したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【テンプレ】東方クロススレ 8【必読!!】

352俺参上第十話前編(3/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:03:34 ID:wCLd1qcU0
東方俺参上 第十話
鮫亀「セイム・ゲイム」

「ちょっ……それまずいんじゃないの!? もし中身を盗まれたら……!」
「ん、わかった。おれ、みてくる」
「いいえ、私が見てきます。客人はお酒の席に参加なさってください。
 それに、私が行けば薬を盗まれたかどうか、すぐにわかりますし。
 泥棒退治程度でしたら、私にもできますわ」

会釈をし、薬品保管庫の方へと向かっていく永琳。
心配そうに見送るウラタロスに今度は鈴仙が声をかける。

「大丈夫ですよ。お師匠様、ああ見えて結構強いんですから。それに、身体も丈夫ですし」
「……僕の考えすぎならいいんだけどね。鈴仙ちゃんの方が永琳さんと付き合い長いみたいだし
 鈴仙ちゃんの言う事を信じますか」
「さ。それじゃ中に入りましょ。宴会の準備が終わる頃には永琳も帰ってくるわよ」

丈夫どころか永琳はそれこそ不死身であるのだが
説明がややこしい事や禁忌にも触れかねないために
「身体が丈夫」という表現に留めている。
まさか正真正銘不死身の存在がいる、などとはウラタロスも考えもしなかった事である。
イマジンも契約者さえ無事ならばほぼ不死身に近いのだが、完全な不死身ではない。
それ故に、鈴仙の「身体が丈夫」という表現だけで安心できるものではなかった。
イマジン相手ならば、ある程度身体が丈夫であっても太刀打ちは困難であろうから。
……最も、生身でイマジンを倒せそうな人間を若干名、知ってもいるのだが。

―――

真っ直ぐに薬品保管庫へと向かう永琳。
保管庫へ向かう道は一本しかない。賊は恐らくは裏口から逃げるであろう。
そうであったとしても、保管庫近辺は一本径になっている。
力任せに道を作る、などという手法を取られない限り
永琳は賊と正面から鉢合わせることができるのだ。
何とか、賊が裏口に出る前に鉢合わせることができた。
賊が力に訴えなかったこと。そして思いの他足の運びが遅かったことが幸いしたのだ。

353俺参上第十話前編(4/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:04:48 ID:wCLd1qcU0
賊の姿は、全く賊のイメージとはかけ離れている。賊などという言葉が失礼にあたるほどだ。
むしろ、昔の貴族を思わせる服装である。しかし、あくまでも服装、外見だけだ。
文官礼服を思わせる外見でこそあるものの、その貌は人間のそれではない。イマジンだ。

「ほほほ。麿に何用か? 麿は急ぎ故、そこを通してたもれ」
「……意魔人、ね。どうやら貴方達は、一枚岩の種族ってわけでも無いみたいね」

妙に時代がかった口調で話すイマジンに、永琳は毅然とした態度で臨む。
理由は一つ。そのイマジンの片手にあるものは、永琳が製作した薬品であるからだ。
ならば答えは一つ。このイマジンこそが、永遠亭に入り込んだ賊である。

「何を申すのかと思えば……そんなものは当然でおじゃろ。人間という種族一括りで考えられるのならば
 とうの昔から争いなど起こっておらぬわ。麿らとて、それは同じことよ。
 ささ、麿はそちの質問に答えたのじゃ。今度は麿が要求をする番。そこを通してたもれ」
「お願いついでにもう一ついいかしら。その手に持っているものを置いていってはいただけないかしら?」

イマジンにしては、妙に知能が高く見える。話し方のせいかもしれないが。
しかし本題は至ってシンプル。薬品を持ち帰りたいイマジンと、薬品を返してもらいたい永琳。
平和的な解決が望めるか否か。それはイマジンが目的とするものと、薬品の種類にもよる。

「……できぬ相談でおじゃるな。先も申した通り、麿は急いでおる。早よう開けてたもれ」
「……ああ、自己紹介が遅れましたわ。私、八意永琳と申します。
 この永遠亭で薬師を営んでおり、ここの薬は全て私の管理下にあります。
 薬品の管理は大変慎重に行わなければなりませんので、私の許可なく薬品の持ち出しはご遠慮願いますわ」

至って冷静に、永琳はイマジンを食い止めようとする。ガチンコの実力行使ならば永琳は負けないだろう。
だが、それは不死身ゆえに負けないだけでそれ以上はない。
相手が二流以下のイマジンならば勝てる程度の実力は持ち合わせている。
しかし、今回の戦略的には相手が持っている薬品を永遠亭の外に持ち出された時点で永琳の完敗である。

354俺参上第十話前編(5/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:06:16 ID:wCLd1qcU0
永琳にとって、それこそ避けねばならない事態である。薬品は正しく使われて初めて薬として成り立つ。
それ以外の使い方をすれば、たちまち毒と化すのだ。故に、永琳は薬の作成には常に慎重に取り組む。
勝手な持ち出しなど、言語道断である。

「ほほほ……やはり賊の真似などという、慣れぬ事はせぬに限るの。
 麿は貴族ゆえ、賊の真似などどだい無理な話だったのじゃ。
 さて八意とやら。麿も名乗るのが筋でおじゃるが……
 憎々しい事にそちに名乗る名を持ち合わせておらぬ。
 麿の契約者は、おいそれと名乗れぬ身柄であるが故にの。無論、それは麿とて同じことじゃ」
「それならご心配なく。私の本来の名前も、とても地上の言葉では表現できませんもの」

ふと、イマジンの態度が変わる。開き直ったようにも取れる。
それと同時に、イマジンの背後に炎のような物が見える。オーラの類ではない、本物の炎。
木造建築物である永遠亭にとっては、極めて危険なものである。
イマジンが薬瓶を持たぬ左手をかざすと、その掌からは炎が上がっている。

それを攻撃の構えと見た永琳もまた、弓矢を構える。

「姫の屋敷を荒らす狼藉者め! 生きて帰れると思うな!」
「麿は鳳凰ぞ! 不死の鳥ぞ! 死して帰すとは笑止千万!」

掛け声と共に、炎と光の煌きが永遠亭の一角を彩る。

―――

「……やけに外が騒がしいですね」
「まだ宴会は始まってないってのに。せっかちなイナバもいたものね」

355俺参上第十話前編(6/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:06:58 ID:wCLd1qcU0
永琳が文官礼服のイマジンと弾幕ごっこに見立てた真剣の戦いをしている最中。
ウラタロスとシャークイマジンを歓迎する宴会の準備は着々と進められていた。
もとよりお祭りが好きな幻想郷の住人。宴会ともなれば食いつかないはずもない。
輝夜らも様々な経緯を経て幻想郷へとやって来た身の上ではあるが
比較的すぐに幻想郷に馴染むことができた。
それからというもの、宴会の頻度も上がり催し事を開いたりさえしている。

呑気にしている美しい女性二人を他所に、怪物二人は真剣な面持ちで佇んでいる。
片や元からの強面、片や女好きではあるものの考え事をしているが故の真剣な面持ち。
考えていることは女性を侍らせて酒と料理をあおるであろう今後の出来事ではない。

――何故、ここにイマジンがいたのか。

イマジンの事を知っているまではまだいいとしよう。
聞けばこの幻想郷、外の世界の情報が正確性はさておくとして伝わることも少なくないらしい。
ウラタロスの知る「イマジン」と、彼女らが知る「意魔人」の間には確かな壁があったのも事実だ。
ある意味外の世界の妖怪たるイマジンが、ほぼ妖怪の天下である幻想郷で伝わったとて不思議ではない。

しかし、現物がいるとなれば話は別だ。ウラタロスら電王のイマジンのようにイマジンにとっての
「然るべき手法を取らず」来ていたわけでもないようである。
イマジンにとっての然るべき来訪方法。即ち「イマジンとの契約」。それを成された痕跡があるのだ。
オーナーが嘘をついたとも思えない、そもそも嘘はウラタロスの専売特許である。

過去を奪われた妖怪兎を顧みるに、ここにいたイマジンの目的はほとんど
「契約者の過去を奪い、自分の存在を確立する」事のように見えた。が、どうにも腑に落ちない。
好き放題やるのがイマジンだが、それにしてもここまでの数が襲来するだろうか。
もしウラタロスが来ていなければ、永遠亭は遠からずイマジンに内側から制圧されていたかもしれない。

「……さん、………ロスさん」

356俺参上第十話前編(7/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:07:57 ID:wCLd1qcU0
ラビットイマジンと戦ったシャークイマジンについては、今はおいておこう。
そもそもイマジンと戦うイマジンなど、ウラタロスにしてみれば珍しくもなんともない。
ただ唯一の共通点である「時の列車」が絡んでいない時点で、警戒するに越したことはないのだが。
それに、今やってきた賊というのもどうも引っかかる。
まるで騒動が起きるのを見計らったかのように物取りに入ったのだ。
やはり、賊の退治に乗り出すべきだっただろうか。

「ウラタロスさん、ウラタロスさんってば」
「ん? あ、ごめん鈴仙ちゃん。ちょっと考え事しててさ」

鈴仙の声にも気づかないほど、深く考えこんでいたのかと頭を掻くウラタロス。
ふと気づけば、少し騒がしい程度だった外が、やけに騒がしい。
時計というものはこの広間には無いが、時間はそれなりに経過しているように思えた。
周囲を見やると、輝夜が妖怪兎と会話している。

「……そう、ご苦労様。あなたは持ち場に戻ってもいいわよ」
「お師匠様、まだ戻らないんですか?」

鈴仙の質問に、輝夜は首を縦に振る。それはつまり、そろそろ戻ってくるであろう
永琳の身に何かが起きたことになる。
外の騒がしさと合わせれば、答えはただ一つと言えた。

――永琳はまだ、賊と戦っている。

それは永琳の能力を考えれば、その賊が只者ではない事を示すただ一つの理由。
ただものでない賊と言えば――イマジン。
それが意味することを察知したてゐから、不安げな声が漏れる。

「そ、それっていくらお師匠様でもまずくない……?」
「し、心配しすぎよてゐ。あんたも知ってるでしょ、お師匠様が只者じゃないって事くらい」

声が震えながらも、てゐを勇気づける鈴仙。しかし、言葉が悪かった。
その「只者じゃない」永琳が苦戦している相手。そんな賊なのだ。
となれば相手は未知の敵。未知の敵と言えば――イマジン。

357俺参上第十話前編(8/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:08:48 ID:wCLd1qcU0
「やはり、おれ、行く。おれ、そいつ、倒す」
「え? し、しかし……」

シャークイマジンの突然の提案。ウラタロスの発言を遮るように出た提案。
イマジンと思しき賊相手ならば、イマジンが行けば解決するかもしれない。
一瞬、鈴仙にはそんな思考がよぎるがそれは同時に師匠である永琳の言いつけを破ったことにもなる。

「それに、おれ、ここ、いられない。契約者、こわがってる。だから、外、でる」
「……えっ?」

シャークイマジンはシャークイマジンで、頭を抱えていたのだ。
契約内容は「てゐに幸せを運ぶこと」なのだが、それを果たすどころか怯えさせてしまっている。
輝夜に指摘され、今の今までずっと頭を抱えていたのだ。
当のてゐも、シャークイマジンからは距離をとっている。
得物を携え立ち上がり、完全に宴会ムードをぶち壊したシャークイマジンをウラタロスが引き止める。

「……一つ、いいかい?」
「むう、なんだ?」

デンライナーでのお巫山戯など微塵も感じさせない雰囲気を醸し出しながら
ウラタロスはシャークイマジンを問い詰める。イマジンにはある意味似つかわしくない、張り詰めた空気である。

「お前、『イマジンとしての目的』と『契約者の契約』どっちが大切なのさ?」
「……契約、果たす。それ、イマジン。だから、おれ、行く」

拙い言葉を返し、シャークイマジンは広間を後にする。
その数刻後、広間の外は一層騒がしさを増したかと思えば、静寂を取り戻す。


永琳が広間に戻ってきたのは、静寂より暫くの後の事であった。

358俺参上第十話前編(9/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:09:51 ID:wCLd1qcU0
―――

宴会の準備の最中、永琳と賊の戦いは過熱していた。
永琳は本業こそ薬師であるものの、とある軍隊の刺客を退ける程度の実績はある。
それもルールのある弾幕ごっこではなく、実戦の上において、である。

「ほほほ。さすがは噂に違わぬ天才ぶりよの。
 よもや文武両道の天才とは思ってもみなんじゃ。許してたもれ」
「そう仰るのであれば、その薬瓶を返していただけますか?
 医師が怪我をさせるなど、笑い話にもなりませんわ」

イマジンは永琳の弓の腕を褒め称えるが、そこに誠意は込められてはいない。
永琳の側もそれを知ってか、イマジンを仕留める意気込みで矢を放つが
イマジンには命中しない。

永琳の狙いはイマジンの脚を正確に捉えている。
しかし、尽く永琳の放つ矢はイマジンが放つ火炎弾に焼き払われている。
イマジンの放つ火炎弾も、永琳には掠めもしない。互いに決定打に欠けているのだ。

「そなたもしつこいの。それはできぬ相談であると申したではないか。
 麿が頭を下げたのは、そなたを見縊っていた事よ。麿の焔、火傷では済まぬぞ?」
「どうあっても、返してはいただけないのですね? では……」

薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」

弓では捉えられぬと判断した永琳は、弾幕でイマジンの足止めを試みる。
高速で放たれた蝶の弾幕は、炎でも打ち消せず確実にイマジンを捉えている。
そして永琳は、賊相手に下すには度を越し
イマジン相手に下すには丁度いいくらいであろう一撃を放つ。

「ほほ……やりおるの」
「……傷病は私が責任を持ちます故お覚悟を。老子曰く……」

359俺参上第十話前編(10/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:10:36 ID:wCLd1qcU0
「天網蜘網捕蝶の法」

薬瓶だけを躱し、無数のレーザーがイマジンを貫く。
公家装束を炎に包み、イマジンは呆気なく地に伏し砂と化した。月の頭脳に歯向かった末路である。

「『天網恢恢疎にして漏らさず』。全て、あるべき場所に戻させてもらうわ……っ!?」

転げ落ちた薬瓶を永琳が拾い上げようとしたとき、左の足首に激痛が走る。
永琳は確かに不死身なのだが、痛覚は普通の人間と同様である。
思わず薬瓶を拾おうとした手を止め、膝を付き左足首の方角を見やる。

――言うたでおじゃろ。麿は不死である、とな。

「リザレクション」

声と共に、永琳の足首の激痛の正体――纏わり付いていた砂が、怪物の手の形に変わっていく。
同時に、辺りに出来上がったイマジンであった砂の山が、不自然に隆起している。
砂の山は再びイマジンとしての姿を形取り、強引に永琳を持ち上げ
そのまま乱暴に柱めがけ放り投げる。
頭部が柱の角に直撃するように、計算しつくされた上で。

「ほほほ。麿は寛大であるが故、この程度の手打ちは問わぬでおじゃるよ。
 この薬の代金じゃ。釣りは要らぬぞよ」
「くっ、まち……なさい……!」

必死にイマジンを止めようとする永琳だが、投げつけられた際に頭を強打している。
追跡しようにも、不死であっても、意識と痛覚がそれを妨げる。

頭を抑えながら立ち上がろうとする永琳を一瞥し、その場をさろうとするイマジンの前に
もう一体、イマジンが現れる。濃紺の巨体を持つ、シャークイマジンである。

360俺参上第十話前編(11/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:12:05 ID:wCLd1qcU0
「おまえ、通さない。それ、おいてけ」
「ほほほ。イマジンが麿の邪魔をするとはの。
 其の者の言うとおり、確かにイマジンも一枚岩ではおじゃらぬな。ほほほほほ……下がりゃ!」

公家装束のイマジンの一喝の後、床が突然炎を放つ。炎はシャークイマジンの動きを阻み
公家装束のイマジンに退路を与える形に燃え盛っている。
永遠亭が火事にならないのが、不思議なくらいの炎の勢いだ。

「ぐ、むっ」
「ほほほ、言うたでおじゃろ。麿は急ぎ故、形振りは構えぬとの」

その異質さに、シャークイマジンも戦闘態勢に入るが、炎に足止めを食らっている。
それならばとばかりにネイルガンを取り出し、射撃を試みるが案の定炎に阻まれてしまう。

「おれ、おまえ、たおす。契約、果たす!」
「さよか。麿を屠るが契約とな……ほほほ、笑止! なればその契約、永劫に叶うことは無いわ!」

炎に足止めをくらっていたが、シャークイマジンは意を決し
公家装束のイマジンめがけ飛び込み、鋸刀を振り下ろす。鋸刀は袈裟斬りになるような形で入り
公家装束のイマジンの躯からは砂が吹き出す。これ以上ないくらいに直撃している。
しかし、公家装束のイマジンはその致命傷とも言える傷を意に介さず、笏から炎を放つ。
永琳相手の時よりも火力が増している。内心、先刻は永琳をただの人間の女と見縊っていた。
しかし、イマジン相手ともなればイマジン相手の火力で応戦する。
焔は着実にシャークイマジンの躯を焼き尽くす。

「ぐ、が……!」
「ほれ見よ。麿は何者にも屠る事叶わぬ。して、このイマジンの契約者は麿を知る者か?
 否。麿を知り、かつ消そうとする者など麿が契約せしあの娘以外におらぬはず。
 ならば答えは一つぞ……そこな者のようにの!」

「……バレちゃしょうがないね!」

361俺参上第十話前編(12/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:13:37 ID:wCLd1qcU0
縛符「オーラキャスト」

物陰に向かい炎を放つ公家装束のイマジン。物陰から苦し紛れに放たれた一撃は辛うじて命中するが
そもそもこの攻撃に殺傷力はない。が、動きを封じる意味では非常に優れた一手である。
物陰にいた主――ウラタロスはその隙を突き、すかさず永琳に駆け寄る。

「くっ、わ、私のことよりもあいつの手にある物を……あれは……!」
「今は永琳さんの方が大事だよ。僕は女性を放ってまで釣りに興じるつもりはないからね」

永琳の制止を無視し、ウラタロスは永琳を抱え、この場を引き上げる。
早く引き上げなければ、再び奴は動き出す。ウラタロスの読み通り、オーラキャストによるバリアを
力業で粉砕し、公家装束のイマジンは自由を取り戻す。かに見えたが。

「ふん。逃げよったか……して、いつまで麿に付き纏うつもりでおじゃるか?」
「あい……つ、けい、やく……しゃの、だい、じな、やつ……だか、ら、に、が、す!」

自力で立ち上がったシャークイマジンは、公家装束のイマジンの動きを封じるように押さえ込む。
体中から砂を零しながら。契約者であればイマジンと契約している証。イマジンであれば――瀕死の証。
シャークイマジンの身を張った足止めにより、永琳は無事逃げ果せる事ができたのだった。

「麿を傷つけるに留まらず、行く手をも阻むとは……その躯、殺さぬ程度に焼き尽くしてくれようぞ!」
「ぐ、ぐおおおおっ!?」

薬を取り戻すことも、賊を捕らえる事も叶わず永琳は賊の怒号と、巨躯の協力者の断末魔を耳にし
ウラタロスに抱えられる形で、その場を後にせざるを得なかった……

362 ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:47:03 ID:wCLd1qcU0
以上、第十話前編でした。

今回のセルフQ&Aはこの一点のみとさせていただきます。

Q:東方激獣拳?
A:

獣を心に感じ、獣の力を手にする拳法、「獣拳(じゅうけん)」。獣拳に、相対する二つの流派あり。
一つ、正義の獣拳「激獣拳(げきじゅうけん)ビーストアーツ」
一つ、邪悪な獣拳「臨獣拳(りんじゅうけん)アクガタ」

戦う宿命の拳士たちは日々、高みを目指して、学び、変わる!!


……今日(昨日)のヒーロータイムの放送事故ネタです、すみません

電王の同期のスーパー戦隊というわけで東方×ゲキレンジャーを意識したタイトル。
ある意味電王よりも組み合わせ的には美味しいかもしれない。できないけど。やらないけど。

>>344
霊夢「『侑斗をよろしく デネブ』……なにこれ」
侑斗「デェェェェネェェェェブゥゥゥゥ!!」

その理屈だと葦原さんやひより、大人ハナさんも幻想入りしてそうな……
今回大人ハナさんも何らかの形で出せたらな、とは考えてます。

>>347
今更だけどエガちゃん単独スレ立ってますな
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/41116/1365486611/l100
江頭2:50ってもう一つのジャンルだと思うんですよ。

>>348
14主の名前でとあるスレを思い出したのは俺だけでいい……

363名前が無い程度の能力:2013/06/02(日) 23:56:45 ID:o20gaDYM0
鮫トレードって言葉があってだな
どう転んでもてゐは詐欺に縁があるのね

364名前が無い程度の能力:2013/07/23(火) 00:23:50 ID:tZIsVDc60
アメコミ勢放り込む妄想してたんだけどバットマンすごい苦労しそうでゆかい

365名前が無い程度の能力:2013/08/05(月) 00:18:59 ID:NI7lqQAY0
ttp://scpjapan.wiki.fc2.com/
幻想郷の「外で信じてる人がほとんど居なくなったものが来る」設定について、こういう「魔法の道具とか超科学で作られた道具とかを、
一般人の記憶を消したりしながら集めて、存在を隠し保管している組織」が居た場合どうなんだろ。
組織が外の世界で妖怪を捕獲したら、「研究施設に収容され調査されてる」ってことは「収容し一般人から存在を隠さなければいけない」
と思われるほど「恐ろしい存在だと信じられてる」ことになるんじゃね?。

366名前が無い程度の能力:2013/09/15(日) 04:22:07 ID:34R5xu.s0
メガテンの悪魔が幻想入りしたらどうなるかね?

367名前が無い程度の能力:2013/09/29(日) 10:04:04 ID:hh1nvU.c0
>>366
忙しい人のための幻想郷っぽくなる

368<激写されました>:<激写されました>
<激写されました>

369<激写されました>:<激写されました>
<激写されました>

370名前が無い程度の能力:2014/03/04(火) 12:10:30 ID:DsiXYd6.0
3×3EYES勢とのクロス考えてる奴どっかにおらんかなー
東洋妖魔の女の子達だから親和性高いと思うんだけどなー
サンハーラで散った八雲を探していつのまにか幻想入りして八雲違いで一悶着とか
いっそ八雲もなんかの間違いで幻想郷で再生してるとか

371名前が無い程度の能力:2014/06/09(月) 20:43:30 ID:E9jUFiT20
大阪チーム(GANTZ)×東方




小さめの部屋に、複数の男女が呼び出された。といっても、人に呼ばれたのではなく、黒い球ーーー此処に長く居る人間は[黒アメちゃん]と呼んでいるーーーによって、である。
大半は黒い全身タイツのような服に着替えているが、キョロキョロと周りを見回している人も居る。そのうち、一人のOLらしき女性が、長身の坊主頭の男性に声をかけた。
「あの〜···」
「···」
「此処って何処ですか?」
「···」
「···答えて下さい···!」
何度も尋ねるが返答はなく、ただ黙々と着替え、黒い球から出てきた台から、SF映画に出て来そうな銃らしきものーーー長さからしてショットガン、もしくはライフルといったところかーーーを手に取る。次に、刃の部分のない日本刀の「つか」を手に取り、腿に装着。その間にも次々と質問していた女性はもう諦めたらしく、玄関の方に歩いていく。
「冷たい奴やなァ。ノブヤン。」
台にあったありったけの装備を持ち、フル装備した男が、長身の坊主頭の男に言う。ノブヤンと呼ばれたこの男は、「室屋信雄」。この黒服集団のリーダー格である。
「フン···知るか。あんなのとっとと死ねばええ。」
冷たく言い放つ。玄関の方から悲鳴が聞こえてきた。おそらく「黒アメちゃん」の転送が始まったのだろう。
「黒アメちゃん」の「転送」は、頭から行われる。他人が見れば、さぞかし驚く事だろう。頭から徐々に消えていくように見えるからである。

372名前が無い程度の能力:2014/06/09(月) 21:06:30 ID:E9jUFiT20
まだ続く。






P,S
誰か来てくれ!わざとageてます。

373名前が無い程度の能力:2014/06/12(木) 19:51:58 ID:TktX95Q20
「ん···こいつかぁ?今日の相手は。」
「うおッ」
「あ〜かわええ〜。」
「···あれ、何時ものキモい奴らとちゃう···角あるけどそれ以外はフツーやん?珍しーなー。」
[黒アメちゃん]の表面に表示された映像を見て、十人十色の感想をもらす。後ろの方でOLがなにやら叫んでいるが、もう知らんわ、という顔で誰も相手をしようとしない。他に連れてこられた人も、もう諦めたようだ。

こうして[黒アメちゃん]に呼び出されたあと、しばらく自由ーーーといっても武器を選んだりスーツに着替えたりする時間だがーーーな時間があり、その時間がすぎると、[黒アメちゃん]の表示に、今回のミッションのターゲットが表示される。最近妖怪じみた化け物と戦ってきたメンバーは、意外と普通な星人の外見に驚いていた。
「あ、見て見て!ホラ、<星人>て書かれとらん!」
「おお。ホンマや。何でやろ···?」
妖怪と戦う前、必ず<星人>と書かれていたが、今回はそれが無い。最近のミッションと違う点が、また見つかった。
「あ、もう転送の時間なん?早ー。」
「え!?ウソ!?」
この違いを仲間と話し合う前に、もう転送が始まった。だが、彼らも口だけで、落ち着いているように見える。








実はそれとは少し違う。彼らは楽しみにしているのだ。これからおこる、一切常識の通用しない殺し合いを。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板