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千尋教徒の推薦図書スレ
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大賞エントリー作品「あの夏を生きた君へ」
死にたいと思っていた。死んでしまいたいと思っていた。こんな世界なんか滅んでしまえばいい。
この教室に、例えば爆弾が仕掛けられていて、何もかも木っ端微塵に吹っ飛ぶシーンを想像すると笑いが込み上げてくる。
窓際の一番前の席で、そんなことを考えてるあたしは狂ってるのかな。いいや、違う。狂ってるのは、アイツらのほうだ。
「うぉぉ!美季見てたらアソコが痛ぇ!」 「やぁだ!サイテー!」耳に届くその声に、あたしは眉を寄せる。
「俺のアソコがぁぁ?!シッコシコー!」草野は大声で言いながら、わざとらしく悶えて、
「もう?やぁだぁ?!」と言いながらも美季は笑っている。
「草野サイアク!」 キモい?!」女子たちは草野に非難の声を浴びせる。
でも、彼女たちも本気で軽蔑してるふうではなく、笑っていた。そして、それを草野も分かっている。
分かっているから、さらに調子に乗る。
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