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チルドレンレコード~子供達の希望理論~
58
:
速水蒼
:2013/12/04(水) 06:47:13 ID:xvE34hFc
『一人森の奥に閉じこもっていた日々、そんな私の心の扉を開けてくれたのは、弱虫な君だった』
・・・・・・カタン・・・・・・・・・・
突然、そんな軽い音が窓から聞こえた
カチャリと窓を開けると、心地よい風、それとともに可愛らしい鳥の鳴き声が聞こえた
私は読んでいた本を置き、返事が返ってこないと分かっていながらも
「何処から来たんだい?」
と、笑った
時刻は、だいたい午後3時ぐらいだったかな?
街に出ると、世界は思っていたより簡単で、複雑な私は誰かに受け入れてもらえる事も無かった
街のはずれにある森の中で人目につかないようなこの家、当然誰かが来るだなんてありえない話で。
「目を、合わせないで・・・・・・・・」
固まってしまった私の心、いつも一人で諦めていた
目に映った物に安堵する日々、本の中で見る物語に
少し、ほんの少しあこがれるだけだったら許してもらえるかな?
そんな時、風がブワッと吹いて、私の前髪が吹き上がり、真っ赤な目がパッチリと出た
反射的に目を瞑ってしまった、そして次に目を開けたとき、本の上に小さな花がちょこんと乗っていた
淡々と流れる理不尽、だけどね、意外と私の中では人生なんだ
ねぇねぇ、突飛な世界を想像して日に日に膨らんでいく私の世界は
今日か、明日、明後日でも、いつでもいいから、
「・・・・・・・・ノック、してくれないですか?」
そんな私の呟きは、夏の青空に小さく響いた
そんなこんなで妄想をしながら窓にもたれかかって外をボーッと眺めていたら
「―――――――」
突然、声が聞こえてきた
急な事に慌てた私はついテーブルにぶつかってしまって、飲んでいたハーブティーを撒き散らしてしまったけど
そんな事も気にならないぐらい私の気は動転してしまっていた
「・・・・・・・どうしよう・・・・・・・・」
私はそう呟き、ただ、じっと扉の向こうを見つめていた
「目を合わせると、石になってしまうのよ」
いつも両親にそう言い聞かされてきた
どうやらその目は私にも遺伝されているようで
物語の中では「メデューサ」って言う、化け物で、皆に怖がられる役で
「・・・・・・そんな事、もう知ってる・・・・・!」
悲しみと怒りが混じった何とも言えない感情が私の中で渦巻いて、私はつい、手鏡を床に打ち付けてしまった
そんな事を思い出している間に、声の人は家の前まで来たようで、トントンと軽いノックの音が家の中に響いた
緊張なんて言葉じゃ表せないぐらい焦っていて
どうしようと走ろうとした時、そこに転がっていた本に躓いてしまい、ドーンと派手な音が立ったわけで
その音はもちろんドアの前のその人にも聞こえたようで
カチャリと軽い音がして、ドアが動き、部屋に少し光が差し込んできた
ねぇねぇ、想像していた突飛な世界は、私の想像よりも実に簡単に扉を開けてしまうものでした
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