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ゆかりんのスキマ日誌 十一冊目

858名前が無い程度の能力:2011/07/22(金) 07:08:01 ID:tp6OPhOY0
見慣れぬ月 施設日 パチュリー・ノーレッジ

夜のバルコニーでレミィとお茶を楽しんでいると、庭に見慣れぬ東屋が建っている事に気付いた。
レミィ曰く、美鈴が門番中に暇を見て組み立てたものだという。
造りは角材を立方体に組んだだけの簡素なものだが、
格子状の屋根につた植物を無数に張り巡らせ屋根代わりにするという、庭師らしさに溢れた様相だった。
いつもの事だが、ここ暫く図書館に篭りっきりになっていたから知らなかった。
少し興味が沸いたので今度、陽が出ている時間にもう少し観察してみよう。

ついでに、レミィは西洋風のパビリオンでない事がやや不満らしい。
しかしそれを建てるなら建築技術とセンスが必要になるので、美鈴には荷が重いだろう。


心地よい月 日陰日 パチュリー・ノーレッジ

小悪魔を連れて例の東屋に訪れると、先客にメイド妖精が何匹かいた。
私を見て慌てて館に逃げていったところを見るとサボリだったのだろう。

実際に間近で見てみると、以前に簡素と評したのを訂正せねばならないものだった。
まず柱はしっかり防腐処理が施されており、館の紅に合わせて色もムラ無く塗られている。
部材が組み合わさっている場所には釘等が使われておらず、
凹凸を合わせてはめ込むような仕組みになっているなど、明らかに本職によるものと思われる手が入っている。
天井はつたとは別に透明な板で屋根が張られており、あれなら雨天時にも普通に利用出来るだろう。
またそのつたも、何十年も育てたかのような恐ろしく濃い密度で茂っており、日光は9割近くシャットアウトされている。
これはおそらく美鈴が気を操作か何かして成長を促進させたのだろう。
そして建材の一つ一つ、石畳の一枚一枚に刻まれた抵抗力を強化する魔方陣。
あれは小悪魔が手伝ったという。何を報酬に手伝ったかは知らないが、あれがあれば例え嵐が来ても潰れはしまい。

東屋は総じて、恐ろしく手の込んだ造りだった。
見事な仕事だと感心するが、これだけの情熱をなぜ門番仕事に活かせないのか疑問でならない。

(追記)
美鈴を呼んで東屋について聞いたところ、建材は里の職人たちに頼んで用意させたものだという。
美鈴はそれを設計図と職人の教えを元に、門番隊と協力して組み立てただけだとか。
職人はそんな簡単に話を聞いてくれるものなのかと疑ったが、二つ返事で答えてくれたそうだ。
職人が鼻の下を伸ばしている姿が容易に想像できる。


見守りたくなる月 日陰日 パチュリー・ノーレッジ

「実はこっそり、魔方陣の一つに遠見の魔法を組み込んだんですよ」という小悪魔の真意を理解した。
そして同時に、美鈴が東屋を建てた真意も。

空は蒼、気温は高いがそよ風の吹く昼下がり。
影の下、小さなテーブルには昼食の跡、ベンチには肩を寄せあってすやすや眠る従者二人。
レミィはニヤニヤ水晶玉を覗き込んでいるが、まったく呆れる光景ね。


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