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一緒に小説作りましょ!! V85
186
:
ふみぃ
◆E9.L69xX7g
:2015/03/23(月) 17:54:19 ID:sfWHNCxY
そうしてから僅か30分。
集中力が切れたらしい北園が、シャーペンを御膳の上にカタリと置いた。
それに気付いた井口が北園にどうした、と声をかける。
「…いや、郁って英語凄いできるけど、生物とかどーすんの?壊滅的じゃん」
なんでもないようにして北園の口から出た言葉に、
他三人はピタリと書く手を止めた。
井口に至っては冷や汗をダラダラと流している。
…どうやら本当にまずいらしい。
「おれ、国語なら教えられるよ」
冊子から顔を上げ、伸びをしながら言ったのは藤江である。
この間聞いた中間テストの結果からして、
確かに人に教えられる点数ではあるだろう。
「いや、国語は間に合ってる」
「問題は世界史だよな。
お前、英語と国語は出来ても、他赤点スレスレじゃん」
「生物、世界史はどうにかなるとして、あとは数学だよね」
「おれ数学は無理だよ」
「「「期待してないから大丈夫」」」
三人口を揃えて放たれた言葉に、むう、と頬を膨らませていた。
その頬を、北園が面白そうに突いて遊んでいる。
遊ばれて更にむくれる藤江を見て、井口も三谷も頬を突くのに参加していた。
一番最初に井口が抜け、もう一度冊子に難しい英語を書き込んでいる。
それを見て、やらなければ、とでも思ったのか、
藤江が二人を退けるとまた冊子をやり始めた。
つられるようにして残りの二人もやり始め、
また静かな空気が部屋を満たした。
夕刻5時、赤とんぼのチャイムが流れると、
四人はハッとしたように手を止めた。
もうすぐで夏休みに入るこの時期、
5時といえどまだ明るく、暑さも残っている。
「じゃあ、今日はこれで終わろうか」
井口の言葉により、三人はやっと終わった、という顔をしていた。
藤江の母が置いた麦茶を飲み干して、荷物を片付けてそれぞれが立ち上がる。
「じゃ、また明日」
門まで見送りに来た藤江が、駅に向かって歩きはじめた三人に言った。
その言葉にいち早く反応した三谷が「またな!」と言って手を振る。
北園も井口も藤江に声をかけて手を振り、その後また歩いていく。
三人が角を曲がってからやっと家に入り、
この数時間全く姿を見せなかった猫を構う。
猫の方は、どうやら文句を言いに来たらしく、仕切りに鳴いていた。
ごめんね、と言いながら頭を撫でて、2階に上がる。
今日井口に渡された冊子をやるつもりなのだろう。
あれほどの課題を出され、
数時間の集中で疲れきっているにも関わらず、藤江の口元は弧を描いていた。
(友達ができてよかった、とか思ってみる。)
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