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一緒に小説作りましょ!! V85
193
:
ふみぃ
◆E9.L69xX7g
:2015/03/26(木) 23:15:36 ID:13QTF0m6
「えっと、オレと光樹は幼なじみで、でも中学は違って、
んっと、あの、二人が想像してるような関係じゃ、ない。
えっと、高校なって、入学式の時に光樹が八組だって知って、
一回声かけたんだけど、光樹がオレのこと覚えてなくって、
そんで、どーしたらいいか分かんなくなって、でも光樹とは話したかったし…」
話をうまく纏められない東藤の話を、二人はちゃんと聞いていた。
北園は相槌をうちながら聞いていたが、
黙ってしまった東藤に「それで?」と優しく問い掛ける。
更に顔を赤くしてしまった東藤が頑張って話すまで、二人はじっと待つ。
やがて、また小さな声で喋り始めた。
「八組に突撃訪問というか…。正直あんなこと言っちゃって、来辛かったんだけど。
オレ、本心じゃないのに、周りもあんなこと言うから、助長されたと言うか…」
「流されて言っちゃったんだね?」
北園の問い掛けに、東藤はコクりと頷いた。
次いで、勢いよく頭を下げる。
「その、……ごめん」
小さく呟かれた謝罪の言葉。
まるで幼子のように小さくなってしまった東藤に、北園が勢いよく抱き着く。
東藤が「わっ!」と声を漏らし、三谷はやれやれ、とため息をついた。
「も〜〜〜!可愛いっ!!!」
北園に抱き着かれて混乱し、更に「可愛い」と言われて顔を赤くする東藤を見れば、
確かに腐っている方々は可愛いと思うだろう。
そんなことを考えながら、三谷は北園を東藤から引っぺがした。
東藤が「ありがとう」と、ホッとした顔でお礼を言う。
「つまり、藤江に構ってもらいたくて、うちのクラスにちょっかい出してたの?」
「そう、なるのかな…?」
「でもよー、藤江、さっきお前の下の名前呼んでたよな?“ゆーき”って」
「うん。…なんでなんだろ。オレ、忘れられてたかと思って、たのに……」
涙を浮かべてそう呟く東藤を、北園が慰めに入る。
いっそのこと本人に聞いてみるってのは?という三谷の提案に、二人は頷いた。
が、一番藤江の言葉を聞かなきゃいけない東藤が、いざ教室に戻ろうとした時に
ドアから張り付いて動かなくなった。
「ちょっと!いつまでもそうしてちゃキリないでしょ!」
「勇気出せ東藤!男だろ!名前だって“ゆーき”だろぉお!!」
「名前と性格関係ねーよ!頼むから結び付けないでくれ!」
騒いでいる三人の背中を、冷気が覆った。
危険を感じて三谷と北園は引き攣った顔で振り返るが、東藤はキョトンとしている。
三人の視線の先には、背後にブリザードが吹き荒れている井口の笑顔があった。
それを見て、東藤も二人と一緒に固まる。
「男なら潔く行こうか、東藤クン?」
自分に向けられた笑みに、東藤が短く「ひぃ!?」と声を上げた。
すくみ上がるのも無理はないだろう。
それ程の威圧感である。
「………はぁ。藤江、キミもさっさと話ちゃいなよ。見てて東藤が気の毒」
ため息をついたと同時に、ブリザードが止んだ。
井口が藤江に視線を投げかけると、三人の視線も自然と藤江に向かう。
かたり、とシャーペンを机に置き、藤江がテキストから顔を上げた。
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