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おちゃめくらぶ掲示板
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ULV版CPU搭載のモバイルノートは近い将来絶滅する・・・?
CPUの性能を上げるにはアーキテクチャの変更、クロックの上昇、コア数の上昇などが
考えられるけど2月28日に書いたようにTDPの制約が大きいULV版CPUにおいてはコア数の
上昇(クアッドコアの標準化)は難しいにょ。
デュアルコアでTDP枠を5Wクラスから9W(10W)に変えたようにクアッドコアを標準化
するためにはTDPを上げないと難しいからね。(すでにノースブリッジ機能を内蔵で
TDPが10Wから18Wへと上がったのにそれをさらに28WくらいにしないとULV版のクアッド
コアCPUは難しいけどそれだと設計面では完全に別物になってしまう)
そうなると必然的にアーキテクチャの変更やクロックの上昇で性能を上げるしか無く
なってしまうにょ。
TDP5Wクラス(デュアルコアだと10Wクラス)のULVのCPUはCrusoe対抗として登場した
ULV版Pen3-Mが初めてだったにょ。(昔のCPUはもっと低くて250nm世代のMMX Pentiumは
TDPが2W台だったけどそれがどんどん上昇し、10W、20Wが当たり前になってしまった)
700MHzで登場したULV Pen3-Mも末期には933MHzへと達し、その後継となるBaniasコアの
PenMへとバトンタッチしたにょ。
Baniasでは800、900MHzが最初に用意されPen3-Mよりクロックが下がったものの33MHzの
差を跳ね返すだけの性能向上があったにょ。
Baniasも最終的には1.1GHzへと到達し、DothanコアのPenMへとバトンタッチしたにょ。
Dothanでは最初から1.1GHzのものがあり、アーキテクチャ変更はほとんど無かったけど
L2が倍増され高速化されたにょ。(アーキテクチャの変更がほとんどないといっても
プリフェッチの改善によってHDBenchでは同クロックで3割アップの整数演算速度の
向上が見られる)
Dothanは最終的には1.3GHzに到達し、新世代のIntel Coreにバトンタッチしたにょ。
CoreSoloは当初1.06GHzと1.2GHzのものが用意され最終的には1.33GHzに到達したにょ。
CoreSoloと同じく登場したCoreDuoは当初1.06GHzで登場し、最終的には1.2GHzに到達
したにょ。
時代はデュアルコアが主流になり、アーキテクチャも久々にデスクトップPC用と同じに
なった(Pen4は発熱が大きくモバイルノートへの搭載は不可能だったためノートPCは
デスクトップPCとは異なる道をしばらく歩んだ)Core2Duoが登場にょ。
MeromコアのCore2Duoは当初1.06GHz、1.2GHzで登場し、最終的には1.33GHzに達したにょ。
そして、L2が3MBに増量されたPenrynコアのCore2Duoは1.2GHzで登場し、最終的には
1.6GHzに達したにょ。
そして今年になってようやくULV版が用意されたCore i7は1.06GHz(TB時は2.13GHz)で
登場したにょ。
このようにULV版のCPUはクロックが上がって、アーキテクチャの変更がされたときには
下がって登場するためにクロックはなかなか上がらないにょ。
クロックを上げれば駆動電圧を維持した場合でもクロックにほぼ比例した消費電力と
なってしまうため大幅にクロックを上げるには製造プロセスの微細化が必要になるけど
微細化したあとにアーキテクチャの変更でトランジスタ数が増えてしまい消費電力増と
なってしまっておりシュリンク分で生じた消費電力低減がほとんど相殺されるわけだし
最近は微細化しても駆動電圧をあまり下げられなくなっているためにクロックも上げ
にくくなってきているにょ。
ではクロックが上がらなくてもアーキテクチャの変更で性能が上がっているから問題は
ないといえるのか。
これは旧世代であるPenMと新しい世代のCore2をベースとしたセレロンでの比較だけど
アーキテクチャの変更による性能向上はあまりない模様にょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hot/20100301_351574.html
ただし、CPU以外の部分が大幅に刷新されているために性能は底上げされているにょ。
これは、私自身も実際に試してみて実感したにょ。
R3とR5のCrystalMark2004R3の比較だけどこれを見る限り、CPU性能はクロック上昇分に
ちょっとプラスされたくらいのものしかないにょ。
CF-R3 CF-R5
PenM733(1.1GHz) CoreSolo U1400(1.2GHz)
855GME 945GMS
Mark 21104 27931
ALU 4048 4715
FPU 4957 5588
MEM 3011 4920
HDD 3018 4901
GDI 2395 1502
D2D 1972 4953
OGL 1703 1352
CrystalMarkのCPUスコア(FPU、ALU)はHDBenchと同じく単純計算によるベンチとなる
ために実際のアプリの実行速度とは剥離しており、マルチスレッドに完全対応であるため
デュアルコアCPUは単純に2倍のスコア、AtomのHTTでさえ1.6〜1.7倍のスコアになると
いう代物にょ。(HTTで1.6倍速になるようなアプリは存在しない)
したがって、これだけで性能が上がったかどうかを決めるのはナンセンスにょ。(L2の
搭載量もCPUベンチでは反映されてないし)
新命令(SSE3や4など)によって速くなってもそれを使わなければ速度上昇はほとんど
ないわけだからね。
だから、メモリ速度やL2搭載量を考慮しなければ旧世代のアプリを実行する場合、クロック
当たりの性能はPenMもCore2も大きくは変わらないといえるにょ。
CPUコア速度(というか、CPUのパッケージ内部の速度)はそうなんだけどCPUとデータを
やりとりする部分、つまりメモリ速度は実質CPUの性能ととらえても私はいいと思うにょ。
同じPen4でFSB400、FSB533、FSB800では大きく速度が変わったからね。(もっともメモリ
帯域を使わないものに関してはそれほど変わらないけど)
このメモリ帯域はHD動画を再生する上では非常に重要となり、FSB133MHzのPen3ではそれが
致命的なボトルネックになるにょ。
2008年3月24日に書いたように実際に私が試してみたところ720pのDivXの動画を再生した
場合、OSや再生ソフトを統一して検証してもPen3-M1.13GHzよりもPenM600MHzの方が
明らかにスムーズに再生できていたにょ。(単純に考えればPenMがPen3の2倍の性能)
解像度を576pで再生すればそれが逆転することからPC133とDDR266のメモリ帯域の差が
非常に大きいことが分かったにょ。(純粋にCPUコア部分、つまり演算基のみのの速度は
BaniasコアのPenMとPen3ではあまり変わらない)
2月6日、2月28日に書いたR3とR5の動画再生性能の差もこのメモリ帯域によって生じて
いると思われるにょ。
R3はDDR333でR5はDDRII533で上記のCrystalMarkのメモリのスコアを見てもその実際の
性能の違いは明かとなるにょ。
ではメモリ性能(リード、ライト速度)を上げればCPU性能が上がるのかというとそう
ではなくメモリをギリギリまで使っている状態で初めて上がるものだからね。
だからむやみにFSBだけを上げても消費電力増となるためにモバイルノート向きのCPU
ではなくなってしまうにょ。(通常電圧版のDothanコアのPenMもFSB400からFSB533へ
移行する際に消費電力増を見越してTDP21だったのを27Wへと引き上げたくらいだしね)
そうなると結局アーキテクチャの変更かクロック上昇で性能を上げるしかないにょ。
しかし、アーキテクチャの変更というのも難しいにょ。
経験則によるポラック法則ではトランジスタ数を2倍にしても性能は1.4倍しか上がらない
わけだし、x86命令の並列処理にも限界があるのでアーキテクチャの変更によって速く
するというのも難しいにょ。
大幅に変更した場合、アプリ側が対応されないと逆に遅くなるという結果を生みかねない
ために大きなアーキテクチャの変更は両刃の剣ともいえるにょ。
このポラックの法則を逆利用したCPUがAtomにょ。
トランジスタ数を2倍にしても1.4倍にしか性能がアップしないということは逆にいえば
トランジスタ数を半減しても性能は1/1.4にしかならないわけだからね。
これによってトランジスタ数を大幅に減らしワット当たりの効率を上げたのがAtomにょ。
だから、Atomはワット当たりの性能だとCore2Duoを越えるにょ。(x86デコードがボトル
ネックとなるためワット当たりの性能でいえばARM系のCPUには勝てないけど)
そうなると残るはクロックの上昇による性能向上だけど最初に書いたようにULV版の
CPUはTDPの制約が大きいためにアーキテクチャの変更の度にクロックダウンを繰り返して
いる状態でほぼコンスタントにクロックが上がってきたデスクトップPC用や通常電圧版の
ノートPC用のCPUとは大きく差が開いたにょ。(PenM登場時には900MHzと1.6GHzという
ことで1.78倍の差だったのがArrandale世代のCore i7では1.06GHzと2.66GHzという
ことでクロック差は2.45倍になった)
今後はさらにその差は開くと思われるけどクアッドが主流になれば変わってくるかも
しれないにょ。
TDPの制約が比較的緩いデスクトップPC用CPUであっても4GHzの壁があり、4GHzに到達する
前にコア数が増えてクロックダウンというのを繰り返しているくらいだからね。(未だに
ターボブースト時でさえ4GHzに到達しない)
ノートPCがクアッドコアにならなくてもアプリがマルチスレッドに対応すれば2コア、
4スレッドのULV版Core i7はPenMと比べて別格の性能だし、クロックで負けるCore2Duoに
対して優位に立てる(クロック1.6GHzのCore2Duo SU9600よりクロック1.06GHzのCore i7-
620UMの方が速くなる)場合もあるのだけどそれは現状で4スレッド(4コア)に特化した
アプリがほとんど無い以上は望みは薄いにょ。
ほとんどのアプリはマルチスレッド非対応だし、最適化されているのはデュアルコアまで
だったりだからね。
そこで有用なのがターボブーストで、シングルスレッドで動作するアプリを使用する
際には1.06GHzのCore i7-620UMは最大2.13GHzになるにょ。
これによって1.6GHzのCore2Duo SU9600と比べて1.4倍の性能を得られるにょ。
結局コア数ではなくクロックが最終的には性能上昇に最も有用ということにょ。
コア数を倍増してもTDPを維持するためにクロックを大幅に落とせばよほどマルチ
スレッドに特化したアプリを実行したり、そういったアプリを複数同時使用しない限り
性能はダウンしてしまうからね。
しかし、コア数を倍増化してクロックが3分の2になってしまったという場合でもターボ
ブーストなどによって一時的に使用するコア数を半減して1.5倍以上のクロックに高める
ことが可能であれば性能面のデメリットはなくなるにょ。
だからTDPの制約が大きなULV版のCPUでクアッドコアは2月28日にも書いたように現状では
あり得ないにょ。
とはいえ、セレロンSU2300によってそれは難しくなったにょ。
このデュアルコア版セレロンは多くのCULVノートに搭載されているけど何せ安い(100
ドルを切る)ということが大きいにょ。
マルチスレッドアプリは使用しないからとはいってもCPU負荷が一時的にも100%近く
まで高まるのは日常茶飯事(ウイルス検索中など)であり、デュアルはシングルと比べて
大きな優位性が見られるにょ。
したがって、このデュアルコアセレロンで多くの人は不満がなくなりそうで、それに
対して優位性がないと高価なモバイルノートは売れないからね。
安いけどシングルコア、高価だけどデュアルコアという境目が無くなったにょ。
「セレロンだと駆動時間が短くて・・・」というのはすでに昔の発想で、6セルバッテリを
搭載のAcer1410などは実駆動5、6時間ということでCore2搭載の国内メーカー製のモバイル
ノートと比べてもあまり変わらないにょ。
軽量・堅牢性が高いというだけではなく長時間駆動がウリだったLet'snoteもS8/N8から
従来のT/Wで使用していたULV版のCPUから通常電圧版のCPUへと変えたにょ。
CULVノートが5万円程度で買えるのに15〜20万円出してそれと大差ない性能だとさすがに
厳しいからだと推測されるにょ。
これがAtom搭載のネットブックが相手だったらULV版のCore2Duoでも3〜4倍の性能を
得られるために十分に価格差に似合うだけの性能差はあったけどCULVだとそうはならない
からね。
それくらいCore2ベースのデュアルコアセレロンの性能は高いにょ。(Atomの2.5倍くらいの
性能)
ULV版のCPUはコア数を上げることもクロックを上げることも出来ず大幅な性能向上は
今後もないにょ。
そうなると近い将来はULV版のCPUは安価なCULVノート専用となってしまうと思われるにょ。
もっとも、薄型ノートという需要はあるのでULV版のCPUを搭載のモバイルノートは残る
だろうし、Core iシリーズがCLUVとして販売される際には差別化としてターボブーストを
削られる可能性が高いからULV版CPUを搭載したものはCULV版以外に無くなるということは
ないだろうけど減っていく可能性は高いと思われるにょ。
というか、元々ULV版のCPUは主に日本(モバイルノート大国であるため)でのみ売れて
いたわけだからIntelとしてはそれが減ってもCULVノートが増えればULV版CPUの出荷数
そのものが減るどころか増えるだろうけどね。
個人的にはアンダーB5サイズのULV版CPU搭載ノートPCは無くなって欲しくないにょ。
さすがにLet'snote Rシリーズのサイズで通常電圧版CPUを搭載するのは難しいからね。
まぁCULVノートが10.1インチWXGA採用でその液晶サイズに似合ったギリギリの筐体
サイズとなって、なおかつ十分な堅牢性があればそれでもいいんだけど現状のCULVノートは
どれも個人的には大きく重く感じるからLet'snoteなど国内メーカーのPCに頑張ってもらう
しかないにょ。
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