandale世代のセレロンは大きく差別化を
するみたいにょ。
スピードステップ機能やVTが付いたために上位モデルとほぼクロック分の性能差しか
なかったセレロンSU2300(L2が1MBということで上位モデルよりは少なめだけどアプリの
実行速度はクロック当たりでは1割の差も出ない)は価格を考えると非常に優れたCPUなの
だけどさすがにそこまで優れたセレロンは今後は登場しないというのであればULV搭載の
モバイルノートが絶滅するという心配は要らなくなるかもしれないにょ。




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