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チルドレンレコード~子供達の希望理論~

42速水蒼:2013/12/03(火) 20:12:39 ID:xvE34hFc
オリキャラで小説に手を出しました←

『平凡に過ごしていた毎日、その平凡な世界が崩れ行くの見た事を、僕はずっと忘れないだろう』


「ファァァァ・・・・・・・・・・・」
今日も、空は青く、平凡な一日だった
当たり障りがない、少しつまらないと感じる日
だけど、そんな平凡も、適当につけていたラジオにぶち壊された
『非常に残念なことですが、本日地球は終わります』
僕の思考回路は一瞬止まった
地球が、今日終わる・・・・・・・?
その放送を聞いた時には、空はもう、いつのまにか鳥で埋め尽くされていた
僕はやっていたゲームを放り出した
机の上は受験用に広げていた買ったばかりの参考書
恐怖で震える体を落ち着かせようと、つけているヘッドフォンをギュッと握った
その瞬間だった
急にラジオが切り替わり、タイトル不明のナンバーが急に流れた
「生き残りたいでしょう?」
聞き覚えのある声が響き渡ったんだ

僕は外へ駆け出した
外はすでに蠢き出していた
その時、また、聞き覚えのある声
「あの丘を越えたら20秒でその意味を嫌でも知ることになるよ
 さぁ、疑わないで耳を澄ませたら20秒先へ」
僕の声が、そう言ったんだ
交差点へ出るとどこもかしこも人、人、人
老若男女だなんてもうお構い無しに人で埋もれている
男の人の怒り声、小さな子供のわめき声が溢れかえっている
暴れだす女の人、子供の泣き声、祈りだす教会の神父
そんな人達の中、僕はただ一人、逆方向を走りぬける
僕はただ、"あの丘"を目指し、ただ突っ走った
走っている中、また、声が聞こえた
「後12分だよ」
急に聞こえた声は、声で溢れかえっているこの大通りでも、僕には響いた
悲鳴や怒号の合唱を、泣きそうになりながら突っ走った10秒、この10秒は僕に現実を突き付けるのに十分な時間だった
(本当に、地球は終わってしまうんだ)
疑いたくても、もう疑えない
「さぁ駆け抜けろ、残り1分しか無い」
冷淡な僕の声が、脳裏に響いた
その声が僕にちゃんと届いたか不明なほど、全力を出して走っていた
さぁ、目指していたあの丘がもう目の前にある――――

酸欠でクラクラする、息が絶えそうだ
朝整えた自慢の黄緑色の髪の毛のツインテールももうグチャグチャになってしまった
そんな状態になりながらたどり着いた丘の向こう
空を映す壁の前には、科学者が立っていた
やっと目の焦点が合ってきて、その科学者が見えるようになった時、すごく見覚えのある人物が僕の目に映った
「素晴らしい」
その人はそうやって手を打ったんだ
何で、この人が・・・・・・・・・・何で、ここに・・・・・・・・
僕にはそれしか思い浮かばなかった
さぁ、僕の最期の言葉
「―――"疑うよ"―――」
改めてみる街は人の居ない実験施設のようだった
科学者は「もう、不必要だ」
そういって、片手に持っていた爆弾を放り投げた
燃え尽きていく街、いや、街だった物を見る中
こんな小さな世界で生きていたんだな
と何故か冷静に考えていた
ガラガラと音を立てて壊れていく世界を、見つめている耳元
「・・・・・・・・ごめんね・・・・・・・・・」
"僕"が、ポツリと、ヘッドフォンから呟いた


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