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チラシの裏 4枚目

232im@s fantasy9 第三章 第六十二話 1/3:2010/06/15(火) 02:45:01 ID:Os6KehOI0
「あ…あぁぁ…あぁぁ…!!!」

赤々と燃えるアレクサンドリア城。
千早はそれを見て震えることしか出来なかった。


こみ上げる笑いを押し殺しながら貴音は言う。
「説明いたしましょうか」


「ぅう…っぐ……ぬ…ぅう…う…あ……!!!」
圧し掛かる天井を頭一つで押し上げるかのような力で千早は…立ち上がった。
「おや、そろそろ弱まる頃合いとは言え見上げた根性ですね…
 何にせよ、現状を把握してからの方がよろしいのでは」

「勝手に…言ってなさい」
敵よりまず、守るべき者…雪歩女王のいる城へ。

足を、膝を、無理やりに引きずりながら。
「なら勝手に言っておくとしましょう
 あの火は霧の魔獣のものでも、バハムートのものでもありません」

貴音は種明かしを始める。
「リンドブルム兵によるものです」


「…ふざけた…ことを……」
一歩ずつ進む。

「本当のことですよ 彼らを殺し、リンドブルムの者たちの前で鎧の一つでも剥いで見れば解ることでしょう
 そこには正規の隊員番号が記されているはずです」

耳を傾けるに値しない。嘘偽り、でたらめであるに決まっている。
「…」
だが。
「『もういなくなったはずの者の』ね」


…千早は思わず歩みを止めた。
「…鎧を奪ったのね」
「奪ったなどとんでもない。彼らはアレクサンドリア憎しの一念で動いているに過ぎません
 私はその背中を押しただけ」

「先王春香殿がリンドブルムを襲撃するとき何をしたか。
 お忘れではないでしょう?召喚獣『アトモス』を。」



「それはリンドブルムの一部を丸ごと削り取り、光すら届かぬ闇の中に引きずり込むものでした」

「私は、その深淵なる闇の中にいる者たちが哀れに思えたのです
 そこで私は考えました 『闇から彼らを解き放つ召喚獣を用意すればよいのだ』と」



「世界から名だたる珍品を集めている私の元には、召喚獣を封じた宝物がいくつか…
 その中の一つ、魔法のランプを使ってみると、…そう。
 主を闇に紛れさせ、闇と常世を行き来するその召喚獣の力を私は役立てたのです」


「それはまさか…」
「ええ、先ほど響と名乗る彼女に倒されたディアボロス。彼が呼び戻したのですよ
 アトモスにより葬られた彼らを…アレクサンドリアへの復讐者として…
 闇から現われ、あなた方を絶望の闇へと招く彼らは
 そう…まさに『闇よりの使者』!」


「…何てことを…!!彼らは、あれからのことを何も知らないでしょう!!」
「闇から解き放たれた喜びとアレクサンドリアへの復讐心以外最早何もないでしょうね
 私は彼らを助けたのです。

 …そのようなことより、さぁ。宴はここからが本番ですよ」


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