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常夜灯 確認

464カタストロフィが許さない:2014/02/03(月) 20:32:45
自分の夢を捨て、必死に医学の世界を目指した。

その決意を滲ませる表情で、彼女にそれを伝えた。
彼女は喜んだ。彼がどれ程の決意を持っているか、幼心に感じとれたから。
そして悲しかった。彼を縛ること、何より自分のせいで彼の夢を壊すことに。


しかし、何度も言うが所詮12の餓鬼。音のしない暗闇を手探りで歩くようなものだった。そう易々と何も掴めるわけがない。
それが不安で、怖くて、悔しくて。
数字の世界にすら目もくれず、身を壊さんとするばかりに、彼は必死で歩んだ。
といっても、門にすらたどり着けていなかったが。



彼女が入院してから1年が経った。

二人は晴れて中学生になった。
彼女は今も病院にいたが。
彼の心は曇天の黒い空だったが。

入院したてのころは彼女のもとに顔を出していた彼は、ほとんど訪れなくなった。
一人の病室は、静かなものだった。

耐えられた。耐えられていたんだ。
それでも、彼がいないときの孤独も、彼がいるときの罪悪感も、彼女の笑顔を曇らせていった。

彼には、それがわからなかった。


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