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千尋教徒の推薦図書スレ

913名無しさん:2012/04/18(水) 02:58:05
Choe DH, Millar JG, Rust MK.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2009 May 4. [Epub ahead of print]
アリやミツバチは死んだ同胞を捨てる。アリがどのようにして死んだ同胞を見分けるのかという事に関してはこれまでに脂肪酸組成の変化が知られていた。しかしながら、アリは脂肪酸組成の変化が見られない死後1時間以内の新鮮な死体も見分けることが出来るので他の成分の関与が示唆されていた。
上記論文の著者達はアルゼンチンアリを材料にしてアリがどのようにして死体を見分けているのかを調べた。
アッセイ系としては蛹を用いた。アリは本来巣の中にあるはずの蛹が放置されているのを見つけると素早く巣に戻す。ところが死んで1時間ほど経った働きアリの抽出物を塗った場合には蛹を捨てる。抽出に用いた溶媒や死んですぐのアリの抽出物では捨てる応答は起こらず、蛹は巣に回収される。以上の結果は死んで少し時間の経ったアリに含まれる何かが死体を捨てる行動を誘起していることを示している。
化学分析の結果、死後速やかに失われる物資としてdolichodialとiridomyrmecinが見出され、蛹を使ったアッセイでこれらの化学物質が生きているワーカーの認識に重要であることがわかった。。
同種が高密度に存在するという「異常な状況」にある社会性昆虫では、死体の速やかな除去というのは重要な行動である。どんな生き物でも同種の遺体というのは伝染病の源になるからだ。
アリが、「生命のシグナル」を常に出し、それが迅速に失われると同胞の死体捨て行動の抑制が解除されるとういうのは面白いシステムだと感じる。




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