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一緒に小説作りましょ!! V85

227ふみぃ ◆E9.L69xX7g:2015/04/15(水) 20:18:44 ID:13QTF0m6
番外編。
◆□◆□◆□◆

「ところでさ」

放課後、いつも通り勉強をしていたところ、井口が不意に呟いた。
集中力に限界がきていた四人は、井口の顔を見る。

「北園って料理できんの?」

その言葉に、男子四人が北園を見る。
その視線を受け、明後日の方向を見た北園に、東藤が問い掛ける。

「…できねーの?」

東藤の問い掛けに勢いよく振り向き、
逆に質問を飛ばした。

「なんでソンナコトを聞くのかな?」

「質問を質問で返すなと教わらなかったか」

井口がそう返すと、北園は見事に固まった。
その光景を見て、三谷がすかさずフォローを入れる。

「ま、まあ!女子が誰だって料理できるわけじゃねーもんな!」

「だがナメるな!炒り卵、卵焼き、目玉焼きなら作れる!」

あとカレーとシチューも!
と、三谷のフォローの後に、声を高らかにして謎の自慢を言った。
その自慢の後に、「全部卵料理じゃねーか」というツッコミが入った。
カレーとシチューについて触れていないことには、誰もなにも言わなかった。

「いいじゃん別に。女子が皆家庭的だと思うなよ」

それは、学校にいる女子を見ていれば、容易にわかることだろう。
進学校であるが故に「お嬢様・お坊ちゃま校」というイメージが強いが、
入学して学校の雰囲気をみれば、中身はただの女子高校生・男子高校生であった。

「まーなー。家庭的っつーよりも、面倒見がいい女子のが好きかな。オレは」

ニコニコ笑いながら、東藤がそう言った。
その言葉に、下心などは一切含まれていないだろう。
そもそも、ここにいる男子四人は、北園を恋愛対象として見ていない。
よき友人、といったところだろうか。
北園もそういう意識は持ってないため、勘違いすることはない。

「北園は、どっちかっていうと“お人よし”だよね」

井口が薄く笑みを浮かべながら言った。
確かに、面倒見がいいという点では、
普段男子とつるんでいる北園もちゃんと女子をしている。

この間、四人改め五人で遊びに行ったとき、
北園が可愛い小物がある雑貨屋に引っ掛かった点でも女子と言えよう。
しかし、最も女子力を発揮していたのは、東藤である。

「…東藤の彼女になる子、絶対自分に自信無くすよね」

北園が呟き、東藤はキョトンとした顔で首を傾げている。
以外というか、当然というか、幼い頃から東藤と一緒にいた藤江が、口を開いた。

「ゆーきの女子力凄いよ。おれ、弁当作ってもらってるもん」

藤江の言葉に、東藤に向いていた視線が、
瞬時に藤江に向けられた。三人そろって無言で続きを促している。
ちなみに東藤は顔を真っ赤にしてわたわたと忙しなく動いていた。

「凄いんだよ。卵焼きあるし、ハンバーグもオムライスもチャーハンも作れるんだよ
 しかもめちゃめちゃ美味いし。
 おれが怪我した時とか“傷口洗ってコレ貼んな!”って絆創膏出すし」

(((最早おかんの域!!)))

藤江の東藤女子力談を聞いた、この時、
三人の心の声は、見事に一致した。
そして、この話をした翌日から、どこから聞き付けたのか、
八組メンバーだけでなく、一組の一部の人からも“おかん”と呼ばれるようになった。




「せめて“おとん”にしなさい!」

「「「「どう考えても“おかん”(だろ/でしょ)」」」」


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