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おちゃめくらぶ掲示板
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金環日食を撮ろう
1週間後の5月21日には今世紀最大の天体ショーの1つである金環日食があるにょ。
次に日本(本州)で金環日食が見れるのは2095年だから金環日食のために海外に行かない
限りは事実上これが人生で最後の金環日食になる可能性があるにょ。
東京での金環日食となると173年ぶりのことにょ。
今回は東名阪で金環日食が見れる(人口でいえば8000万人以上の人が見れる)ということで
大きな話題となっているにょ。
さて、やはりこれだけの天体ショーならばぜひ撮影したいという人もいるかもしれないにょ。
そうなると難しいのは機材の選別と露出にょ。
日食撮影に関しては2009年7月16日に書いたけどログが流れているので改めて書いておくにょ。
撮影機材や露出の選別には太陽の明るさと大きさを知ることが重要となるにょ。
まずは、太陽の明るさの前に月の明るさを考えてみるにょ。
太陽から地球までの距離と太陽から月までの距離はほぼ同等なので満月の露出は晴天時の
日中とほぼ同じで1/250、F8(ISO100)程度となっているにょ。
この満月の明るさが-12.6等級の明るさで太陽が-26.7等級であるためその差は14.4等級にょ。
5等級差で明るさは100倍異なるため1等級差は約2.5倍の明るさの差となっているのだけど
それから計算すると太陽は月と比べて約43万倍明るいことになるにょ。
この明るさの差が分かっていれば露出を計算するのは容易にょ。
しかし、この猛烈な明るさは普通に撮影することは不可能なので減光を行うNDフィルタが
必須となるにょ。
仮にND10000フィルタを使用した場合は満月の1/43倍の露出にすればいいにょ。
これは通常の太陽の撮影時であるため食分を考慮する必要があるにょ。
下記のサイトを見ると東京都においては最大時の食分は0.969となっているにょ。
http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/about.html
単純計算をするとND10000フィルタを使用時の露出倍数は1/1.3倍となり、1/250、F9.5
(ISO100)程度となるにょ。
これはあくまで最大食分時の露出であり、食分は常時変わっているわけだし、単純計算で
あり誤差も少なくないためプラスマイナス2、3段のブラケット撮影をしておいた方が良い
と思われるにょ。
さて、ND10000フィルタは特殊フィルタであり、普段から太陽を撮影する機会がないという
人は普段の撮影でも使えるND400フィルタ(日中撮影でスローシャッターを使用したい時に
便利)を使って撮影したいという人もいると思われるけどND400では上記計算の露出倍数は
1/25倍となるにょ。
4段半シャッター速度を速くするか絞る必要があるにょ。
1/4000、F11程度になるけどこれはあくまで最大食分時であるためやはりND400フィルタ1枚
ではやや厳しい感じにょ。
したがって、ND4やND8フィルタと併用した方が良さそうにょ。
ちなみに私は3年前に日食(地元では食分0.87の部分日食となった)を撮影した時にはND8
フィルタを3枚買い増ししてND8フィルタ4枚、ND4フィルタ1枚の5枚重ねで露出倍数16384倍の
状態で撮影したにょ。
◎金環日食 露出目安(ISO100時)
ND8x4枚+ND4x1枚 露出倍数16384 1/250 F8
ND10000 露出倍数10000 1/250 F9.5
ND400+ND8 露出倍数 3200 1/250 F16
※東京都の最大時の食分0.969を元にしているため最大時以外はこれより明るくなる
単純計算であり誤差も大きめなので余裕を持った2、3段のブラケット撮影は必須
続いてレンズの焦点距離にょ。
太陽の視直径(見かけの大きさ)は月とほぼ同じ(厳密に月の方がわずかに小さいけど先日の
スーパームーンの時は月の視直径は平均の約1.14倍となっため太陽を越える視直径となった)
であり、平均で32分(0.53度)しかないにょ。(月の方が太陽よりもわずかに小さいため
うまく重なった場合には今回のような金環日食が起きているし、月が通常よりも大きい時に
重なると皆既日食になる)
これはどの程度の大きさかというと35mmフィルムで撮影した場合には100mmの中望遠レンズを
付けてもフィルム上では0.9mm程度の大きさにしかならないにょ。
デジカメで画面いっぱいに撮影するならば35mmフィルム換算で2000mm程度のレンズが必要に
なってくるにょ。
とはいえ、そこまでの焦点距離となると天体望遠鏡を使うかPENTAX Qにマウントアダプタを
付けて300〜400mmのレンズを使う(換算焦点距離は1680〜2240mmになる)しかないにょ。
実際はそこまでの焦点距離になると手持ちは不可能であり、赤道儀による自動追尾をしないと
地球の自転速度もバカにならないレベルになってしまうにょ。
視直径が0.53度なのに自転は1分間あたりで0.25度になるから三脚に固定したら1分間で太陽が
半分ファインダーから逃げてしまうことになるからね。
しかし、手持ちで撮ろうとするならば手持ち限界である1/焦点距離を確保するためには
1/2000秒以上のシャッター速度が必要となるにょ。(ボディ内手ぶれ補正が3段分あれば
1/250秒でも何とかなるけど)
換算500〜600mmのレンズがあればそれなりにアップで撮影できるし1/500〜1/1000秒が
切れればぶれずに撮影可能(手ぶれ補正が3段分あれば1/60〜1/125秒でも可能)であるため
1000万画素超のデジカメであれば太陽を限界までトリミングしてもブログに使う程度ならば
問題ないレベルで撮影ができるのではないかと思われるにょ。
三脚に固定しても1分程度ならばファインダーから消えることはないため何とか撮影は可能に
なるにょ。
私が3年前の皆既日食の時に部分日食を撮影したのがこの写真にょ。
http://ww5.tiki.ne.jp/~ochame/test/eclips.jpg
これは400mm F5.6のレンズは一応所持しているもののフィルタ径の問題でそのサイズの
NDフィルタを入手できなかったため50-200mmのズームレンズ(換算75-300mm)を使用して
トリミングしたものにょ。(若干薄曇りだったのでぼやっとした感じになっている)
さて、太陽の撮影時に最も注意すべきなのが赤外線にょ。
NDフィルタなどで減光すると普通に太陽を見ることができるため長時間連続で見ることが
可能になってしまうけどNDフィルタでは赤外線は素通しなので非常に危険にょ。
したがって、フレーミングのためごく短時間覗くだけに止めておいた方がいいにょ。
その点はライブビューならば安心にょ。
昨今はライブビューがほぼすべてのデジタル一眼に搭載されているし、ミラーレスや
コンデジはライブビューが基本となっているため光学ファインダーで直にみなければ問題
ないにょ。
撮影せずに肉眼で観察する場合も黒い下敷きなどで単に暗くするのであれば上記の
NDフィルタと同じく赤外線が素通しであるため赤外線をカットする「日食グラス」は
必需品といえるにょ。
日食グラスも用意できないけど観察したいという人は木漏れ日の形をチェックするのも
ありにょ。
普通では見られないリング型の木漏れ日を見ることができるにょ。(超お手軽に観測する
ならば紙に小さな穴を開けてそれを太陽にかざし地面に落ちる像の形を観測すれば太陽が
見れる場所ならばどこでも観測可能になる)
部分日食とはひと味違う形に感慨深いものがありそうにょ。
ただ、唯一ネックなのは私の地元が金環日食のエリアに入ってないことにょ。
したがって、ただの部分日食となってしまうにょ。
次回の2095年はたぶん生きてないと思うので金環日食を直で見ることはもう無さそうにょ。
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