したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

ゆかりんのスキマ日誌 十一冊目

813名前が無い程度の能力:2010/11/14(日) 19:50:26 ID:WUWqtxb6O
IF物月元ネタあり日 無手の天狗
あれからどれだけたったであろうか。
あの時の師への誓いを胸に、仏を彫り続け1000年以上。
いつしか人をやめていた。
その間、見てきた人は苦境に立たされる度生き返り、そして堕落する度死んでいった。何かを忘れながら。
そして気がつくとここに来ていた。
ここには人間が忘れていった、自ら壊してきたものがあった。
大地を踏みしめている人間達には、力いっぱい生きている美しさがある。
この失われてしまった美しさを、果たして外で取り戻す日がくるのか。
答が出ぬまま仏を彫り、生き続ける。生きた人間達の生き様を見ながら。


罪と月徳日 四季映姫
「何故かの者を生きながらえさせるのか」若い閻魔から時々苦情がでる。
盗みを働き、女を犯し、妻を殺した。そのような人間が何故妖怪になってまで、
外道に堕ちずに1000年以上も生きながらえているのかと。
単純に言えば、徳を積んでいるからに他ならない。
初めは輪廻転生を怖れるがあまりのその行動も、いつしか無心の、
あるいは世への怒りや嘆きへと替わっていった。
邪なる念なきそれは神、仏達の代弁者となっていたのだ。それを徳と言わずしてなんと言おうか。
さらに彼は、生まれながらに目と腕を一つずつ持たず、無実の罪で幽閉され、拷問を受けたあげく、
因果応報とは言えぬ妬みにより残された腕すら失った。
にも関わらず、世に絶望することなく無心で仏を彫り続けた。
それこそが生きる目的であり、宿命であり、最善の善行であった。
これで寿命が延びぬわけがない。
彼こそが、火の鳥に魅入られた、真の蓬莱人なのかもしれない。

ところで、彼の裁き行うべきだとする若い閻魔の中に、
どれだけ彼の「子供」がいるのか、実に興味深い。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板