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ブラゲスレ避難所part173
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ピチャ、と水滴が落ちる音をジュンタは聞いた。
肌には湿った浴室の空気を感じる。窓から秋風が吹き込んできているのか、湯気が立ちこもった浴室内だが少し肌寒い。
下半身を広い大理石の浴槽に沈め、上半身は浴槽の縁から出ている。
片手を滑らかな手触りの石につき、もう片方は乙女の柔らかな肌に触れている。
佐倉純太――現在の状況はそんな、誰もが頷く危険な状態だった。
いい具合に一人の少女を床に押し倒している。
押し倒されている少女は、ちょうど浴槽から上がろうとしたところに乗りかかられたのだろう。咄嗟に避けることも出来ずに、されるがままに押し倒されている。
真紅の瞳が印象的な、とてつもない美少女である。
湯浴みの最中でも下ろされた長い髪は水分を孕み、それでも細くサラサラと広がっている。きっと立ったら腰の辺りまではあるだろうその髪は、瞳と同じ鮮やかな、燃え立つような真紅。
紅の瞳は意思が強そうな輝きを持っており、少し吊り目ながら大きく、まつげも驚くほど長い。他の顔のパーツもゾクリとするほどに整っており、桃色に色付いた唇と頬はなんとも色っぽく、それでいてどことなく気品や清楚さを感じさせた。
湯に浸かっていた肌はほんのりと色付いてはいるが、処女雪のように白い。
女らしい柔らかさを持っていながら、余分な筋肉のない身体はスラッとしたスレンダー体形。手に触れている部分の膨らみは若干小さいが、それでも十分な弾力を持っている。
「………………きれいだ」
色々と現状に対する疑問はあったが、まずジュンタは少女の美しさに対する賞賛を口にした。
女神のような神々しさ。絶世の美女。
そんな言葉はきっと彼女のような相手にこそ相応しい。
僅かな興奮を感じ、知らぬ間に手に力が入る。
今まで軽く触れていただけの指が、ゆっくりと少女の肌に沈んでいく。
「………ん……」
少女が軽く身動ぎ、口から桃色の吐息を吐き出す。
どうやら敏感な体質らしく、軽く触れているだけなのにくすぐったいようだ。……まぁ、それも仕方あるまい。唐突に胸を触られ、反応しない方がおかしいか。
気のせいか、ジュンタの右手は僅かに動いているように見える。
ジュンタの手が置かれているのは少女の慎ましやかな胸だ。動いているとなると、色々とまずい。
一糸纏わぬ彼女の大事な部分だ。運が良かったのはジュンタの視線が、少女の容姿に釘付けになっていることだろう。視線が少女の身体を舐め尽くすことはなかった。
だけど、それでももちろん大問題――
「――――っ!!」
ふにょ、と柔らかくも弾力のある胸が指を押し返す。
そのことに感動を覚えつつ、まともになってきた思考と共に戦慄する。
言い訳とか、そういうことにもう意味はないだろう。
同年代くらいの少女を押し倒すというのは偶然でも、こうして胸に触れてしまったことには変わりないからだ。
大きく見開かれていた少女の瞳が、ある瞬間を境に悪鬼のソレの変わる。
目はこれでもかというぐらいつり上がって、紅の瞳が敵意に燃える。
許さないという気持ちが、死を予感させる眼光と共に伝わってくる。このままでいたら数秒後には死んでいるかもしれない。それほどまでの殺意をジュンタはぶつけられた。
十七年の人生の中、初めて死を覚悟した……というのに身体はまったく動いてくれない。
さっさとどいて謝れば、まだ情状酌量の余地はあったかもしれないのに。全ては男としての本能が邪魔をして、そして――――ああ、終わった。
(なんだ。俺も、男だったってことか)
人を好きになったことのない自分でも、やはり異性の裸体には興味があったらしい。改めてそんなことに気が付いた時、少女の口が大きく開かれる。
ジュンタは次の瞬間に来るだろう悲鳴を覚悟し、だからもうやけくそで、視線は少女の裸体から離さない。
………………一秒後。来ると思った少女の悲鳴は、予想に反して来なかった。
「あ、あれ?」
どうして――と思った次の瞬間、ジュンタの身体は宙を舞っていた。
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