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おちゃめくらぶ掲示板
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IvyBridgeはSandyBridgeより本当に優れているのか?
先日Intelの第3世代Core iシリーズのCPU「(コードネーム)IvyBridge」がついに発売に
なったにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120424_528663.html
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20120428/etc_intel4.html
世界初の22nmプロセスのCPUであり、3Dトランジスタの採用ということで非常に先進的な
技術で作られたCPUだけど機能面においてはIntel恒例の「チックタックモデル」(2年に
1度行われる製造プロセスの縮小とアーキテクチャ変更を1年ごとに交互に行うことで
リスクの軽減を行っている)におけるチック(微細化)の方に相当する年であり、昨年の
タック(アークテクチャ変更)に相当するSandyBridgeと比べるとそれほど大きな改善は
ないにょ。
主な改善ポイントは下記の通りにょ。
(1)GPUの性能向上
(2)省電力化
(1)GPUにおいては内蔵のIntel HD Graphicsが「Intel HD Graphics 4000」になり、シェーダ
ユニットが12基から16基へと増えたにょ。(これはi7とi5の上位においてであってi5下位、
もしくはそれより下CPUは従来の6基のまま据え置きとなっている)
シェーダユニットが増えただけではなくDirectX11にも対応しているにょ。(AMDのAPUに
おいては昨年登場したLlanoにおいてすでにDirectX11に対応しているけど)
といっても問題は性能にょ。
ということでベンチ結果を見てみるにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/20120424_528691.html
Core i7-3770K Core i7-2600K
3DMark06 6767 4933 37%アップ
3DMark Vatage Extreme 1310 792 65%アップ
3DMark11 Extreme 216 ??N/A ※DirectX11に対応必須
FFXIVオフィシャルベンチ770 ??490 57%アップ
MHFベンチ1920x1080 1763 1277 38%アップ
(※複数の解像度で計測されているものはCPU性能の影響を受けにくい
高解像のものを選択している)
これを見てのようにGPU性能は1.3〜1.6倍にアップしているにょ。
しかし、従来の「Intel HD Graphics 3000」では重かったゲームが「Intel HD Graphics
4000」ではスムーズに動作するかと言われたら微妙であることは確かにょ。
CPUに統合されたGPUとしては昨年AMDが発売したLlano(A8-3870など)の方がこの高性能化
されたIvyBridgeのGPUよりも上なくらいだからね。
とはいえ、「Intel HD Graphics 3000」では、起動さえしなかったゲームが起動するように
なることはあり得るにょ。
したがって、自作ユーザーがGPU性能の向上を狙って買うようなCPUではなく一般的な
完成品のPCにおいて(GPUの選択肢がない)という場合により意味が出てくるにょ。
省スペース型PCやノートPCなどでは別途GPUを追加するのが難しいから統合型のGPU性能の
引き上げは十分に意味があるにょ。
そでにゲームだけの問題ではなくDirectX11に対応したことでWindows7におけるDirect2Dに
ハードウェアレベルで対応となるために普通にWin7を使う上でより快適になるわけだしね。
GPUではなくCPUの性能に関してはクロック相応の性能の底上げがあるけどGPU部分とは異なり
CPU部分は基本的にただの微細化に止まっているためクロック当たりの性能はほとんど変わって
ないにょ。
(2)続いて消費電力を見てみるにょ。
Core i7-3770K Core i7-2600K
アイドル時 40W 38W
フルロード時 119W 126W
SandyBridgeで省電力化が進んでいるためIvyBridgeは微細化によるさらなる省電力に期待
したいところだったけど期待したほどではないにょ。(個体差の範疇のレベル)
比較対象となっているAMD A8-3870Kよりはずっと省電力とはいえ、SandyBridgeと比べた場合
には大きな進化は行われていないにょ。
とはいえ、微細化によって性能向上と省電力化が両立しているのは良いことにょ。
この辺は製造プロセスで他者(AMD)をリードしているアドバンテージが生かされている部分
だと思われるにょ。
逆に言えばAMDは製造プロセスで遅れをとっている(というか、業界全体で言えばIntelが進み
すぎといった感じだけど)もののGPU性能で上回っているため両者の棲み分けは十分にできて
いると思われるにょ。(Intelの内蔵GPUがAMDを越えてしまったらAMDのCPUの存在価値は価格
のみになってしまうけどローエンドCPUだけでは利益率が低いためCPU事業を維持するのが
かなり厳しくなってしまう)
では、IvyBridgeはSandyBridgeからの買い換えの場合はどうかというと両者の差を見ると
「コストよりもわずかな性能差が重要」とか「常に最新のシステムに拘る」という人以外は
あまりおすすめしにくいにょ。
確かにSandyBridge以前のCPUからであれば性能差が大きいため買い換えた場合には性能差を
実感できるだろうけど私の個人的な問題としては3年前に組んだCore2Duo E8400(3GHz)で
特に性能に不満はないため買い換え(組み替え)はしばらく先になりそうにょ。
これは昨年SandyBridge登場時にも書いたけど昔とちがってゲームやエンコをほとんどしなく
なったせいなんだけどこれは最新の高性能CPUが必要になるのは一部の用途に限られるという
ことになるためにょ。
ゲームにおいては最新のゲームを高解像度でプレイしたいならば高性能CPU、高性能GPUが
必要になってくる場合があるけどPCゲーム市場がコンシューマとのマルチがメインになって
来ている現状を考えるとPCの性能面でのアドバンテージを生かせるようなゲームに大きな
コストをかけて開発するゲームベンダーはかなり減っていると思われるにょ。
それでも、ゲームでは恩恵がある場合も少なくないものの昔と違って最新の高性能CPUを使用
する恩恵は小さくなっており、大半の人はUltrabook程度のULV CPUでも普通に使う分には特に
不満を感じないだろうと私は考えているにょ。
とはいっても、新規購入やちょうど買い換えを検討している人だと今更SandyBridgeにする
理由は特になくIvyBridgeを選択するのがベターだと思われるにょ。(製品ラインナップや
供給面でIvyBridgeの選択肢がなくSandyBridgeを選択するしかないこともあるだろうけど)
IvyBridgeには不安点がないかというと実はそうではないにょ。
それが廃熱面にょ。
CPUが消費する電力は基本的に熱エネルギーに変わるからね。
確かに「消費電力が小さい=低発熱」と言えるのだけどここで重要なのは廃熱にょ。
デスクトップPC版のIvyBridgeはTDP77Wになっており従来の同クラスの製品がTDP95Wよりも
引き下げられているにょ。
実際に消費電力が下がっておりその分だけ発熱も低下していると思われるのでケースなどに
求められる熱設計も下げられているわけだけどCPUに付属のクーラーはTDP95Wのものが使用
されているからね。
では、TDP以上のCPUクーラーが必要になっているのかというと2つの問題があるためにょ。
(1)熱密度の増加
(2)ヒートスプレッダの改悪
(1)CPUの製造プロセスが微細化されていくと基本的に消費電力が低下するけど面積あたりの
発熱量は逆に増えているにょ。
それは、理想的なシュリンクが行われた場合には1世代製造プロセスが進むとダイサイズは
半減するけど消費電力は半減しないためにょ。
実はこれはPen4登場時からずっと言われていたことであり、IvyBridge固有の問題というわけ
ではないにょ。
CPUコア1つ当たりのダイサイズはどんどん縮小しているもののマルチコアが当たり前になって
いるため熱の分散化が行われているので問題ないにょ。
マルチコアではなくシングルコアで2倍の7GHzとかで動作させても今の製造プロセスならば
消費電力はかなり抑えることが可能だけどそうした場合は熱密度増加によって空冷や水冷
では冷却が追いつかないため実現ができないにょ。(消費電力100WのクアッドコアCPUならば
空冷でも冷却可能だけど同じダイを高クロック化したシングルコアCPUで消費電力100Wに
なると空冷を行うのはこの熱密度の問題で不可能になる)
(2)確かにTDP以上のCPUクーラーが必要なのはIvyBridgeの熱密度増加も1つの原因には違い
ないけどそれよりも問題なのはヒートスプレッダの改悪にあるにょ。
ヒートスプレッダはIntelのCPUではPen4以降に搭載されているけれどこれによってCPUの
コア欠け防止だけではなく熱の分散化が行われているにょ。
ただし、CPUとクーラーの間にワンクッション入るわけなのでいかに効率よく熱を伝えていく
かということが重要になってくるにょ。
従来は熱伝導に優れるハンダが使用されていたのだけどIvyBridgeではグリスに変えられている
模様にょ。
そのグリスの熱伝導性能に問題があるみたいにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/sebuncha/20120511_532119.html
◎フルロード時のCPU温度(Core i7-3770K)
3.5GHz 4.6GHzにOC
デフォ 61℃ 84℃
Freeze Extreme 53℃ 69℃
Liquid Pro 50℃ 64℃
これはデフォのグリスと殻割りして別のグリスである「Freeze Extreme」や液体金属
「Liquid Pro」を塗布した場合のデータとなっているのだけど数字で見れば一目瞭然であり
デフォのグリスは単に「グリスだから熱伝導率が低い」というのではなくその中でも
「熱伝導率が低いグリス」が使用されているというのが分かるにょ。
恐らくこれはコスト低下のためだろうけどせっかくCPUからの発熱が減っても廃熱性能の
根本部分でボトルネックが発生しているのでは話にならないにょ。
まぁこれは殻割りしてユーザーの手によってグリスの塗り直しをすれば問題ないとはいえ
それは保証外の行動であるため推奨できるものではないにょ。
「IvyBridgeはSandyBridgeよりも省電力なCPU」だけど「IvyBridgeはSandyBridgeよりも
熱設計に優れているCPU」とは言えない状況下にあるにょ。
それと同時に廃熱面の問題から高クロック時の安定性も損なわれているためOCを行う場合は
SandyBridgeの方が有利になっているという報告もネット上ではよく見かけられるにょ。
さて、そうなると期待されているIvyBridge版のUltrabookがどうなるのかということだけど
これはあくまでデスクトップ版のIvyBridgeが現状ではこうなっているというだけのことにょ。
ヒートスプレッダの付いていないULV版のCPUであればIvyBridgeの低発熱を十分に享受可能に
なると思われるにょ。
確かに熱密度増大もあるので従来(SandyBridge)よりもずっと熱設計に優れているとは
言えないものの少なくとも従来よりは劣ることはないと思われるにょ。
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