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【新企画案】東方リレーSS企画スレⅡ【募集中】
61
:
◆Ii/3o0rEtg
:2012/03/13(火) 01:17:08 ID:Rr0r67Kk0
(面白そうじゃない……!)
天子の目的は、ゲームを楽しむことである。
一応優勝も視野に入れているが、勝ちにだけ拘るつもりはない。敵がいれば立ち向かうつもりでいる。
強敵の存在に、こうして高揚感と闘志が湧き上がってくる自分は、やはり不良天人なのかもしれない、と薄く笑いながら大妖精に向き直った。
「私はそいつらに仕掛けるわ。貴方は遠くから見ていて」
「し、仕掛けるって……戦うんですか!? 無理ですよ!」
及び腰の大妖精。彼女の中では実態のわからない吸血鬼への恐れと不安が募るばかり。
悪鬼の如き凶相で、牙を向く吸血鬼が天子を頭からばりばりと食べてしまう、そんな妄想さえしてしまう。
しかし天子は柔らかい笑顔を浮かべ、落ち着かせるように言った。
「貴方の吸血鬼という推測が正しければ、恐らく相手は川を渡れるようにしてる途中でしょうね。
となると、こっちの方向に来る可能性が高いわ。それなら機先を制して戦うべきよ。それにこんな面白そうな相手……私は見逃せないわ」
もしも真っ直ぐ川を越えてくるなら、何れ背後を突かれる可能性がある。
だからといって見つからないように迂回すれば、さらに人里への到着は遅れる。友人を慮る大妖精の為にも、これ以上の遅延は避けたかった。
そう思って、天子は仕掛けると言い出したのだ。心配そうな大妖精の肩に、優しく手を乗せる。
「大丈夫よ。私はやられないわ。でも、万が一の時に備えて、これは持っててちょうだい」
もちろん天子は無事に帰るつもりだったが、万が一ということもある。
彼女はそう言ってディパックのオーブを取り出すと、なおも物憂げな表情の大妖精に渡した。
◇
和傘を差したレミリアを先頭に、アリスと神子が並んでその後を追っている。
途中に流れる川があり、レミリアが通れるように埋め立てたあと、彼女らは平原地帯に出た。
互いに視界の死角をカバーし、思い思いに武器を構え歩くが、行程は穏やかだった。
辺りには他の参加者の姿も見えず、やや緩んだ気持ちが、全員の中に広まりつつある。だが敵はすぐ近くに忍び寄っていたのである。
「それ以上進むと危ないわよ?」
突然、横手にある勾配の向こう側から声がした。声の主を怪訝に思い、全員が警戒して動きを止める。
それこそ敵の狙いとも知らずに……。
初めに敵の目論見を見抜いたのは神子だった。彼女は咄嗟に近くにいたアリスの手を引っ張った。遅れて忠告が飛ぶ。
「逃げて!」
「え、どうし……うわっ!」
地面が揺れた。そして次の瞬間には、先程まで自分たちがいた場所が、崩れて陥没しているのをアリスは見た。
先頭を歩いていたはずのレミリアの姿もない。地崩れに巻き込まれてしまったらしい。
と、横手の緩やかに盛り上がった丘陵部分から、誰かがやってきた。舞い上がった土煙が落ち着き、姿がはっきりと見えた。
美しい青の豊かな髪。宝石のように綺麗な赤い瞳。
神子は面識がなかったが、アリスは彼女を知っていた。天人、比那名居天子である。
「まあ、立ち止まっても危ないんだけどね。お見事、どうやって避けたか知らないけど、いい反応だったわ」
わざと挑発めいた口調で天子はそう言い放った。手には矢をつがえたボウガンが握られている。
先程の地面の陥没は、能力的に彼女の仕業と見てまず間違いない。アリスはM39の銃口を向けて迎撃体勢を取るが、しかし神子は刀を抜かない。
「すみません、先程の衝撃で、足を挫いてしまったようです」
不思議そうにアリスの瞳が神子を見やると、それに気づいたのか苦々しげな表情で申告してきた。
先程アリスを助けた時に足を挫いたらしい。神子は足を庇っている。それではボウガンの的になるから下がりなさい、とアリスは告げた。
再び神子が申し訳なさそうにすみません、と言うと、忠告に従って後退を始める。
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