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ブラゲスレ避難所part173
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ここ最近の一日としては、特段変化のない一日だった。
今日という日もアルバイトに勤しみ、疲れ果てて帰宅する。それがここ最近の生活である。ただ、アルバイトにも慣れてきて、これでも疲れる度合いはマシになってきたりしていた。
黒い髪に黒い瞳。そして黒縁眼鏡と、顔全体のイメージは黒一色。
高校生の身の上では髪を染めることなんてできないのだから、まぁ、仕方のないこと。あえて校則に違反してまで染める気もない。
そう、佐倉(サクラ)純太(ジュンタ)は常々思っている。)
友人に言わせてみれば、それはただお洒落に興味が薄い、というだけらしいが、さもありなん。別にお洒落に対する情熱もこだわりもなかったりするので、その意見は正しい。
「それはそれで寂しいことかもしれないけど……」
一応は健全なる高校二年生。
寒くなり始めた季節。一緒に歩いてくれる相手を求めていない訳じゃない。好きな相手は…………まぁ、いないけど。
道を進んでいる最中に考えたことに、自分でなんだかバカみたいな印象を受けた。始終おかしなことを考えている幼なじみでもあるまいし。
と、純太はいつものように、何も変わらぬ時間を過ごしていた…………はずだった。
――その閃光を見るまでは。
「なっ!」
唐突だった。いきなりだった。それが現れたのは。
「嘘、だろ……?」
思わず呟いてしまうのも無理はない。それは十七年の時間の中、初めて目撃した超常現象だった。
光――それも不気味な光が、目の前に唐突に現れたのだ。
それは不思議で不気味な光。まるで歪みを描くように輝く、未知の発光体。
明滅し、歪みながら円に近い形を作っている。触れれば掻き消えてしまいそうな、しかし強烈な光だ。
純太はそれに興味を持ってしまった……危ないと分かっていながら。
ゴクリと息を呑みながら、それにそっと手を伸ばす。指先はゆっくりと光に近付いていき、触れる――と思えた瞬間、ちょっと考え直してみる。
「いやいや。普通に危険だろ、これ」
野生の直感でも、前世からの危険通告でもない。
ただ純粋に、未知であるからという理由で純太は押し留まった。
一時の好奇心で全ての人生を棒に振るわけにもいくまい。興味はこれでもかというぐらい引かれるが、ぐっと我慢だ。
手を戻し、さっさと家に戻ることを決める。
いつか超常現象など存在しないと言い張る人間に、話題として出してやろう。普通に生きてきて、これからも普通に生きていく人生。たった一度だけだけど、こんな奇妙な体験をした、と。
そうして純太は手を戻そうとするが、ある意味お約束というか……手は動かなかった。
ヤバイと思った時には遅かった。
ただそこで静止していたはずの光が、いきなり伸びてきたのである。
手に絡みついてくる光。視界を埋め尽くす光。
全てが光に染まり、純太は――
――――――気が付くと、冷たい道路の上で倒れていた。
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