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感動文執筆部屋(プロト)

99KK-雪花びらの乱れ咲 ◆brKK4Ejq0Y:2010/04/01(木) 18:01:41 ID:Z4mDe0/I
243 :安芸 ◆kS2o2Z185Q:2009/12/28(月) 23:43:13 ID:A8N8eto.0
続きです


「何……これ……?」
開け放たれたドアの先の風景は、毎日見ているものと殆ど違いは見あたらない
だけど、唯ひとつだけ、違いがあった
……歪んでる…?
瞳に写っている玄関は、まるで水面に垂らしたインクのように、軽い渦を巻くように捻れていた
まるで異次元へと引きずり込むかのような、まがまがしい、光の混沌
……何なのよ…これは……!?
必死に頭を働かし、現状を把握しようとした……

「あっ……!」
激痛が頭に走った
「ふっ………く……っ」
激しい衝撃が、波のように幾度も脳を揺さぶってくる
すでに、思考は働いていなかった
それどころか、気のせいか意識までハッキリしなくなってきた
体はふらついて、焦点はどこにも定まっていない
立っているのも精一杯な状況だ
だけど
私は
ここまで……がんばってきたんだ…っ!
「あと…………一歩……っ!」
踏み出せば…!暖かい家が……!
残りの力を振り絞り、
強く、足を突き出した!
「やっ…!」
た、とは言えなかった

ガスッ。

え……?
軽い衝撃の後、体が前に傾いていく
私の体は、重力に従いどんどん倒れていく
あ…そっか……躓いちゃったんだ…

次へ

長引いてきた…

244 :安芸 ◆pbxFfP9.cM:2009/12/29(火) 21:52:17 ID:A8N8eto.0
続き

薄れゆく意識のなか、ぼーっと、そんなことを思った
痛みは、無かった
体が地面にぶつかる前に、私は意識を失った

「ったく、気をつけろよなー。俺がどんだけビックリしたか……」
「って言われても、私だって死ぬかと思ったんだから」
「俺だって死ぬかと思ったっつーの。ったく、マスクもつけずに外出するからンな目に…」
「あーー!言ったね!どーせ私はお兄ちゃんみたいに健康ヲタクじゃ……ゴホッ!ゴホッ」
「…ったく。むせるくらいなら大声だすなっつの」
「お前のせいだろムグッ!?」
「ほれっ、水枕。しっかり持ってきてやったんだから、感謝しろよ」
「うっさい」
「あ、そ。まあ、薬もらうには診療所に行かなきゃだめだし、今はしっかり寝とけ」
「うっさい」
「んじゃ、俺は仕事に行ってくるから。昼には帰ってくるし。何か欲しい物はあるか」
「魔法少女リリカルなのはA'sブルーレイBOX」
「寝言は寝て言え」
「Zzzz...」
「欲望に忠実だなオイ。…んじゃ、俺は行くぞー。ほれ、愛する兄様に「行ってらっしゃーい」の一言も無いのか?」
「逝ってらっしゃーい」
「………逝ってきます(涙声で)」
「すいませんでしたっ!!」


245 :安芸 ◆pbxFfP9.cM:2009/12/29(火) 22:31:57 ID:A8N8eto.0
続き
会話ばっかりだったので、今回は地の文多め

「んにゃろー。くそ兄貴、からかってきやがってぇー。」
敬愛すべき兄に怒りしか沸かないのは、私だけではないだろう
しかし、その怒りも頭がボーとしてるせいか、激しいものじゃなかった
「うーーー。イタタタ……」
頭がズキズキする。
よく分かんないけど、二日酔いってこんな感じなのかなぁ……
「にしても、まさか風邪になってしまうとはなぁ……」
ズキズキする頭を押さえながら呟く
それも、あの吹雪のせいではないらしいし
その前……つまり学校に居た時点で、私は既に風邪になっていたってことになる。
……しかも、39℃という高熱で
「39℃もあれば、幻聴もきこえてくるよ……」
ついでに、幻も見えたけど
呆れてため息が出てくる
その呆れの対象が自分自身なのがやるせないなぁ……
くいっと、顔を左に向ける
視線の先には、暖かい空気を吐き出し続けているストーブに、その前に干してある茶色のコート。
「おーーい。コートくぅーーーん」
びしょ濡れのコートは、しかし何も言ってこなかった
まあ、当たり前だよね
ちょっと物寂しい気もしたけど、うん、多分気のせいだろう



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