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別れる者と異世界の小さな旅

35レオン:2006/09/21(木) 17:11:54 ID:X3oxlF8g
深い森の中、一組の男女が歩いていく。
というより、男の後を女が追う、という形だが。

「ねーねーリオンー。何しに行くの? 戦っちゃダメ?」

女―フレイム―が尋ねると、リオン、と呼ばれた少年は呆れたようにそちらを見やる。
そのあと少し大げさに溜息をつき、口を開いた。

「いや、それは「会いに行く」じゃなくて「戦いに行く」だろ。
・・・なんとなく、会って話でもしようかと思って」

フレイムは、その溜息に少しむっとした顔をしたが、すぐに元の表情に戻す。

「武器持ってるから戦うのかと思ってた。
っつーか何話す気? 一応あっちとは敵でしょ」

「・・・後で考える」

その言葉に、フレイムは「曖昧ー」と笑った。

「・・・ま、それも面白そう。あたしも誰かと話そっかな?」

フレイムは冗談めいた笑みを浮かべた。
そこで会話は一時途絶え、二人は無言で森を歩いていった。

36レオン:2006/09/21(木) 17:12:28 ID:X3oxlF8g
「すーすー。」
木に寄りかかり今までの戦いの疲れを癒しながらのん気に昼寝をしている人影があった。
「ふぁー・・・良く寝た・・・。」
まだ眠たそうに少年―レオンは寝転びながら間延びをした。
「さてと・・・・んっ?!」
不意に自分が寄りかかった木の後ろから巨大な鎌が首筋辺りまできた。
「・・・おいフレイム鎌下ろせ戦いに来たんじゃないっ森で言ったろ?」
「ごめーんつい。」
そう呆れた声と少しだけ申し訳なさそうな声が聞こえ鎌が離れた。
「リオン!」そう叫ぶとレオンは剣を引き抜いた。
「・・・レオン長剣を鞘に戻せ。俺とフレイムは戦いに来たわけじゃない少なくとも俺はな。」
そう言うと少年と少女―リオンとフレイムが姿を現した。
「なに?」構えを解かずに剣を三分の一ほど出して言う。
「さっそくだがレオンお前俺ら側に入れ。」
そうリオンの口から出てきた。
「はぁ?」思わず間の抜けた声をだしたレオンにリオンが言う。
「お前は剣の腕がいいだから俺らと一緒に来・・・「断る!」
リオンがいい終える前にレオンはそう言った。
「・・・そうかなら仕方ないな・・・。」
そうリオンが呟くと、
「何々?戦闘?戦闘やんの?じゃあ、あたしがやる!」
そうフレイムが言うと、
「ちげーよ、帰るんだよ。」「えー。」
そう言った。
「レオン来る気がないなら俺はお前を倒す。」
そう言うと森の方へ歩いて行きフレイムは不満そうに歩いていった。
「・・・なんだったんだよリオンは・・・。」
一人残されたレオンはそう呟いた。

37レオン:2006/09/21(木) 17:14:43 ID:X3oxlF8g

ざっざっざっざっ。

フレイムは、草を薙ぎ倒しながら歩いていく。
彼女はとても不服げな目で前にいるリオンを睨んだ。

「・・・戦うんなら、さっきあたしにやらせてくれればよかったのに」

その殺気のこもった視線を受けて、リオンは気付かれないよう小さく溜息を零した。

「とりあえず落ち着け。
・・・あいつとは、俺がやる」

「とかなんとか言っちゃって、前も倒さなかったじゃない、結局」

彼女はそう言って鎌を撫でる。
以前とは違い綺麗に磨かれたそれは、血を欲するかのように怪しく光った。

「・・・ね、今は待っててあげる。あたしじゃ敵わないかもだしね。
でも、さ・・・。待ちきれなかったら・・・、覚悟しといてね?」

悪戯っぽい笑みを浮かべ、指で首を斬る真似をする。
リオンは、その姿に苦笑した。

(お前は、何があっても殺さないだろ・・・)

彼は、フレイムが仲間を殺すような真似はしないことを知っている。
フレイムは「殺したい」のではなく、ただ純粋に「戦いたい」だけなのだから。
彼女にとっての勝利は、相手が行動できないようにして、それで終わり。
つまりは武器を取り上げたり、拘束をすれば終わるのだ。
魔物相手となると、話は多少変わってくるが。

「リーオーンー! 何してんの、さっさと帰ろ!」

何時の間にやら数m先にいるフレイムが、こちらを向いて待っている。
彼は少し早足で、前へと進んでいった。

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