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ゆかりんのスキマ日誌 十一冊目

91名前が無い程度の能力:2009/05/17(日) 00:39:22 ID:lnJ2W5Ms0
幻想の月 旅+5日 リグル

屋台に帰ってきた。やっぱりここが一番いい。今日はもう限界。


幻想の月 旅+6日 リグル

昨日はいろんな事があった。主に悪い事。

まず優しそうなおじさんが私に買い物を頼みに来た。
私の能力は「がくわり」でほとんどの品物を半額で買える事。
それを利用しておじさんの指定する品物を半額で買ってきたら
正規料金との差額の半分をつけて買い取るって。
お互いに二割五分の利益があって、誰も損をしない取り引き。
正直この時はいい話だと思った。

おじさんが欲しがってたのはある店の香炉だった。値の張るやつ。
そのお店で「がくせいしょう」を見せたら快く半額にしてくれた。
私は有り金はたいてそれを買い、おじさんのところへ持っていった。
するとおじさんはやっぱりいらない、と言った。
どうしてもと言うなら買値の一割の値段で買い取ってやると。
詐欺のおじさんだったんだ。

私はお店に戻って品物を返却しようとした。
でもお店は頑として返金してくれなかった。
道具は売れたら古道具になるから価値はゼロだって。
まだ箱も開けてないのにひどい…。

途方に暮れていると詐欺のおじさんが詰め寄ってきた。
一割で譲るか、そのまま持ち帰るか早く決めろって。
私はもうご飯を食べるお金もなかったのでおじさんに譲るしかなかった。
結局私は自分の持ち金を十分の一に減らしただけのくたびれもうけ。
今思い出しても情けなくて涙が出る。

慧音さんに話しに行くと、それはまだしも幸運だったのだと言われた。
あのおじさんとお店がグルになって不正な取引をしていたから
私はお金を騙し取られただけで済んだのだと。

もしあのお店が商店会の正式加盟店だったら
「がくわり」で買ったものを不正転売したかどで通報され、
「がくせい」の資格を剥奪されていたと。またそれだけではなく
幻想郷中の「がくせい」全員がその特権を無効にされたかも知れない。
そうなったら全ての「がくせい」とその親たちから恨まれる事になり
とても人目のつくところなんか歩けなくなる。一生怯える生活。
そんな危険と隣り合わせだったんだ、と慧音さんは言った。
背筋の凍る思いがした。

私はこの冒険でいろいろな物事の仕組みを知った。
楽しい事も楽しくない事も知った。
多分いくらかレベルアップしたと思う。
だけど帰ってきて親方ともみじんの顔を見たら涙が出た。
私はちっとも大人になってない。

今日はいつもとおり屋台の手伝いをした。
冒険中の人もいる。いつものお客さんもいる。
親方も、もみじんも、ルーミアもいる。
やっぱり私はこの屋台が好きなんだって思った。
そしたらさらに大きくレベルアップしたように感じた。
私は屋台のリグルだ。胸を張ってそう言えるのがとても嬉しい。


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