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チラシの裏 4枚目

180im@s fantasy9 第二章 第四十七話 5/5:2010/05/28(金) 04:21:58 ID:ktUuKrtk0
底なしと思われたこのイーファの樹の最下層は、緑の水面であり…
その上に立っているここは…まるで、巨大なハープのようだった。

「これは…機械…?」
「…マミが言ってる、凄い生命がここにあるって!!」


「一体、…一体何なの?ここ…!」
美希は心が落ち着かない。…イーファの樹を見たときのざわめき、嫌な予感が最高潮に達していた。

「…」
反面、ドリルは心を落ち着けていた。地中だからか?いや…それは違うだろう。

ビビは、ここで自分達の謎を解けると…最早、半ば確信していた。



「……!! ミキミキ!ゆきぴょん!ビビちん!! …何か来るよ!!」
巨大なハープが激しく揺さぶられる。
幹の壁が…うごめく。活発にイーファの樹全体が動き始める。

そして…揺れの中心である、ハープの先端に行った瞬間…
下から、それは姿を現した。



「貴音ではなかったか」

現れたのは、人面のついた巨大な樹。
「エクスデス…!?」
違う。


…その樹は、イーファの樹そのものと恐らく結びついているのだろう。
大いなる生命として、美希達に思念波で語りかけてきた。

「貴音の仲間だよね …霧でしようとしているの、
 貴音は? …あいつはどこにいるの!!」

樹は話す。
「我の預かり知らぬこと……」
「霧を使って何をしようとしてるの…」

「我は霧を南の大陸へ送り廃棄するのみ」

「送る!?」
「精製の際に生じた廃棄すべき成分…それが霧」


「霧は闘争本能を刺激する
 霧により大陸の支配者を刺激し…戦争を誘発させる
 そして、文明を破滅させることが我が目的」


黒魔道士の材料としなくとも…
霧は戦争を起こすための道具だったのだ。

「…文明の…破滅…?」


「我を倒さば霧は止まる
 即ち、貴音により生み出された、お前の仲間が生まれぬことも指す」


ビビに語りかける。
「…」

「貴音は言っていた 純粋なる霧を用い、最初の兵器を生み出し雛形としたと
  我を倒すこと、それ即ちお前が自身の存在を否定することと等しい」

「…」
ビビは…目を閉じてうつむいていた。
「僕は…人を殺すために生まれてきたんだね」


「そんなこと、意味ないと思う」
「ビビ…」


「けど僕には… 僕には今こうして生きて、美希姉ちゃんたちといることがそれだけで意味なんだ!!」

一つの生命として彼は、霧を生んだ存在に向かい立つ。
「もう人殺しの道具なんて生ませない…!生んじゃだめなんだ!!」


「……ビビ…!」
美希は頷き

巨木を前に、盗賊刀を構える。
「…もう聞きたいことは終わった、後はお前を倒すだけ!」



「我が名はソウルケージ
 我が預かりし一千年  終わりは見えど今ではない
 止めること 許されん  我を倒すこと 無意味なり」


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