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【新企画案】東方リレーSS企画スレⅡ【募集中】
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:
◆Ii/3o0rEtg
:2012/03/13(火) 01:10:43 ID:Rr0r67Kk0
「といっても、そう簡単には信用できないでしょうね。でも、今この場は信じて頂くしかありません。私は豊聡耳神子と言います。そして、こちらは――」
女性が促すように言うが、後が続かない。耳を澄ませば襖ごしにかすかに小声で話す声が聞こえる。
私を差し置いて勝手に話を進めるな、とか、向こうにいるのは誰なんだ、とか、そんな不機嫌そうな幼い声が漏れている。
その不満を垂れる幼い声に、女性が宥めるように言って、ようやく二人目の自己紹介が行われた。
「レミリア・スカーレット。吸血鬼よ。これ以上の言葉は不要でしょう」
吸血鬼らしい、傲慢さが現れた台詞だった。
アリスとレミリアは既知の間柄である。アリスは普段のレミリアの有り様を思う浮かべ、ますます警戒を深めた。
そんなアリスの心情を知ってか、襖ごしに、ますます警戒してますよ、とか、うるさい、とか、また揉める声が聞こえた。
「とにかく、自己紹介したんだからそちらも名乗りなさい」
「……アリス・マーガトロイドよ」
「なんだ、お前か。ふむ、互いに知らない間柄でもないしな。短刀直入に言おう。私達と共に来い。お前もあの神に刃向かう腹積もりなんだろう?」
およそ人を迎える態度とは思えない、尊大な調子である。
多少むっとさせられたが、レミリアの態度はいつものことだと、アリスは大して気にした風でもなく流した。
それよりも、アリスは自分の考えが読まれていることに疑念を持ち、そのことを問う。
「どうしてそれを?」
「全ては私の運命通り……。と、言うのは冗談で、神子は悟りのような読心能力を持ってるのよ」
「否定はしません」
何か引っかかる物言いだったが、襖ごしに完璧に考えを読み当てられている以上、読心能力の類を持っているのはまず間違いない。
そんな能力を持つ古代の聖人が最近幻想郷の一員となったのを噂に聞いた覚えもある。
少し考え、アリスは申し出を受け入れることにした。恐らく、このゲームの参加者の大半はマーダーである。打倒主催を目指す人材は得がたい存在だった。
「でも、決して貴方の配下になる訳じゃないわ。あくまで対等な立場、同志として扱ってもらいたいわね」
承諾の旨を告げた後、アリスが鋭く言い足した。襖ごしに、わかったわかった、とレミリアが返事をした。
それから襖が静かに開かれ、アリスは神子とレミリアに対面する。
神子が獲物の刀を鞘に収めており、レミリアも拳銃の銃口を地面に向けているのを確認すると、アリスはコルト・ガバメントを目線の高さから下ろした。
「同じ志を持つ仲間として、これからよろしくお願いします」
まず初めに、神子が微笑を浮かべ、慇懃に慎ましく一礼した。
しかしそれはどこか人を食った感じがあり、笑顔の仮面の下に底知れぬ思惑を抱いてそうな不気味さを漂わせていた。
それからレミリアがよろしく、と短く告げると、無遠慮に歩み寄って、支給品とオーブの確認をさせろ、と述べた。
先にそちらが見せるのが道理だとアリスが言うと、まず神子が微笑を崩さずこちらですと言って刀を差し出し、振り返ったレミリアも無言でそれに倣って拳銃を示した。
それを見届けたアリスはコルト・ガバメントとナイフを紹介して、次いでディパックの中のオーブも二人に見せた。
「へぇ、早速誰か殺してきたの?」
「そうよ」
「相手は?」
「リリカ・プリズムリバー」
「あの騒霊か」
アリスが竹林での戦いを説明すると、レミリアは感心したように言った。
支給品を互いに確認しているうちに判明したことだが、レミリアの持つ拳銃――M39は、コルト・ガバメントよりも反動の小さい弾薬を使うようだ。
人間とあまり身体能力の変わらない魔法使いのアリスにはコルト・ガバメントの反動は強く、そしてレミリアには制限があるとはいえ吸血鬼の力が備わっている。
二人は拳銃を交換することにした。
それから全員がディパックを広げて八個全てのオーブを確認しあった後、神子がゆっくりと口を開いた。
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