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感動文執筆部屋(プロト)

140KK-雪花びらの乱れ咲 ◆brKK4Ejq0Y:2010/04/01(木) 18:22:12 ID:Z4mDe0/I


358 :安芸 ◆WosCZrAhqw:2010/03/20(土) 00:05:45 ID:slECO.wg0
>>356
外はうだるような暑さだった
「あっづぅぅぅぅぅい……」
「少ししか歩かないから、頑張って」
「…あとなんふんくらい?」
「五分くらいよ」
「……じゃあ、頑張ります……」
「よろしい」
灼熱のなか、歩みを進めていった


やっとの思いで着いた病院は、思いの他大きくて施設もしっかりしてるようだった
エレベーターに乗り、委員長さんが行きたい階のスイッチを押した
私は壁によっかかりながら尋ねた
「…誰に会いに行くの?」
…実際のとこ、なんとなく予想はついている
けど、そうだとは思いたく無かった
あの楽しかった記憶が、ホントの夢になってしまうから
「…行けば、分かるわ」
委員長さんは、静かに答えた
それからは、沈黙が続いた
乗っている人が他にいなくて、誰かが乗ってくることもなかったせいか、とても長い時間に感じた
……チン
エレベーターが止まりドアが開く
私は委員長さんの後ろをついていった
委員長さんは広い病院の中、迷うことなく廊下を歩いていく
(何回もきてるのかな…)
だとしたら、その人はどのくらいの長い時間、この病院にいるのだろう
そんな事を考えていたら、委員長さんの足が、一つの病室の前に止まった


359 :安芸 ◆WosCZrAhqw:2010/03/21(日) 17:23:20 ID:slECO.wg0
>>358
「…ここよ」
委員長さんが少し固い動きでドアと向き合った
私もドアの方向に体を向けた
スライド式の、少し重たい白いドア
その隣に、表札が貼ってあった
普通の病室は大体四つのネームプレートがあるけど、この部屋の患者を表すプレートは一枚しかなく、そもせも一枚しか入らない作りだった
そのプレートには、丸い文字でこう書かれていた
『絹連 夢』…と

呼吸が、止まった
今日までの記憶が、頭の奥から引っ張りだされていく
ーーだいじょうぶですか…?
戸惑いながらも、倒れていた私に声もかけてくれた女の子
ーーえ……えっと……夢って言います……
たどたどしていたけど、初対面だった私に自己紹介してくれた女の子
そして……
ーーおやすみなさい
屋上から飛び降り、姿を消した少女が
今、この部屋に……
「ーーーッ!」
胸のあたりをギュッと掴む
汗が額から帯となって流れていく
息が、苦しい
そこで、私自身が息を止めていることを思い出した
胸に貯まった気体を吐き出す
少しの不安と緊張を混ぜて
「ーー大丈夫?」
委員長さんが私の顔を覗きこんだ
「急に胸を押さえて…どうしたの?」
私のことを心配し、しゃがんで尋ねてくる委員長さん


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