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チラシの裏 4枚目

215im@s fantasy9 第三章 第五十七話 2/3:2010/06/05(土) 01:57:43 ID:BVdpDv660
「…戦うしかないね」
「ええ…。」

千早と真は庭を歩く。


「…ごめんなさいね 春香様のご意思に背いてでも、奴を警戒できていれば…」
千早は城と城下を遮る掘の脇を歩いていた。

「お互い様だよ。ボクなんて気づいていた姫様をあろうことか
 アレクサンドリアに連れ帰そうと躍起になってたからね。
 ………言ってはならないことだけど…もう、時間は戻らないからね」

千早は水面に映った自分を見る。
「時間は戻らない…か」



「何より、当の雪歩様がボク達を心配してるんだよ?
 兵士の皆も、ボクや君さえ自分のけじめのために命を絶とうとしてた時に。
 …一番死にたいのはあの方だと思うよ …ボクらよりずっと年下なのにさ」


「だから…生きよう。千早」
「…ええ」



「…あら…私達って雪歩様と同年代だったような…」
「……千早大丈夫?ボクら春香様や雪歩様より結構上だよ?」

「…そ、そうだったわね…うん。何かそんな気がしただけ」
思わぬドジに頬を赤らめる。



「…時間は戻らない、か…」
「…」

たどり着いた場所は、春香が眠る墓の前。
水面がゆらゆらと揺れ…


風に長い髪が流れる。
「…真」
「?」


「私にあの時決断させたあれを貸してくれる?」
「あれ…?
 …ああ。昔ボクが千早を倒した時に持ってたあの剣…?
 あれがきっかけでそこまで恐ろしく強くなったんだっけ?元からボクなんかより強かったのに。」
「ええ。」


真の剣を借りる。
「いや何でボクの剣を…?千早自分の剣持ってるよね」



「今までの私を覚えていてね」
「『誰の真似だよ』」





そして千早は目を閉じ…
自らの後ろ髪に剣を潜らせる。


さらさらと流れた髪は風に乗り…空へ舞って行った。




「…どう、かしら」
口元が恥ずかしさで歪みながら、千早は真を見る。

「うっ」


「ま、真!?」
春香女王の墓の前に謎の血の跡と、謎の美女の出現。

城内が騒然となった。






「ああ、千早ちゃん髪切ったのね…そりゃ真ちゃん鼻血出すわ…」
事を一発で理解した小鳥は書斎で一人、ピヨピヨしていた。


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