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【嫁の笑顔と】東方キャラとイチャつくスレ35【青い空】

114名前が無い程度の能力:2014/08/31(日) 00:02:36 ID:cOUpiOgE0
「ったく……」

思わず火のついて無い煙草を咥えなおそうとして、不意に手元からそれをかっ攫われた。

「おい。」

「一本よこせ。それと火。」

俺の吸いかけを何のためらいもなく咥えて悪戯げに微笑む。……どうでもいいがいい年した乙女がそれはどうかと思うぞ?

「嫌いなんだろ?」

「そんなことは言ってないぜ?お前が吸ってるのを見るのが不愉快なだけだ。ほれ、早く。」

渋々マッチを擦ってタバコに火を灯す。
そのまま彼女は息を大きく吸い込んで……盛大にむせた。

「やっぱそうなるよな。」

「げほっ……煙いし喉が痛い……よくこんなもん吸えるな。信じられないぜ。」

涙ぐむ彼女を見てちょっと可愛いとか思ってしまったのは秘密だ。苦笑しながら彼女から煙草を取り返すと、少しだけためらってそれを咥えて一度ふかす。……煙草だってタダではないのだ。

「慣れないことはするもんじゃない。こんなの百害あって一利なしだ。」

「う〜……」

夜の闇、月の白い光に浮かび上がるのはふわりと漂う煙草の煙。
つかのまの静寂が訪れていた。

「さっきの、寂しいってのはな……」

先に静寂に耐え切れなくなったのは自分だった。
だが、その先を続けようとしたら魔理沙が唐突に口を開いた。

「宴会の後って、少し寂しいように感じるよな。……さっきまでみんなで盛り上がってたのに、騒ぎが終われば急に静かになって。なんだか一人だけ取り残されたような気分になるぜ。」

自分が言いたいことを、魔理沙が言ってくれたようだった。

「そっか……」

自分も彼女も結局は似たもの同志なのかもしれない。
人と離れた場所に居を構え、いつもはひねくれてみせる癖に、こうして宴会があれば必ず参加している。一匹狼を気取って見せても人恋しさには耐えられない、そんな臆病な人間。
そう考えて、小さくなってしまった煙草を地面に落として踏みつける。

「さて、と。」

「ん?」

急に伸びをして踵を返した自分を魔理沙が怪訝そうに見た。

「俺は家に引っ込んでもう少し飲むが……せっかくだし、お前も軽く一杯引っ掛けていくか?」

あいにくと自分は後ろに目なんてないから、彼女が今どんな顔をしているかなんて分からない。でもきっと、少しだけ驚いてすぐに……

「あぁ!」

いつもどおりの明るい笑顔で駆けてくる足音が聞こえるのだ。


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